コロナ禍でもいろんな工夫をしながら、森会の英語教員は頑張っています。

7月19日(日)に中川地域交流センターで森会が行われた。今回が第40回になると言う。ここまで盛り上げてくださった会員の皆様には敬服するとともに、会員に連絡、会場の予約、テーマの設定などいつも事務作業をしてリーダーシップをとって下さっているWさんには頭が下がる思いである。これからも50回、100回目指して継続していけると、みんなの力になっていいなと思う。

今回も「指導と評価の一体化に関する参考資料」の読み込みをする予定だったが、1学期の参加者の取り組みを発表し合って時間切れで終了となった。それもそのはずで、参加者みんながコロナ禍で苦労しながらもさまざまな工夫を凝らし、一生懸命準備をして、もがきながら授業を行っていることがわかったからである。

I先生はランダムな席の配置に取り組んでいる。どんなパートナーともペアワークができなければならないし、それが引いては「クラスづくり」にも結びついているとのこと。授業前には、テレビ画面にランダムに表示された座席が映し出され、その通りに子どもたちが着席する。ランダムに表示される機能はEXCELのマクロを使ってプログラムされたものを使用しているのだそうだ(同僚のSh先生の手作り)。コロナ禍での席の工夫も話題に上がった。ソーシャルディスタンスを保ちながら、ペアワークをするにはどのようなことに気をつけたら良いのだろうか。英語の授業とはいえ、例外ではないはずである。

T先生は同じ学年を担当する英語の先生との授業の持ち方について、話題に上がった。「話す」活動と「書く」活動のバランスについて。クォリティのかなり高いプリントを使用しての授業。あまりにもスタイルが違いすぎて、また、パートナーの先生の授業があまりにも素晴らしいので、自分の授業がちっぽけに見えてしまうという話だった。学期初めにテストを作成してそれを渡しておくこと。これにより、教える内容の差が小さくなる。さらに、プレテストを作成しテスト2週間前に生徒にさせて、テストの方向性をしっかりと定めておくこと。パフォーマンステストを何回か行い、定期テストだけで成績を決定するのでは無いことなどの意見が出た。

S先生は、本会の会員でもある、全英連授業者のSh先生の授業を参考にして、PPTで本文の導入をOral Introductionしている。デジタル教科書を使用しながら自分で明示的に文法説明をせず、デジタル教科書内の外国人講師Stuart先生の説明を委ねている。授業に参加している特別支援学級の生徒たちにどのように関わればよいか悩んでいると言う。なるべくペアワークやグループワークを増やして、先生が教え込んだり支援員が手伝ったりするのではなく、生徒同士で支援し合うことが大切な旨をアドバイスした。子ども同士で学び合うことが基本である。その方がわかりやすい。

最後に、W先生。iPadを使って授業を行なっている。PPTを駆使してのOral Introductionや絵を映し出し「自己表現」活動につなげ、Review Sheetに書かせている。また、発音が焦点化されて構成されているpartがあるため、焦点化された発音を取り上げ、何度も何度も言わせて定着させようと試みた。毎回本文を扱うときに、1つか2つの発音を取り上げ、焦点化して練習していくとよいと話した。また、集中してもすぐに発音への気づきが薄れていってしまうため、何度も何度もスパイラルしながら、同じものを繰り返し練習することが大切であることを付け加えた。

今回もかなりいい学習会になっていた。それぞれが1学期に行った実践を紹介するだけで、自分を振り返るいい機会になっている。もっと刺激をもらって自分の学びにつなげていこうと思う。

星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿(訳)を読んで

小説はネタバレするのであまり書きたくなかったが、自分の感想文と読んだ本の記録として載せることにした。

【星雲賞受賞作】
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作(Amazon解説より)

人型宇宙人が地球人と似ているのは、パラレルワールドが存在したからかもしれない。私たち人間が今存在しているのは、46億年地球が誕生して経過した時間の中で、奇跡に近いことだと言われている。長い時間かかって進化が行われ、今のような人間が存在することになった。進化している段階で、枝分かれしている段階で、別の隔絶された世界に、生物が送り込まれていたらどうなるのだろう。

SFの名作だそうだ。さまざまなことを考えさせられた。前半は我慢して読む必要はあるが、後半はあっという間だった。おもしろかった。

退職後に気をつけなければならないことがわかりました。

 実践ビジネス英語6月号 Lesson 5 「増加する退職後も働く人たち」Unretirees on the Riseを2週間聞いて

 今回のタイトルから、私にも他人事ではなく、興味をもって内容を聞くことができた。内容は、勤続41年の先輩が退職し(一生同じ会社で勤め上げる人はアメリカでは珍しい)、再就職せず、妻と100日間世界一周クルーズに出るという話。

 「引退は、誰もがいつかは経験しなくてはならないことです。人生で最も難しい時期は、初めて就職するとき、結婚するとき、子供を持つ時、そしていよいよ引退する時だ、と言われます。」(テキストより)

 62歳まで段階的定年延長になり(私の1歳下は63歳、1歳上は61歳)、あと7年半、それまでに考え方をしっかりまとめておく必要がある。「何がしたいのか(引退後)」「(そしてそのために)今どうすればいいのか「(そうなるために)どう考えたらいいのか」を少しずつ考えていこうと思っている。

There are more “unretirees” these days. 今は、「退職後も働く人たち」が増えている。

Work helps them stay mentally fit by preventing boredom or depression. 働いていれば、退屈したりふさぎ込んだりないので、精神的に元気でいやすいですからね。

About 20 percent of people 65 and older are now working. 65歳以上の人たちのおよそ20%は、現在働いている。

Many of them switch from full time to part-time employment. そういう人たちの多くは、フルタイムの雇用からパートタイムの雇用に切り換えています。

These days the trend is toward a more active form of retirement, one that includes time for both work and personal pursuits or leisure. 退職後の生活の今の傾向は、もっと行動的なものに、つまり、仕事の時間と個人的な趣味やレジャーの時間の両方を含むものに向かっています。

Successful retirees usually have strong social networks that gave their lives structure, as well as let them lives friendships and take part in fulfilling social activities. 退職後も元気でいる人は、普通、強いソーシャル・ネットワークを持っていますね。そのつながりによって、生活にメリハリがつくだけでなく、交友を楽しんだり、充実した社会的な活動に参加したりすることができるのです。

前にも「ガッテン」で見たことがある。友達が多い人は長生きの人が多いという特集である。友達が多ければ、コミュニケーションを取ることも多くなり、ボケたりせず病気になるリスクも軽減するのだとか。私は多趣味だが1人でできる趣味が多く、人と交わるのを極力避ける傾向にあるので、これからは信頼できる人は数人でいいが、遊び友達をたくさん増やしていこうと思う。

そう言えば、Quote UnQuoteのコーナーに、素敵な言葉があった。私も常に心がけていることである。To prepared is half the victory. (準備をしていれば、半ば勝ったも同然。)柔軟性を保ちながらも、用意を周到に行うことが、小さな成功の秘訣である。その小さな成功の積み重ねが大成功を生み出すのである。

ストーリー・リテリングは話す力と書く力の表現力を向上させ、伝え合う力を養うと思います。

ここ数年、「ストーリー・リテリング」に取り組んでいる。難しく、集中力が必要で、相手意識を感じながら緊張して行うので、リテリングを行うことを告げると、「エーッ!」という歓声が上がるが、ネガティブなものではなく、緊張するからやりたくない反面、力がつくからやりたいというポジティブな歓声と感じられることもある。

「ストーリー・リテリング」は、教科書本文の内容を絵、記号、単語をたよりに、教科書を見ずに、自分の言葉で再現する活動である。

語彙力(単語の定着)、話す力(発音、アクセント)の強化、内容を把握する力、書く力などに向上が見られ、ひいては、伝え合う力や表現力(書く力話す力)がアップすると思われる。単語の意味や発音、本文の内容がわからないとリテリングできないことから、集中力を絶やさずに準備しないといけない。

ストーリー・リテリングをするには、そこへ至る過程が最も大切である。手順は、リスニング Oral Introduction 新出単語の導入 1人読み 音読練習 内容理解(メインセンテンスの確認)絵を使ったModel ストーリー・リテリング ライティングの順番である。

①リスニングは閉本の状態で本文を2回聞き、概要を把握する。ペアでキャッチした言葉やフレーズを確認する。

②デジタル教科書のピクチャーカードで、スキーマを高めるため、背景知識についての教師によるOral Introductionを聴く。

③デジタル教科書で新出単語の導入→1人で練習→ペアに意味と発音を披露し確認する(1回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露(2回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露

④1人読み(音声中心)→読めない単語、間違って覚えている単語をペアで確認→ペアで解決しなかった部分を全体で共有 *まずは自分1人で読めるかどうか確認する。コーラス・リーディングを最初にすると、自分1人で読めるかどうかの確認ができない。

⑤1人読み(意味中心)→理解できない文をペアで確認→ペアで解決できなかった部分を全体で共有 *教科書にあるQ&Aやpointsなども理解度の参考にさせる。

⑥Chorus Reading(チャンク、一文)→Buzz Reading→ペアに自分の読みを披露(1回目)→1人で読みの修正練習→ペア(別)に披露(2回目)→修正練習→ペア(別)に披露(3回目)

⑦内容理解は、各パラグラフの頭に数字を入れる→各パラグラフのメインセンテンスに線を引く→メインセンテンスの確認 *メインセンテンスとは、各パラグラフを言い表す代表的な一文である。どのパラグラフにもそのパラグラフを言い表す文がある。その文をつかむことができるようになれば内容理解がスムーズになる。

⑧メインセンテンスを中心に、ストーリーを再構築して、絵を黒板に描きながら、ストーリー・リテリングのモデルを示す→個人練習(教科書を見てもいい)*暗記するのではなく、内容を自分の言葉でパートナーに伝えることが大切であることを確認。さらに、教科書は見ずに、黒板の絵だけ見て相手に内容を伝える。絵はストーリーを想起するためのVisual Aidsであることを確認。

⑨ストーリー・リテリング→ペアに披露(1回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(2回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(3回目)

⑩ライティング ストーリー・リテリングで話した内容をノートに書く(教科書を閉本)。5分くらい時間をとった後で、教科書を見ながら書いた文章を確認。綴間違えなどを修正→ペアでノートを交換し書いた内容について確認。

東京書籍’New Horizon English Course 3’のUnit3 “Fair Trade Event” part4のストーリー・リテリングの絵である。私が書いたものであるが、絵はあまり上手ではない。この絵が子どもたちのリテリングをやる際のVisual Aidsになってくれさえすれば、絵の上手下手は関係ない。メインセンテンスを中心にストーリーを再構成した。ストーリーを語る際に必要と思われる語は英語で記しておく。 子どもたちにスケッチブックに絵を描かせてやらせることもある。

ライティングの際のノートであるが、中段から下が、リテリングした内容を書いたものであるが、ほとんどの子どもたちがスラスラと書いていたが、文法上の誤りと単語のミスが目立つ。教科書を見ながら修正し、ペアでの確認の際にも加筆修正をしてもらえればダブルチェックで間違えがよくわかるのではないかと思う。

相手意識を持ちながら、内容を把握し自分の言葉で伝えるので、表現力がつく活動だと思う。さらに、正確に書く力もつく。これからも続けていきたいので、授業の様子をアップできればと思っている。

アドバイスなどがあれば、是非お願いしたい。

「語根」をイメージしながら単語を眺めると、意味が分かりやすくなることがわかりました

「続『英単語の語源図鑑』清水健二・すずきひろし著 本間昭文(イラスト) (株)かんき出版 を読んで

 コツコツ読んで、数ヶ月かかったが、とても興味深い本だった。「五弦ん」をしっかり押さえれば単語の見方が変わり、丸暗記しなくてもイメージから意味を推測することができるようになる。

 語源学習とは、「英単語を細かいパーツに分けて、それぞれのパーツの意味を関連付けながら、その単語の意味を推理する」学習であると、筆者は語る。さらに、英単語は、「接頭辞」「語根」「接尾辞」に分かれる。この本は、「語根」に焦点を当てている。「語根」とは、単語の真ん中に来て、忌みのちゅう角をなす「キー」となるものである。

 例えば、語源”-term-“は「限界、境界」という意味で、de-という接頭辞の「離れて」をつけて、determine 「迷っている、限界から離れて」→「決心する」という意味になる。term+ate(動詞に)=terminate(終わらせる)。ex(外に)+temin+ate(動詞に)→限界の外へ→絶滅させる、などと語根を押さえれば、派生語も押さえることができる。

 印象に残った部分を書き留めておくと、

① 「賞品」「賞金」のprizeは元々「つかんだもの」という語根。sur(上から)+prize(つかむ)→驚かせる。com-(共に)+prise(つかむ)→構成する

② plant, plat, flat=平らな trans(超えて)+plant(植える)→移植する ex(外へ)+plain(明白な)→明白な気持ちを外へ出す→説明する

③ sui, sue=続く、従う pur(=pro(前に))+sue(従う)→前についていく→追求する、従う suit(スーツ)はズボン(スカート)と上衣のお揃いで、「続く」という意味。

④ react=まっすぐな、導く e(外へ) +rect(まっすぐな)→まっすぐに伸びる→立てる、建てる co(r)(完全に)+rect(まっすぐな)→正しい rectは、regularのregやaddressのdressと同じ語源

⑤ tech, text=織る、組み立てる technique, technology con(共に)+text(織る)→一緒に織られた→文脈 architect, pre

⑥ tempo=時間、季節 con(共に)+tempo(時間)+ary(形容詞に)→共に時間的に→同じ時代の tempo(時間)+ary(形容詞に)→一時的な 「天ぷら」はポルトガル語のtemporas(四季に行う斎日)から

⑦ tem(p), tom =切る temp(切る)+le(指小辞)→(世俗から)切り離された atom(原子)→a(〜でない)+tom(切る)→もうきれないもの→原子

⑧ crede=信頼、信用 in(〜出ない)+cred(信用)+ible(できる)→信じられない a(c)(〜を)+credid(信用)→〜を信じる

⑨ ant, anc=前、額 adv(〜から)+ance(前)→前から進む→進む adv(〜から)+ant(前)+age→有利な点、長所

⑩ wr, war, wor=ねじる、曲げる→包む、巻きつける wrinkle→くしゃくしゃにする→しわ

単語の見方がガラッと変わる。ただ、語根をイメージできないと、単語のイメージも湧かないので、少しずつ復習しながらやっていこうと思う。

これだけひどいことをしているのなら、こういう結末も致し方無い

シルベスター・スタローンの「ロッキー」に並ぶ代表作で、1982年に1作目が製作された「ランボー」のシリーズ第5弾。グリーンベレーの戦闘エリートとして活躍していたジョン・ランボーは、いまだベトナム戦争の悪夢にさいなまれて、PTSDに苦しんでいた。ランボーは祖国アメリカへと戻り、故郷のアリゾナの牧場で古い友人のマリア、その孫娘ガブリエラとともに平穏な日々を送っていた。しかし、ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに拉致されたことで、ランボーの穏やかだった日常が急転する。娘のように愛していたガブリエラ救出のため、ランボーはグリーンベレーで会得したさまざまなスキルを総動員し、戦闘準備をスタートさせる。監督はエイドリアン・グランバーグ。【映画.comより引用編集】

久しぶりの映画館はとても新鮮だった。コロナ感染拡大防止のために映画館がクローズになって以来、4ヶ月近く映画館に行っていなかったので、ワクワクした。その映画鑑賞復活の第1弾が「ランボー」でよかった。

シルベスタースタローンはスクリーンで観てもかなり老けているのがわかった。しかし、とても74歳とは思えないほど、溌剌としていて、演技、アクションとも申し分なかった。スタローン好きが見にきているので、観客の年齢層はかなり高かった。さすがに、製作や監督はしていないが、これまでの「ランボーシリーズ」をしっかりと受け継いだ作品となっていた。これならオールドファンも許してくれるのではないかと思う。

人身売買組織への復讐するランボーは、鬼の形相とかして、めちゃくちゃし始める。この部分も大切な人を亡くして単身で敵陣に乗り込むこれまでのランボーシリーズと同じである。しかし、今回は今までの中で1番怒りが出ていた。はっきり言ってめちゃくちゃしている。

人身売買組織もかなりひどいことをやっていたので、はっきり言って、グロい復讐劇になっているが、それも仕方がないと思う。

時間を忘れるくらいおもしろかった。幸せな2時間だった。

「指導と評価の一体化に関する資料」において、内容のまとまりと観点のクロス評価のしかたがわかりました

 2020年6月21日(日)に毎月恒例の「森会」が中川公民館(松阪市)で行われた。参加者は私を含めて6名。今回も前回の研修をもう少し深めようと、意欲のある英語教員が集った。

 最初は、新しく採択されるであろう東京書籍「New Horizon」の新教科書を見ながら話し合った。森会の主催者のW先生が資料を提供してくれた(現在教科書会社から配布されている宣伝用のリーフレット電子版)。さらに、新しい教科書の巡回展示をしているので、実際に足運んで内容を吟味していただいたので、そのときの情報も提供してくれた。

 津市教科書採択協議会は、昨年度、小学校の教科書として、東京書籍「New Horizon elementary」を採択している。中学校教科書に合わせるために、小学校も同じ教科書会社を採択したと考えられるので、今回の採択も東京書籍であろうという推測は、参加者は全員一致だった。

 教科書は新学習指導要領の趣旨に沿って、語彙数はかなり多くなっている。そのため、文章も2年生中盤で120語以上と現行の教科書では3年生の前半と同じ語数である。3年生では200語以上、3年生の最後には300語以上の読み物も登場する。諸外国に比べて、圧倒的に読む量が少ないという反省の元に編集されていることがよくわかる。内容的には、大まかに、’’Mother’s Lullaby”などのずっと続いている東書の目玉的な読み物教材はそのままであるが、デザインが変わり雰囲気が随分違っている。やはり全国採択数1位であることからも、膨大な費用を投入できることもあって、見やすい紙面づくり、特別に支援が必要な子どもたちにも配慮した色づかい、イラストも内容を想起しながらリテリングができるように大きくわかりやすくなっているなど、随所に工夫点が見られている。来年4月1日まで手に持ってみることはできないが、使ってみるのが楽しみである。

 後半は、「『指導と評価の一体化』に関する参考資料 中学校 外国語編」の読書会を行った。一人5ページの割り当てをもらい20分くらいで概要の説明を行なった。

 何度もこのブログでは登場するが、「主体的に学習に取り組む態度」については、① 粘り強い取り組みを行うこと ② 自らの学習を調整することを中心に評価する必要がある。「知識技能」はペーパーテストで評価をし、「思考・判断・表現力」は論述、レポート作成、発表、グループの話し合い、作品の制作表現などで評価をし、「主体的に学習に取り組む態度」はノート、レポート記述、発言、行動観察などのより評価することができる。評価の項目である「学びに向う力・人間性等」についても、感性や思いやりなどは個人内評価で行う。

 「内容のまとまり」とは、「5つの領域」のことである。それぞれの目標については、①【 聞くこと】 はっきり話されれば、日常的な話題(社会的な話題)について、必要な情報、話の概要(短い説明の要点)を捉えることができる。② 【読むこと】 日常的な話題(社会的な話題)について、必要な情報、話の概要(短い文章の説明の要点)を捉えることができる。③ 【話すこと(やりとり)】 関心のある事柄などを伝え合い、日常的な話題事実、自分の考えや気持ちを整理し、相手からの質問に答えられる。また、まとまりのある内容を話す。(④⑤は省略)

 学習評価については、「的確に捉える」「指導の改善に役立てる」「学びを振り返って次の学びに向かわせる」という3点が意義である。指導の改善は主体的対話的で深い学びにつなげる。評価の改善は場面・方法の工夫によりさらに深めることができる。さらに、生徒の学習改善につなげるとともに、指導の改善にもつなげていく。そして、これまではされてきたことでも、必要性・妥当性がないものは見直すことまで提言されている。

 内容のまとまり(5つの領域)と「知識技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」のクロス評価表を作成していく必要があることがわかった。学校全体のCAN-DOリスト→学年別のCAN -DOリスト→学年別の内容のまとまりの達成目標を5領域別に作り、3観点とのクロス評価表を作る。ここからもさらに単元別にしておくと、評価のタイミングや仕方を的確に設定することができる。

 わからないところが多い。自分の中に落ちていかない部分が多い。まだまだしっかり読み込まなければならないと感じた。

授業力向上のために、「実践研究」をやってみようかなと思っています

 今月号の特集は「実践研究」と「SDGs」についてである。実践研究については、「やってみたい」とずっと思っている。田中武夫先生(山梨大学教授)によると(pp.10〜11)、「実践研究とは教師自身が教師としての成長を目指して、実践の理解や改善を行う、実践についての体系的な探求を指します。」とある。『英語教師のための「実践研究」ガイドブック(大修館書店)』も共著されているので、併せて読んでみたい。

「実践研究について」

高木亜希子先生(青山学院大学教授)(pp.12〜13)は、実践研究の目的は、「生徒の理解と授業改善である」としている。次の3ステップを意識する。「問いを立てる」、「データをとる」、「分析・解釈する」、「1つの対象クラスを決め、1ヶ月間、授業後に気になったことを一言メモすることから始める」、最近、3〜5分授業メモをつけるようになったが、見通しが立つようになった。また、「『先行研究』をした方がよいが、多忙な中、無理をする必要はない。」とも書いている。問いが非常に大切で、「どのような指導をすれば、生徒はスピーキング活動に積極的に取り組むか」では、まだ曖昧で、問いを明確にするため、誰を対象にし、どのような実践を行い、どのように生徒の変化を見ようとしているのかを考えて、「英語が苦手な中学2年生を対象に、タスク活動を取り入れたら、英語のスピーキング活動に対する意識はどのように変化するか」と明確にするといいと記述している。

また、藤田卓郎先生(福井工業高等専門学校准教授)は、「実践研究の利点として、実践研究の共有が自身の実践を振り返るきっかけになることが挙げられます。実践研究を他者と共有する際には、自身の指導文脈、問いを設定した背景、実践した指導やその指導を行うに至った経緯、データーの収集法・分析法やその解釈などを体系的に伝える必要がある」と論じている。実践研究を共有する人が必要であり、内容を共有することで、継続することもできるようになる。

「SDGsについて」

SDGsとは、Sustainable Developmental Goalsの略で、2015年に国連によって採択されたアジェンダ(行動計画)である。国際社会全体が、人間の活動によって起きている様々な諸問題を喫急の課題として認識し、2030年までに解決に取り組む合意文書である。以下の3点が強調されている。

● 我々は、すべての人々のためによりよい未来を作る決意をする。

● 我々は貧困を終わらせることに成功する最初の世代に成りうる。

● 同様に、地球を救うチャンスを持つ最後の世代になるかもしれない。

アジェンダの基本は、「No one left behind」(誰一人取り残さない)と佐藤真久先生(東京都市大学大学院教授)は語っている。

バランスの良い指導のた目に、「プレビューとしてのオーラル・イントロダクション」内田浩樹先生(国際教養大学教授)

「How(どうやって)を考える前にwhy(なぜ)をはっきりさせることが、正しいやり方に到達する近道です。」手段ではなく目的を明確にすること。「オーラル・イントロダクション(OI)によるプレビューでは、生徒が教科書の英文を読む前に、その要旨をやさしい英語で伝えるのが一般的。」私は文法導入と本文導入のとき、OIを使っている。「リーディングをする前に、そこに書かれていることの概略や物語文であればあらすじを伝えることができれば、生徒が難しい英文を読み進めるときの手助けになります。」スキーマを作ることが大切である。

今月の時事英語 「不要不急の」nonessential

コロナ関連でニュースでは「不要不急の」という言葉をよく聞くが、英語ではなんというのだろうとずっと疑問に思っていたが、案外簡単で、nonessentialだった。

スマートスピーカーにも気をつけて話をしないと

 実践ビジネス英語5月号 Lesson 4 「AIがもたらす新たな可能性」New Possibilities With AIを2週間聞いて

 今回はAIについて、がテーマである。将来はAIが私たちの仕事をいくつかになっていくだろうと言われている。現在でも、マーケティング、製造、販売を始め、顧客サービスやオンライン検索、職場管理、大量データ処理、人事の分野でも大きな役割を果たしている。私も5月連休明けに前から欲しかったスマートスピーカーを購入した。「天気を聞いたり」、「音楽を検索して聞いたり」、「Amazonでの購入履歴を聞いたり」、本当に重宝している。タブレットで打ち込むよりも口で言ったほうが早く、すぐに教えてくれるから便利である。わからないことやもっと知りたいことは改めてPCやタブレットで調べればよいのである。

In this digital era, we all need to be data scientist who know how to look at numbers and spot trends.

data scientist という職業があることに驚いた。意思決定者が大量のデータに基づいて合理的判断を行えるように、データ分析をサポートする。統計解析、ITのスキル、市場トレンドなどの幅広い知識が求められる、人気の職種であるとのこと。

When the weather turns bad, I like to just hole up at home and take a prefab meal out of the freezer.

Prefabはpre-fabricatedの略。fabricatedは「型づくる」という意味。pre-が接頭辞として付いているので、「前もって作られた、既成の」という意味である。しかし注目は、prehabは「プレハブ」という日本語にになっていること。日本では、住宅によく使われるが、英語ではいろんな商品に使われている。

In stead of heading into town and going to stores to look for the kind of shirts I thought I wanted, I asked my smart speaker to do a search. My handy digital assistant did the legwork for me, taking into account my purchase history and other data. I am pleased to report that it came up with some suitable options that matched my taste and budget.

シャツを買いに出かける代わりに、スマートスピーカーに調査させた。購入履歴や他のデータを比べて、どれが自分に合うか、情報収集させた。確かに、うちのスマートスピーカーも私がAmazonで購入した履歴や注文した商品がいつ届くのか答えることができる。家族に聞かれても恥ずかしいものは買っていないが、よくよく考えると、外に漏れる心配もあるので、スマートスピーカーと話をするときは気をつけてほうがいい。

washroomについて。toilet, convenience, lavatory, loo, WCが使われる。convenienceやlooという表記はまだ見たことがない。WCはWater Cabin(水車小屋)の略だと習った気がしたが、Water Closetの略だそうだ。

Big Brother doesn’t need to know everything we do.

会社が独裁的になって、我々がする全てを知る必要がない。Big Brother はGeorge Orwellの小説「1984」で描かれている全体主義的な監視国家のような、超管理主義を司る期間。Big Brother is watching you.(どこかで誰かに見られているぞ。)などと使うことがある。

Smart Speaker も購入以来、本当に重宝していて、手放せなくなってしまっている。しかし、AIがこれだけ生活に入り込んでくると、付き合い方を考えないと、プライバシーを盗まれていることに気付かないまま、お付き合いを続けることになりかねない。Big Brotherに支配される日も遠くないかもしれない。

新学習指導要領における「指導と評価の一体化」について研修しました

 2020年5月30日に森会が中川公民館で行われた。これは「有志の英語教員の研修会」であり、1ヶ月に1回、土日祝日を利用して、授業力向上を目指す教員が集っている。私も都合が悪く、2〜3ヶ月お休みしていたので、久しぶりの参加となったが、いつもより熱い気持ちが伝わってきた。6月1日より学校再開の本格始動ということもあり、やる気も伝わっていた。コロナ感染拡大防止のため、しばらくは小規模な開催だったようで、今回は普段より多く9名の参加があった。

 最初に、全英連三重県大会で中学校授業実演を担当した、S氏より、新学習指導要領 に実施における「指導と評価の一体化」について、まとめたものをPPTで発表があった。

単元を貫いて計画を立てること、単元が終了したらどのようなことができるようにあるのか、単元目標を適切に立てること

 平木調査官からは「指導案については、当日の流れを詳細に記すというより、単元計画を指導案に詳細に記すべきである」という講演を聞いたことがある。当日の授業は単元のどこに位置し、どんな単元計画の中でなされる授業なのかを知る方が大切であるとのこと。また、S氏と同僚のI氏のビデオ授業からは、Can-doリストとも整合性を図りながら、単元終了後には、「どんなことができるようになるのか」「どんな生徒になるのか」、単元開始後の最初の授業で提示すべきであることを示してくれた。そして、まとめの活動をしっかり提示し、「どんなことができるようになるのか」ということを実感させることが大切である。

生徒の学習改善、教員の指導改善ための評価であるべきである。必要性、妥当性のない活動や指導は見直す。

 指導と評価を一体化させるべきである。評価は生徒の評価をするだけではなく、自分自身の英語指導への評価もしていくべきである。自分への英語指導の評価が適切であれば、生徒への指導が変わり評価も変わっていくことになる。

新学習指導要領における学力観がそのまま各教科の評価の観点と一致する。「何を学ぶか(知識技能)」「何ができるようになるか(学びに向う力・人間生の涵養(主体的に学びに向う力)』」「どのように学ぶか(思考力・判断力・表現力)」

 主体的に学びに向う力の評価が難しい。自らの学習を調整するなど、メタ認知を高めることが肝要であることがわかる。学習方法や学習態度、どのような勉強方法が自分に合っているか、計画的に勉強ができるかなど、自己調整学習ができるかどうかということであろうか。「〜しようとしている状況」を評価する。自分の学習を自覚的にとらえる状況を評価する。「自己調整」と「粘り強さ」がキーワードである。「粘り強さ」については、筆者の以前の投稿に、今井裕之(関西大学教授)先生のご講演の記録参照。

中間指導で文法の正確性を高めていく。

 メインの活動を一度で終わらせず、パートナーを変えて何度か行わせる。それぞれの活動を始める前に、自分の中で何が足らないのか、どうすればもっと適切に相手に伝えることができるのかを考えさせる必要がある。さらに、めあてに迫るためにどう工夫をすればよいか、中間指導で考えさせるべきである。その際には、文法や発音が正しいかどうかなどの正確性を意識させるべきである。

知識・技能は「知識」と「技能」で分て考える。技能においては、「実際のコミュニケーション」において評価すること

  知識はペーパーテストでも評価できるが、技能はパフォーマンステストなどで、「実際のコミュニケーションにおいて」をルーブリックに明記して行う必要がある。

新言語材料(新出文法)にとらわれない。音声の指導は常にし続ける。

 設定しためあてが達成するための活動(タスク)において、「できるようになること」が第1目標で、そこに新言語材料を使用する必要がなければ、それにとらわれる必要はない。確かにこれまでも、その言語材料を意識するがあまり、不自然な会話になってしまったり、コミュニケーション活動が適切に成立していなかったりした。

思考力・判断力・表現力は、目的、場面、状況に応じてコミュニケーション活動を行い、評価する。

知識技能はaccuracy(正確性)が必要だが、思判表にはfluency(りゅうちょうさ)が必要。

 これはペーパーテストでも同じことが言える。たくさん書けばいいのか、少なくても正確に書かなければならないのか。英作文の大問でいつも立ち止まってしまうところである。評価項目によって分けることが必要である。

新しい評価では、観点のばらつきは起きにくいはず。

 ばらつきが生まれたら、必ず自分の指導に戻り、自分の指導を評価して、新たな指導に結びつけること。PDCAサイクルを機能させる。

 どの評価がどの活動にあたるのか、どの指導の時にどのように評価するのか考えていくことが大切である。知識技能の5領域はどの活動で評価するのか、パフォーマンステストなのか、ペーパーテストなのか、ポートフォリオなのか、プレゼンテーションなのか。技能を統合した活動の中で評価することも考える必要がある。例えば、用意された状態でスピーチをさせる(「話すこと(発表)」知識技能)、スピーチ終了後に聞いている側から質問させる(「話すこと(やりとり)」知識技能)、スピーチの感想を書かせる(「書くこと」思判表)で評価できる。来年度の実施に向けて、ソフト面(指導要領の徹底的な読み込み、指導と評価の一体化参考資料の読み込み)、ハード面(3観点と5領域のクロス評価の設定とCan-doリストの見直し)。

 しかし、S氏との雑談の中で、「新しい学習指導要領が出たばかりでの考え方は、2〜3年すると勝手に歩き出して、違った解釈になることがある。」20年前に「言語文化」が観点に入ったときのことを思い出した。準備することは大切なことだが、あまりにも拙速に対応し過ぎると、後付け解釈に翻弄されることにもなるので、情報には敏感になって、常にアンテナを高くしておく必要があると、アドバイスをしておいた。