Somewhere over the rainbow Way up high There‘s a land that I heard of Once in a lullaby
「どこか虹の彼方に ずっと高く登ったら 素敵な場所があると いつか子守唄で聞いた。」
きっと主人公のJudyはいつか自分がなんの苦労もせずになんの気兼ねもせずに、好きな人たちと好きなことをしながら、心安らかに、暮らせる場所があると信じて、2歳からやらされていた芸能生活を続けていたに違いない。その夢も叶うことなく47歳の生涯を閉じてしまった。
これは、1922年から1969年まで47年を全速力で駆け抜けたJudy Garlandという20世紀を代表するアメリカ人の歌手の物語(実話)である。
幼少の頃から歌手として第一線で活躍し、富と名声を手に入れるも、4人の男性と結婚離婚を繰り返し、子供を3人もうけるが、一緒に生活したいと希望してもそれもままならない。酒と薬に溺れる毎日。再起をかけてイギリスで公演を打つも、成功を収めることはできなかった。アメリカとイギリスで離れ離れになった子供たちと過ごすことが夢だったが、それも水泡となる。
ラスト7分でJudyが最後のステージで歌うOver the Rainbowは圧巻である。Judy役のRenee Zellwegerはこの作品でアカデミー主演女優賞を獲得している。
酒、薬、同性愛、エンターテイメントの虚構など、当時の様々な世相を反映している映画である。
お金持ちになれれば幸せになれる、と私は信じて疑わなかったが、実際はそうはならないということが嫌という程、心に叩きつけられる作品である。
Mr. Tという映画好きの友人がいる。彼の薦めでこの作品を観にいくことにした。彼は感動することがあってもほとんど泣いたことがないと常々言っているが、その彼が大号泣したと言っていたので、楽しみにしていた。私は歳をとってきたせいか、かなり涙腺が弱いので、ボロボロ泣くにちがいないと思っていた。しかし、涙は出たが、号泣するまでには至らず。別の友人も号泣したとのこと。私のポイントがずれているからなのか。