第46回森会を終えて

2021年1月24日(日)13:30〜 中川地域交流センター

今回は、新指導要領下で教科書も一新され、New Horizon継続とはいえ、新しい内容でやっていくことになる。

これまでに、「指導と評価の一体化による参考資料 外国語編」を読み込んだりして、頑張ってやってきたが、いよいよしっかり到達目標、評価計画を作成していかなければならない時期がやってきた。

ただ、教科書がない。教科書は4月1日にならないと、公式には手に入らない。展示用見本をコツコツコピーしながら、やっていくほかないということになり、とりあえず各学年のUnit0とUnit1の計画を立てることにした。

新学習指導要領下の新教科書では、単元毎にまとめの言語活動が用意されるなど、単元毎に評価をしていく方向である。これまでより単元毎に活動や評価が集約される。

まず、学校のCAN-DOリストを新学習指導要領に則って、再編する。

そのCAN-DOリストを各単元に落とし込んで、到達目標を作成する。

到達目標から、評価計画を作成する。

三観点(「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体的に学ぶ態度等」)と五領域(「聞く」、「読む」、「話す(やりとり)」、「話す(発表)」、書く)のクロス評価を作成する。このクロス評価から各観点の評価と各技能の総合評価を出すことができるようになる。

各単元の「まとめの言語活動」を「何で評価するか」、「どのように評価するか」を考えながら、評価計画を作成するが、併せて、ルーブリックも作成するようにお願いした。すると、パフォーマンスを見ながらすぐに評価に移ることができる。

いろいろ話し合った結果のホワイトボードである。

細かくて判別不能な部分もあるが、どこをどのように評価していくか、みんなで考えた。

次回に持ち寄る予定であるので、楽しみだ。

今日の授業から

2021年1月27日(水)1限3A、2限3B

 今日はストーリーリテリングの授業を行った。3Aでは、

 アウンサンスーチーさんのpersonal lifeを描いたストーリーである。年代別にそれぞれretellingして欲しい内容が下である。

In 1988, there was a movement in Myanmar. The government killed many people. The people needed a strong leader, and went to Aung San Sun Kyi. They asked her to be their leader. She said, “Yes.”

In 1989, the government put Aung San Suu Kyi under house arrest to stop the movement. She was locked up for 15 years, but she never gave up.

In 1991, she finally won the Novel Peace Prize. The world recognized her efforts for democracy and human rights.

なかなか絵が上手にならないのだが、2分くらいで描かなければならないので、これ精一杯。2時間目のB組では少し丈夫になったような気がする。

 とにかく、本文の内容を理解し、教科書を閉本して、絵だけ見て、自分の言葉で言い換えるためのヒントに、絵がなれば良いのである。

 それまでの、内容理解や音読なども工夫は要るが、絵のクオリティも大切である。

英語教育2021年1月号を読んで

英語教育2021年1月号Vol.69 No.11 (大修館書店)

 第1特集が「コロナ禍で見通す教師の役割・教室の役割」、第2特集が「『読む』↔︎『話す』のサイクルで教科書を活用 リテリングのすすめ」、第3特集が「オンライン授業で広がる授業の可能性」、この中から特に第2特集の「リテリング」について以前から興味を持っているので、しっかり読ませてもらった。

 ICT=Information Communication Technology

 「教科書の語彙・表現を活かすリテリング指導の基本」佐々木啓成教諭(京都府立桃山高校)

 本文の再生、発話する英語と同じ→リプロダクション、既習の語彙や表現を使用しながら、本文とは異なる英語で話す→リテリング、評価はルーブリック使用(発音、流暢さ、内容、パラフレーズ【自分の言葉を使用している】の4項目)、を観点としている。

 「コミュニケーションへの橋渡しとなる即興リテリング」胡子美由紀教諭(広島市立古田中)

 リテリングでは、思考力・判断力・表現力を育める。STEP1 「音読による内在化・自動化」Overlapping, Shadowing, Read & Look up で音・文字・意味をつなぎ内在化を図る。STEP2 音読中・後のScaffolding、5W1Hを意識させる。STEP3 目的・ルールと基本の徹底 言語形式の内在化、即興リテリングでは、失敗を恐れずに発話させ続けることが大切なので、fluency重視。STEP4 リテリングのパターンと手順の確認 他者意識を持つ。「仲間とのやりとりは、生徒が多様な価値観や感性に触れるようになると同時に、違いを尊重する場ともなり、自己肯定感を醸成する。」「インプットとアウトプットの行き来を繰り返すと、生徒がアウトプットを意識した内容理解や音読のプロセスを踏むようになるので、インプットの質が高まる。」STEP5 活動後の書き起こしと振り返り 書き起こしはポートフォリオとしてファイリングする。発話の深化の過程を作品(記録)として残すため。ノートではなく、プリント(できれば画用紙などの厚紙で色がついているもの)でポートフォリオしていく。

 「オンライン英語授業の留意点」竹内理教授(関西大学)

 「記録のための評価」と「指導のための評価」を区別すること。即時フィードバックを意識させる。

「家庭学習の遠隔指導(オンライン授業)における評価の方法」岩瀬俊介教諭(学法石川高校)

 「メタ認知」を引き出す。到達目標→指導計画 ①CAN-DOリスト②到達目標(各UNIT→section)③評価(5領域3観点のクロス評価表の作成)④指導計画 「何をできるようになってほしいか」「目標をどこに置くのか」「何のためにその活動をするのか」「何を持って目標達成と見るか」

 「授業に活かせる基礎英語講座」part2 文法クイズ

 ❌受動態≠能動態 John likes soccer. ≠ Soccer is like by John. 「サッカーはジョン(だけに)よって好かれている。」という響きがあるので不適。Japanese people eat fish. → ❌Fish is eaten by Japanese people. 🟡Many Japanese people eat fish. → Fish is eaten by many Japanese people.

「あらためて外国語活動の指導を考えて」(岐阜聖徳大学 加藤拓由准教授)

 小学校3年、4年生外国語活動における思考力・判断力・表現力としては、「具体的な課題等を設定し、コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、情報や考えなどを表現することを通して、次の事項を身につけることができるよう指導する。ア 自分のことや身近で簡単な事柄について、簡単な語句や基本的な表現を使って、相手に配慮しながら、伝え合うこと。 イ 身近で簡単な事柄について、自分の考えや気持ちなどが伝わるよう、工夫して質問をしたり質問に答えたりすること。その素地につながるものとして、「つなぎ言葉」がある。やりとりの基礎につながる。① The playground 相手の話を繰り返していい、確認 ② Good. 相手の話を聞いて、反応したり、気持ちを伝えたりする ③ Why? 相手の話を聞いて、話を広げるために追加の質問をする。

便利なサイト

ワードサーチゲーム作成サイト http://puzzlemaker.discoveryeducation.com/

英語発音入門 http://keen.konan-c.ac.jp/ilc/english/usa/frame.html

YouGlish. https://youglish.com

Question Box. 「命令文にpleaseをつけても丁寧な依頼にならないのか」

pleaseは最小のていねいさしか示さない語。「命令」を表す文にpleaseを付けても「依頼」にならない。命令文は、「話し手が聞き手にある行為をするように強く求めるタイプ」と、命令文という名前とは相容れませんが、「聞き手に対して何らかの厚意を示すタイプ」があります。前者は「『話して利益』の命令文」と呼ばれ、聞き手は話し手の発言に従うことが求められます。一方、後者は「『聞き手利益』の命令文」と呼ばれ、話しての発言に従うかどうかは聞き手の判断に委ねられます。

 (「命令」を表す)「話し手利益」の命令文:pleaseの定位置は文末で、形式的な丁重さを添える。文頭に置かれた場合は、命令口調をやや和らげる。(教師が生徒に向かって、”Sop talking, please.

 (「申し出」などを表す)「聞き手利益」の命令文:pleaseの定位置は文頭で、心を込めて相手に行動を促す。文末での使用は不自然。”It smells good. Fresh cookies. “ “please have some.”

 

「学校の先生も答えられない『英語のなぜ?』がわかる図鑑」を読んで

学校の先生も答えられない「英語のなぜ?」がわかる図鑑 伏木賢一監修 青春新書

時間潰しに津駅の3階にある別所書店に立ち寄った時に見つけた本。面白そうだったので読んでみることにした。「学校の先生も答えられない・・・」と始まるタイトルなので非常に挑戦的なタイトルなので気になった。確かに「挑戦的」だが、答えられないのは事実である。何度教えてもらっても、何度雑誌や本で読んでも覚えられないことがまとまっているので、授業に活かせる内容である。

Can you〜?よりCould you〜?の方が丁寧な表現なのはなぜ? 英語の過去形は距離感を示し、「時間的な距離感」だけでなく、「現実と実現できない距離感」や「人間的な距離感」を示すから。

ピリオドとカンマについて ピリオドは文の終わりや文字の省略を示す。カンマは3つ以上の項目を並べる、主語が異なる文章をつなぐ、接続副詞を使う時に打つ。

コロンとセミコロンについて コロン ①「例を示す」We need three things: walk, bread, and money. ② 「詳細を説明」I can drink: I am 22 years old. ③「引用する」My mother told me only one thing.: “Never give up!” セミコロン「表現の区別を示す」There were a lot of children from Tokyo, Japan; Soul, Korea; Shanghai, China.

willとbe going toのちがい willは「とっさに思いついた「意志・意思」で「〜するつもり」。be going to〜は、すでに予定を立てていて、今、それに向かって進んでいる状態。「予定・計画」”Clean up your room.”→”Yes, I will. I am going to do it tomorrow.”

確実性について probably 80% perhaps 50% maybe 30%〜50% possibly 20〜30%

mustとhave toのちがい mustには話し手の意思や主観、信念が含まれ、「是非とも〜しなければならない」、 have toは周囲の状況や事情から「〜せざるを得ない」、「〜した方がよい」 I must go there next week. (行かなくてはならない) I have to go there next week.(行かざるを得ない)

a appleではなくて、an appleなのはなぜか? 元々名詞にはanをつけていたが、[an+名詞]は発音しにくいので、nが抜け落ちて、[aをつける]というルールが定着した。

sheepはなぜ単複同形? 群れで暮らし、しかも狩猟や食用の対象となった動物は、単数と群れ(複数)を区別する必要がないから。

studyの三人称単数現在形の時の-sは、studysではなく、studiesになるのはなぜか?studysは[スタダイズ]という発音になってしまうため、元のstudy[スタディ]の発音がわかりにくくなってしまい、studies[スタディーズ]という発音にした方が元のstudyがわかりやすいため。

-erをつけるものと、moreを使うものがあるのはなぜ? 音節が3つ以上の単語にerをつけると発音や聞き取りが難しくなり、2音節でも語尾によってはmoreになることもある。-ous, -ly, -able, -ful, -ive, -lessの単語もmoreを使う。

最上級にtheをなぜつけるのか? 形容詞の比較表現では最上級の後に名詞が省略されていると考えるから。He is the tallest (student) in school. (studentが省略されていると考える。)He can run fastest in school. (fastestは副詞の最上級なので、後ろに名詞が省略されていないので、theをつけない)

「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」を観て

2020年12月27日(日)にイオン津南へ観に行った。何せ、同じ職場の先生方が、「見ろ見ろ」とうるさく、最初はイヤイヤだったが、完全にハマってしまった。私に勧めてくれた3人の先生方には感謝したい。この日のために、アニメをNetFlixで全部見て、コミックも同時に借りて読んで、備えた。あらすじは次のとおり(映画.com)。

「週刊少年ジャンプ」で2016~20年に連載され、単行本1~22巻の累計発行部数が1億部を突破する吾峠呼世晴の大ヒット漫画をアニメ化した「鬼滅の刃」の劇場版。19年4~9月に放送され、炭治郎らが無限列車に乗り込む場面で終了したテレビアニメ版「竈門炭治郎 立志編」最終話のその後の物語が描かれる。大正時代の日本。鬼に家族を皆殺しにされ、生き残った妹の禰豆子も鬼に変貌してしまった炭治郎は、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、鬼狩りの道を進む決意をする。蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、短期間のうちに40人以上もの人が行方不明になっているという無限列車に到着する。炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助は、鬼殺隊最強の剣士の1人、煉獄杏寿郎と合流し、無限列車の中で鬼と立ち向かう。

2020年製作/117分/PG12/日本
配給:東宝、アニプレックス

アニメで嗚咽!?声を上げて泣くなんて、何年ぶりか。

私も母を15年前に亡くしてから、母のことを思い出すことが多い。母に褒めて欲しくていろんなことを頑張ったことを覚えている。

ネタバレになるので、この映画についてもあまり書かないことにする。ストーリーも面白いし、感動もする。主人公の炭治郎の言葉は道徳の授業でも使えるかもしれない。

「指導力のある教師の知っていること〜学級経営の視点より〜」

津市教育研究会ブロック別研修会 上越教育大学教授 赤坂真二 先生

12月24日に突然回覧が回ってきて、この冬休み中にビデオ視聴するとのこと。元々教委時代にこの教育研究会の仕事をしていたので、コロナ禍で運営は大変だろうなと思いながら、見てみることにした。

まず、学級経営とは、教師と生徒との人間関係を高めることである。

しかし、現場ではたくさんの課題がある。発達障がい、家庭環境、多忙化による意思疎通の希薄さ、若手教員増による中堅ベテラン教員のサポート薄、名人芸盗む余裕がない、など。

学級経営には定義はなく、大学でもそれに関して勉強する授業はほとんどなく、大学で教えられていないのに、現場ではかなり重要度の置かれる仕事である。学級経営は大切だと言われているのに、無免許運転状態。

内発的学習→楽しさ、満足 内発的学習に向けるには、「自己決定性」、「有能感(やれるかも!?)」、「他者受容感」が必要になってくる。

意欲を育てると、適応できるようになる。学級の実態によって、教育効果が全く異なる。

集団成立の必要条件とは、「ルールの確立」である。規律とルールを集団内で共有されている状態が必要条件である。「リレーションの確立」内面的な関わりを含む親和的な関係づくり。

織物モデルとは、文化の尊重と伝統秩序(縦糸)、教師と子ども同士の心の通い合い(横糸)。これらが適切に編まれている状態。

集団育成の手順 共同的問題解決能力の高い生徒の割合を増やすこと。心理的安全性を補償すること。特に後者については、「自分らしく働くこと」、「自己認識、自己関係、自己表現できる」環境を創ること。教師のリーダーシップは、メンバー一人一人が安心して、自分が自分らしく、そのチームで働ける」環境を創ること。それが、「心理的安全性」につながる。

これからが、私も常々思っていることで、ぜひ実践したい、実践して欲しいことである。しかしながら、この話をしてくれるのは赤坂先生が初めてである。だからこそ、嬉しい。自分が実践してきたことを理論づけて話をしてくれているからである。

信頼感を高める教師のリーダーシップ 情報は感情のフィルターを通る。発信者→好き嫌い→受信者 好かれるということも、実は大切な要件。何を言うかではなく、誰が言うか。指導力の高さ=子供との信頼関係の高さ(→❌圧力、強制(言いなり)指導は、無力の積み重ね) 

先生の強みとは何か。先生サイドから考えるのではなく、生徒サイドから考えれば、それは、「理想の先生像」である。1位 わかりやすい授業 2位 自分たちと何でも一緒にやってくれる 3位 やる気を出させてくれる 4位 一緒に何でもやってくれる 5位 進路指導、教育相談をしっかりやってくれる。

求める教師像 「できるようにしてくれる先生」より「つながってくれる先生」の方が良い。それは、「自分に向き合ってくれる」、「授業の上達には時間がかかるから子どもたちは先生の上達を待ってくれない」からである。

やる気の条件 チャレンジさせるためには、橋渡し(スキャフォールディング)が必要。そして、安心感が必要。スキャフォールディングと安心感を与えてくれる先生が必要。安心感を与えてくれるのは親や保護者でなくてもいい。安全基地を創ること、それは、①いつも一緒いる(存在の安定性、持続性)②身体情緒のケア(生理的、感情の安定性)③情緒的な投資(定常的関心)愛情を注ぐ

つながる先生=やる気を引き出す先生

ジェフリー・シャボルノー(2013年全米優秀教員)「生徒一人一人の個人的人間関係が全て」

やる気を引き出す先生の授業 教師が生徒は関心を持っている(好意を持ち、生徒のニーズに共感(それに答える)と感じる時、生徒の学習意欲は高くなる。そのような関与を感じjないと、生徒は不満を感じる。

最も強力な動機付けツール 【人柄】と【日常行動】 人に好かれる性格(明朗や親しみやすさ、感情的成熟、誠実さ、精神的健康)

好意を伝える教師 ①子供たちに関心を向け、それを楽しむ ②親しみのある呼称 ③言葉や態度が暖かい ④子どもたち一人一人を知る時間を取る ⑤子どものバックグラウンドを知る ⑥鬼滅の刃 ⑦自己開示をしている(自分のバックグラウンドを開示する、興味、感心、考えの共有)【リーダーは予測可能な人】 ⑧生徒同士が知り合う機会を設定する

「どうやるか」ではなく、「どう(一緒に)いるか」

集団指導に成功する教師と失敗する教師の違い 2(支持層):6(中間層):2(非支持層) 中間層を味方につけている。8割を味方にしたら、クラスは崩れない。8割を味方につける教師が非支持層をつなげる力を持つ。非支持層は相手にせず、支持層を褒める。適切な好意を褒める。

うまくいかない教師 ❌コミュニケーション量が足らない、しゃべっているけど聞いていない。叱っているけど、褒めていない。  

うまくいく教師 🟡全体を見て、褒め上手である(「ありがとう」)、うまくやっている人は、見るべきところを見つけて褒める。あなたのやっていることは、日々役立っている。「褒めて育てよ」→叱ってはいけないのか?

黄金比 褒める4:3叱る

褒めてばかりではいけない、叱らないと褒めることが浮き立たない。positiveには、negativeが必要。

赤坂先生のご著書はたくさん出版されているので、上の2冊は少なくとも読んでみようと思う。特に、アドラー心理学の方は、先生の考え方を聞いていて、やはりアドラーの考え方に似ているなと思っていたので、読んでみたいと思う。