英語教育2024年2月号を読んで

英語教育2024年2月号 大修館書店February 2024 Vol.72 No.12

第1特集 「訳」再考 第2特集 話す・書く活動で相手意識のあるコミュニケーションを

「主体的に学習に取り組む態度」の評価 松浦伸和(広島大学名誉教授)

主体的に学習に取り組む態度は、粘り強い取組と自己調整の2つの側面から評価する。前者は、コミュニケーション活動に粘り強く取り組んでいるかどうか、「わからない部分があっても推測して聞き続けている」「相手の理解に配慮しながら話している」を評価する。後者は、予見、進行・コントロール、自己省察の段階に分かれる。予見の段階は、見通しを立てる段階で、課題を分析したり、目標を立てたり、方略を決めたりすることが含まれる。遂行・コントロールの段階は実際に学習が行われている段階で、課題に集中していたり、順調に進んでいるかチェックしたり、必要に応じて修正することが含まれる。自己省察の段階は学習を振り返る段階で、自己評価したり、反省したりすることが含まれる。

英文法クイズ 佐藤誠司((有)佐藤教育研究代表)

「私は2時間ずっと英語を勉強している」の意味で、I have studied English for two hours.と言う分を使うことはできるのか→❌できない。

A 動作動詞(例:eat, play, run, study) B 擬似状態動詞(例:sleep, stay, wait, sit, llive)、「継続(今までずっと〜している)」の意味を表す現在完了進行形には、あることを「①休みなく続けて行う」、「②時間を置いて反復して行う」という2つのケースがある。1️⃣A・B型の動詞で「継続」の意味を表すには、現在完了進行形を使うのが一般的。2️⃣A型の動詞で「休みなく続けて行うこと」を表すときは、現在完了形は使えない。3️⃣それ以外の時は、現在完了進行形の代わりに現在完了形を使うこともできる。

「英語教師の授業デザイン力を高める3つの力ー読解力・要約力・編集力ー」を読んで 10

「英語教師の授業デザイン力を高める3つの力ー読解力・要約力・編集力」中嶋洋一編著 大修館書店(2023年)

4-2-1 「レアリア」で課題を自分ごとにする

「お土産・手土産ガイド」というSNSアカウント@souveni_japanが海外で大流行【レアリア】 コロナ禍で、海外旅行ができなくなった外国人に向けて、商品を売り出し始めたからです.【場面】 とはいえ、まだまだ売り上げが伸びにくい状況を知った⚪︎⚪︎中では、何とか企業を応援しようと、自分たちで企画を考えました。【状況】 あなたのおすすめの地元の名産品(レアリア)を紹介し、SNSアカウントで売り出してもらいましょう。【目的】

レアリアとは、「実物・生教材」のこと。日常生活にあるものを教材・教具として利用する場合にこう言う。新聞記事、レストランのメニュー、食品のパッケージ、時刻表など、身の回りにあるレアリアなものが生徒をワクワクさせる教材になる。

こういう作品がやはり授業には必要なのか。私の講演でも、スケッチブックプレゼンテーションの私のモデルを使っただけで、たくさんの人が見にきて写真を撮っていた。私の作品なんて、下手くそなのに。でも、成果物は授業の記録として大切なのかもしれない。

「英語教師の授業デザイン力を高める3つの力ー読解力・要約力・編集力ー」を読んで 9

「英語教師の授業デザイン力を高める3つの力ー読解力・要約力・編集力」中嶋洋一編著 大修館書店(2023年)

「授業をあえて「未完成」にする 7割の準備、3割の「余白」が対話とこだわりを生む」

「遊び心」が学習者ファーストの授業を作る

対話を楽しむためには、発問の質にもこだわりが必要です。1つしかない正解を求める事実発問だけではなく、推論発問や評価発問を、バランスよく取り入れます。「もっと聞いてみたい」「伝えたい」という思いが溢れます。”What do you think?”や“How do you feel now?”と問いかけながら、即興で思いを紡ぐ場面を作ります。生徒と即興でやりとりを楽しむ遊びの時間を設定します。その遊びの時間に出会った表現こそが、生徒の記憶に残る言葉として定着していきます。事前の授業準備は7割程度にとどめ、残りを生徒に委ねる時間にし、言葉を紡ぎ合うことを楽しみます。「7:3」という割合は、「黄金比」と呼ばれ、即興で紡ぐ「3割」が、「7割」の学びの質を高め、言語材料や表現が「自分の言葉」として定着する大切な時間になるのです。

「遊び」は生徒の学びを後押しする

授業に3割の「ゆとり」を設ける目的は、生徒が「話したい、伝えたい!」と主体的に取り組む活動を仕組むため。生徒がじっくり考える「ゆとり(=遊び)の時間」があることは、安心して「わからなさ」に向き合う時間があることだとも言えます。「言いたいことはあるけど、どう言えばいいかわからない」というモヤモヤ感を仲間と共有し、考えることで生まれる「そうか!」は「思考を深めるのりしろ」となります。

「題材に惚れ込む」ことで、生徒が興味を持っていることと絡め、はっと顔が上がるような情報を探し、問いを考えること。

「遊び心」のある課題が生徒の心を揺さぶる

①対話に必然性が持てるような課題を工夫すること ②生徒が自ら思考したくなるような問いを立てること ③自分なりの答えを伝えたくなり、仲間の表現に触発されて自分の表現力をもっと高めたくなるような介入をすること

「理想のロボットを作ろう」という課題は、「あなたの学校の問題点を解決するために、校長先生に向けて理想のロボットを紹介しよう」とすれば、より身近で具体的に捉えやすくなる。

4−1 「記憶に残る授業」には、「なるほど!」がある 生徒と共に「自己内対話」を深める

児童(生徒)一人一人のワクワク感を引き出し、事前に構想を練った単元のゴールに向かって、活動と活動をつなげます。つぶやきを拾い、もやもや感をあえて引き出し、授業を変幻自在にアレンジしていきます。

4−3「授業の編集」に必要な4大要素(指導案・場面・発問・振り返り)

授業を「編集」するときには4つの要素が必要です。「学習指導案」「場面の設定」「発問の工夫」、そして「振り返り」です。

「編集力」が高い教師は、学習指導案に、「余白」の部分も用意しています。生徒のつぶやきを拾います。教師の遊び心を発揮するのに欠かせないのが、やりとりに必然性を持たせることです。必然性とは、テキストのターゲット・センテンスが、よりオーセンティックな状況、ごっこ遊びではなくリアルな場面で導入されるということ。

英語教育2024年1月号を読んで

英語教育2024年1月号 大修館書店January 2024 Vol.72 No.11

第1特集 小学校教科書改訂・デジタル教科書元年を控えて 自動・生徒の学びを支える教科書の現在 第2特集 ことばへの理解を言語化する 「ランゲージング」を取り入れた授業

ChatGPTプロンプト研究所 豊嶋正貴(文教大学附属中学校・高等学校教諭)第4回画像生成プロンプト

DALL・Eを駆使して、画像を生成し、授業で活用する。絵を描く手間が省けるので、かなり時間短縮につながる。

高校教科書でSDGsはどのように取り入れられているかー「行動する」ことを見据えた実践の提案 山本孝次(刈谷北高教諭)・竹内愛子(名古屋緑高校教諭)

「知る」活動 教科書を始める前に、Pre-reading活動として、その課で扱うテーマと、生徒の実生活とを結ぶようなタスクを設ける。この一手間で、その課の終わりに地球規模課題を自分ごととして捉えられるかどうかが大きく変わって来る。

課のテーマを実生活と結びつけるような、課題をセッティングしようと思った。

内容理解を進めながら、さらにAuthenticな素材やデータも使用して内容理解を深めていく。生の情報(新聞・雑誌記事、Webサイト、映画、ドキュメンタリー番組等)ほど生徒にインパクトを与えるものはなく、続く「考える、行動する」活動への意欲につながる。

ランゲージによる生徒主導のフィードバック 牛山真由美(長野県屋代高校附属中学校副校長)

ランゲージング(Swain, 2006)ー学習者が自らの言語使用について考察し合う活動ー黙って課題に取り組むのではなく、口頭で説明をしながら一文一文読み進めることで、より正確な理解を深め、内容を記憶に長く留めることができる。生徒手動でフィードバックすることができる。

私がやっているペアワークでもお互いに音読練習や穴あき音読の時にペアで交互に読ませ、チェックしている。これも一種の「ランゲージング」かもしれない。

振り返りを活用して児童の言語への気づきを促すー小学校英語教育におけるランゲージング 吉川庸子(秋田市立港北小学校教諭)

先行研究において、ランゲージングは第二言語や母語、口頭や記述など、さまざまな方法で行われている。その中でも、学習者に認知的負担が少ない母語で、また時間をかけて自動に有効であると考えられる(布川、2018)。これは振り返りはランゲージングを行う場として適切であることを裏付ける。

「評価発問」とは何を評価する発問なのかー学習者にテキストを評価させよう 峯島道夫(新潟県立大学教授)

生徒が富士山についてのテキストを読んだ後に、”Let’s imagine that you are going to introduce Mt. Fuji to people from abroad. What are the attractive points of Mt. Fuji? Tell me about them.” と生徒に問いかける活動が紹介され、「このように、読んだことをもとに生徒の考えや経験を引き出す発問は、評価発問(evaluative questions)と呼ばれます」と解説されている。(英語教育2023年7月号 特集号p.19)