
英語教育2025年4月号 大修館書店 April 2025 Vol.74 No.1
第1特集 新年度に見直したい英語語彙指導 第2特集 これからの学びの風景シリーズ① 学びを学習者に委ねる個別最適な学び・自己調整学習を通じて
🔹語彙指導のポイント(笠原 究 先生)
- 分散学習を意識した語彙指導が効果的。
- 初回授業で「日本語訳付きの語彙リスト」を配布し、発音・意味を指導。
- 以後の授業で、短時間でもよいのでリストを使った復習活動を継続的に実施。
- → 繰り返し触れることで定着を促す。
🔹自己調整学習(財部 裕一郎 先生)
- 自己調整学習とは:
- 自ら目標を立て、戦略を立てて学習を進めること。
- 例:OREO構造(Opinion, Reason, Example, Opinion)を活用した意見文指導。
- 教師が目的を明確に伝え、生徒自身が達成手段を選べるよう支援。
🔹学びの主語を「教師」から「子ども」に(井上 卓也 先生)
- 子ども中心の学びへ転換する実践:
- 自分のペースで学習を進める児童を肯定的に取り上げ、クラスに紹介。
- 写真や実例を用いて「中間共有」し、学級全体の学びへつなげる。
- キーワード:
- 教科の指導と生徒指導の一体化
- 自己存在感、共感的関係、自己決定、安全な学級風土
- 学びの【こころ】を見取り、価値づけていく視点が重要。
- 教科の指導と生徒指導の一体化
🔹エンゲージメントを促す授業実践
- エンゲージメントとは?
- 生徒が「熱中」「集中」「夢中」になる状態。
- 種類:行動的・認知的・感情的・社会的エンゲージメント。
- 導入の工夫:Authentic Material(真正教材)の活用
- 例:対人地雷と同じ大きさ・形のレプリカを用いて「自分ごと化」。
- エンゲージメントの3要素
- 物理的魅力(感情を刺激)
- 活動的魅力(インタラクティブ性)
- 内容的魅力(個人的関心)
- 支援(Scaffolding)としての英文リライト
- 負荷を最適化することで、認知的エンゲージメントを維持。
- 生成AIも効果的に活用。
🔹文法指導の留意点(大内 由香里 先生)
所有代名詞の文法的性質と機能を明確に教える必要がある。
例:「mine」は**一人称ではなく、三人称では?**という誤解。