英語教育2021年1月号を読んで

英語教育2021年1月号Vol.69 No.11 (大修館書店)

 第1特集が「コロナ禍で見通す教師の役割・教室の役割」、第2特集が「『読む』↔︎『話す』のサイクルで教科書を活用 リテリングのすすめ」、第3特集が「オンライン授業で広がる授業の可能性」、この中から特に第2特集の「リテリング」について以前から興味を持っているので、しっかり読ませてもらった。

 ICT=Information Communication Technology

 「教科書の語彙・表現を活かすリテリング指導の基本」佐々木啓成教諭(京都府立桃山高校)

 本文の再生、発話する英語と同じ→リプロダクション、既習の語彙や表現を使用しながら、本文とは異なる英語で話す→リテリング、評価はルーブリック使用(発音、流暢さ、内容、パラフレーズ【自分の言葉を使用している】の4項目)、を観点としている。

 「コミュニケーションへの橋渡しとなる即興リテリング」胡子美由紀教諭(広島市立古田中)

 リテリングでは、思考力・判断力・表現力を育める。STEP1 「音読による内在化・自動化」Overlapping, Shadowing, Read & Look up で音・文字・意味をつなぎ内在化を図る。STEP2 音読中・後のScaffolding、5W1Hを意識させる。STEP3 目的・ルールと基本の徹底 言語形式の内在化、即興リテリングでは、失敗を恐れずに発話させ続けることが大切なので、fluency重視。STEP4 リテリングのパターンと手順の確認 他者意識を持つ。「仲間とのやりとりは、生徒が多様な価値観や感性に触れるようになると同時に、違いを尊重する場ともなり、自己肯定感を醸成する。」「インプットとアウトプットの行き来を繰り返すと、生徒がアウトプットを意識した内容理解や音読のプロセスを踏むようになるので、インプットの質が高まる。」STEP5 活動後の書き起こしと振り返り 書き起こしはポートフォリオとしてファイリングする。発話の深化の過程を作品(記録)として残すため。ノートではなく、プリント(できれば画用紙などの厚紙で色がついているもの)でポートフォリオしていく。

 「オンライン英語授業の留意点」竹内理教授(関西大学)

 「記録のための評価」と「指導のための評価」を区別すること。即時フィードバックを意識させる。

「家庭学習の遠隔指導(オンライン授業)における評価の方法」岩瀬俊介教諭(学法石川高校)

 「メタ認知」を引き出す。到達目標→指導計画 ①CAN-DOリスト②到達目標(各UNIT→section)③評価(5領域3観点のクロス評価表の作成)④指導計画 「何をできるようになってほしいか」「目標をどこに置くのか」「何のためにその活動をするのか」「何を持って目標達成と見るか」

 「授業に活かせる基礎英語講座」part2 文法クイズ

 ❌受動態≠能動態 John likes soccer. ≠ Soccer is like by John. 「サッカーはジョン(だけに)よって好かれている。」という響きがあるので不適。Japanese people eat fish. → ❌Fish is eaten by Japanese people. 🟡Many Japanese people eat fish. → Fish is eaten by many Japanese people.

「あらためて外国語活動の指導を考えて」(岐阜聖徳大学 加藤拓由准教授)

 小学校3年、4年生外国語活動における思考力・判断力・表現力としては、「具体的な課題等を設定し、コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、情報や考えなどを表現することを通して、次の事項を身につけることができるよう指導する。ア 自分のことや身近で簡単な事柄について、簡単な語句や基本的な表現を使って、相手に配慮しながら、伝え合うこと。 イ 身近で簡単な事柄について、自分の考えや気持ちなどが伝わるよう、工夫して質問をしたり質問に答えたりすること。その素地につながるものとして、「つなぎ言葉」がある。やりとりの基礎につながる。① The playground 相手の話を繰り返していい、確認 ② Good. 相手の話を聞いて、反応したり、気持ちを伝えたりする ③ Why? 相手の話を聞いて、話を広げるために追加の質問をする。

便利なサイト

ワードサーチゲーム作成サイト http://puzzlemaker.discoveryeducation.com/

英語発音入門 http://keen.konan-c.ac.jp/ilc/english/usa/frame.html

YouGlish. https://youglish.com

Question Box. 「命令文にpleaseをつけても丁寧な依頼にならないのか」

pleaseは最小のていねいさしか示さない語。「命令」を表す文にpleaseを付けても「依頼」にならない。命令文は、「話し手が聞き手にある行為をするように強く求めるタイプ」と、命令文という名前とは相容れませんが、「聞き手に対して何らかの厚意を示すタイプ」があります。前者は「『話して利益』の命令文」と呼ばれ、聞き手は話し手の発言に従うことが求められます。一方、後者は「『聞き手利益』の命令文」と呼ばれ、話しての発言に従うかどうかは聞き手の判断に委ねられます。

 (「命令」を表す)「話し手利益」の命令文:pleaseの定位置は文末で、形式的な丁重さを添える。文頭に置かれた場合は、命令口調をやや和らげる。(教師が生徒に向かって、”Sop talking, please.

 (「申し出」などを表す)「聞き手利益」の命令文:pleaseの定位置は文頭で、心を込めて相手に行動を促す。文末での使用は不自然。”It smells good. Fresh cookies. “ “please have some.”

 

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