「幸せになる勇気」を読んで

「幸せになる勇気 自己啓発の源流 アドラーの教えI」 岸見一郎 古賀史健 ダイヤモンド社

アドラー心理学の概要を知るために、読んでいる。「嫌われる勇気」に続く続編。この「幸せ」は、「嫌われる」の内容をたくさん含んでおり、忘れかけていた部分も思い出させてくれていた。

「三角柱」の話を少し前にブログに書かせてもらったが、それもこの本に書かれていたものだ。

課題の分離 自分の課題と他者の課題に切り分けること。そして、他者の課題には踏み込まないこと。「あなたは他者の期待を満たすために生きているのではない。」「他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているのではない。」「その選択によってもたらされる結末を、最終的に引き受けるのは誰なのか?」

アドラー心理学の掲げる目標 【行動面】①自立すること ②社会と調和して暮らせること 【心理面】 ①私には能力がある、という意識 ②人々は私の仲間である、という意識

他者の関心ごとに関心を寄せること。これは、教育で言うと、ただ「子どもたちの関心ごと」に関心を寄せること。そして、これは、あらゆる対人関係で求められる、尊敬の具体的な第一歩である。「共感」を持つこと。共感は他者に寄り添うときに必要な技術であり、態度である。

臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。

「いまの自分に満足していない」 いまの自分に満足していないと、過去の辛い経験を持ち出して、理想に自分には程遠い「いまの自分」を正当化している。

 「人を叱ってはいけない(褒めてもいけない)」人を叱ってはいけないのは、「それが悪いことだと知らなかった可能性があるから」。知らないことは教えるだけ、そこに叱責の言葉はいらない。褒めてはいけないのは、良いことだと知ってやるのではなく、褒められるからするという思考に陥ってしまうから。

問題行動の「目的」第1段階「称賛の欲求」褒めてくれる人がいなければ適切な行動ができない、または、罰を与えてくれる人がいなければ不適切な行動を取るというライフスタイル(世界観)を身につけてしまう状態。第2段階「注目喚起」褒められなくてもいいから、とにかく目立ってやろうという状態。いいことでも悪いことでも目立って注目を引こうとする。第3段階「権力争い」「反抗」「不服従」大人に権力争いを挑んでくる。ただ不服従や反抗を決め込むことで、自らの「力」を証明したい。そのような場合は、すぐさま彼らのコートから退場する。反抗や不服従に対する叱責はその叱責のボールをまた反抗や不服従で返してくる。とにかくその場から退場すること。第4段階 「復讐」もっと注目して欲しいとなりそれが叶わないとなると、人は一転して「憎しみ」を求めるようになる。そうなると、正面切って戦うことを選ばず、「悪いこと」をするのではなく、「相手が嫌がること」を繰り返す。第5段階 「無能の証明」「これ以上私に期待しないでくれ」「私を見捨ててくれ」という状態で、大人が手を差し伸べれば述べるほど、極端な方法で「無能な証明」をしてくる。こうなると、専門家の手を借りないと収束できない。この問題行動5段階のすべては、「所属感」、つまり「共同体の中に特別な地位を確保すること」という目的に根ざしている。精神的も物理的にも安心安全な居場所づくりを学校やクラスにしてやることが最優先であることがわかる。心の居場所づくり。役割を与えてやることも大切。

幸福の本質は、「貢献感」である。「先生のおかげで無事卒業することができました。」と感謝を求めるのはおかしい。自分の力で成し遂げたと思えるように、環境や方法を伝達し、援助してやることこそ教師の役割である。自分の人生や日々の行いは全て自分で決定するものだと教えることも。

共同体は褒賞を目指した競争原理に支配される。「褒められること」が優先される共同体には、競争が生まれる。我先に褒められたいし、リーダーの寵愛を独占したくなる。学級全体に競争原理が蔓延することに問題がある場合がある。その場合、共同体そのものを治療する必要がある。賞罰をやめ競争の芽を一つずつ摘んでいくこと、学級から競争原理を失くしていくことが必要である。競争原理を優先する「縦の関係」を排除し、協力原理を優先する「横の関係」にしていくこと。これはアドラーでは、「民主主義の心理学」という。

アドラー心理学では「承認欲求」を否定する。他者から認めてもらうことを願うばかり、他者の要望に沿った人生を生きることになってしまう。他者の人生を生きくることになってしまうから。

「依存」と「自立」自分の価値を他者に決めてもらうことを「依存」と言い、自分の価値を自ら決定することを「自立」と言う。「普通でいることの勇気」が足らないと、他者からの承認を欲求してしまう。「人と違うこと」に価値を置くのではなく、「わたしであること」に価値を置く。

叱ってもいけないし、褒めてもいけない。叱ることや褒めること、すなわち賞罰は子どもの「自立」を妨げる。叱ることはお互いの「尊敬」を毀損することになる行為であり、怒りや叱責は、それほどのコストの低い、未熟で暴力的なコミュニケーションの手段である。褒めると集団の中に競争原理が生まれ、褒められることしかしなくなる。「他者は敵である」というライフスタイルを植え付ける。賞罰とは、子どもを支配下におこうとする行為であり、それに頼る大人は子どもが自立することを恐れている。「いつまでも子どもであってほしい」それゆえに賞罰で縛り付ける。

「すべての悩みは、対人関係の悩みである。」仮に宇宙に自分1人だけだったら、悩みは起こらない。逆に、人間関係の喜びも対人関係から生まれる。

「信頼」とは、一切の条件をつけずに相手を信じること。「信用」とは、条件付きで相手のことを信じること。

利己心を追求した結果、利他につながる。他者貢献につながる。誰1人として犠牲にしてはいけない。どんな仕事に就くのかが問題ではなく、どのようにその仕事に取り組むかが問題である。

尊敬とは、「その人をありのままに見ることである」、そして、「その人がその人であることに価値を置くこと」である。他者のことを信頼できるか否かは、その他者を尊敬できるかどうかである。

不可分なる私たちの幸せを築き上げること。わたしの幸せではなく、あなたの幸せでもなく、私たちの幸せを1番に考えること。私たち2人が幸せでなければ意味がない。利己的でもあり、利他的でもある。本当の愛を知った時、「わたし」だった人生の主語は「私たち」になるのです。幸福なる「生」を手に入れるためには、「わたし」は消えてなくなるべきです。

自立とは自己中心性からの脱却である。自立とは子ども時代のライフスタイルから脱却することである。

一般的に末っ子は、家族の誰とも違った道を選ぶ。第一子は、「過去の崇拝者」となり、保守的な、未来の悲観的なライフスタイルの形成者となる。第二子は革命を起こす。一人っ子の場合、母親を独占したいので、父親をライバル視し、マザーコンプレックスになることが多い。単独子しか持たない夫婦の多くは、人生に臆病で、悲観的である。家庭内の雰囲気も不安に満ちており、たった1人の子どもに過大な重圧をかけ、苦しめることになる。

誰かを愛するということは、単なる激しい感情の表出ではなく、自らの決意、決断、約束である。そして、結婚とは「対象」を選ぶことではなく、自らの生き方を選ぶのである。運命とは自らの手で作り上げるもの、運命に踊らされてはいけない。運命は自ら求め、運命の主役でなければならない。

踊ること。「いま」をダンスする、。ダンスのことを「2人の人間が共同の仕事に参加する遊び」である。今日という日の幸せを、いまという瞬間だけを直視しして、クルクルと踊り続ける。そばにいる人の手を取り、いまの自分にできる精一杯のダンスを踊ってみる。運命は、そこから始まる。

我々は他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放される。他者を愛することによってのみ、自立を成し得る。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどり着く。愛を知り、「わたしたち」を主語に生きるようになれば、変わる。生きている、ただそれだけで貢献しあえるような人類の全てを包括した「わたしたち」を実感する。「愛し、自立し、人生を選べ」

前作にも、「ダンスをする」という言葉が登場する。「いま」をダンスする。

前回は全くイメージできなかったが、今回はなんとなくイメージできている。

何が起こるかわからない毎日において、「あ、こんなことがあった。嫌だな。明日からもこんな嫌なことが続くのかな!?」「もうすぐ〇〇が終わる、終わると楽になるかもしれない。」

起こってしまったことは過去のことで、もうどうやっても取り返しがつかない。そんな取り返しのつかないことに一喜一憂しても仕方がない。これからどうするかがとても大切。三角柱の話と一緒である。

まだ起こってもいない未来のことを悲観的に考えることもどうしようもないことである。楽観的に考えるのも変。

いま目の前にあることに対して、一生懸命取り組むことが最も大切であるということが、「ダンスをする」ということではないだろうか。しかも、柔軟に取り組むこと。目の前のことは、自分の対応の仕方次第ではいかようにも変わっていく。素敵な軌道が描けるように柔軟に「今起っていること」に取り組んでいくことが大切。

ロイロノートでオンライン授業を作ってみました

9月1日から2学期が始まったが、午前中は45分4限の短縮授業。給食を食べて放課。帰宅してから45分×2限のオンライン授業。オンライン授業のやり方は各教科ともバラバラ。プリントをPDFで配り提出させる教科もあれば、zoomを使って双方向の授業を展開する教科もある。

英語は、実技教科らしく、英語力がつくようなオンライン授業を作れないかと思案し、試行してみた。

ロイロノートはほとんどの教員が使っている。本当に便利なアプリケーションである。学校の仕事用のPC、タブレットだけでなく、スマホや個人用のタブレットからでもログインできるので、家で作成ができ、便利である。

画像、映像、音声、WEB、地図、文章、手書きの文字や絵なども使いながら、それらを矢印で繋げることで、「流れ」ができる。

↓はロイロノートの大まかな使い方がわかるYouTubeの番組である。

私はこの4月からロイロノートを使い始めたが、全くついていけず、ロイロノートという言葉を聞くことにすら抵抗を感じていた。しかし、給食の「黙食」支援のために、委員会でお昼の放送を作ることになり、思案した結果、ロイロノートの付箋に録音して流すという形式に落ち着いた。その番組を手探りで遊び感覚でやっているうちに、スイスイできるようになってしまった。やはり、「習うより慣れろ」である。あんなに怖がっていたロイロノートなのに。

こんな感じで授業を作ってみた。

1回目の授業の振り返りを見ると、「音素カードの練習が15分近くあり、大変だった。」や「テーマ英会話は咄嗟に言わなければならなかったから、もう少し前にテーマを予告しておいてほしい。」という要望があったので、少しマイナーチェンジしておいた。2回目は軽い内容になったが、この程度が限界かもしれない。

提出状況を見ると、1回目より2回目の方が提出者も多いし、提出内容もいいので、2回目くらいの分量が良いのかもしれいない。今回は2回とも1学期の復習であるが、これから進めていくとなると、どのような授業がいいのか、また考えていかなければならない。

英語教育8月号を読んで

英語教育8月号 大修館書店 August 2021 Vol.70 No.6

第1特集 ことば✖️内容で学びを深める CLILをヒントにした授業づくり 第2特集英語との古くて新しい付き合い方 英文解釈のススメ

ICTを活用した小学校でのCLIL授業ー「日本の米料理紹介」実践 中田葉月(寝屋川市立第五小学校教諭、大阪教育大学非常勤講師)

「Quizlet」や「Kahoot!」そして「Word Wall」などのオンライン学習ツールを語彙の学習に使用します。

https://quizlet.com/subject/ Quizlet

https://kahoot.it/ Kahoot!

https://wordwall.net/. Word Wall

類似教育法との違いと日本でのCLIL実践 池田真(上智大学教授)

CLILには2つの種類が存在する。一般教科教員が担当科目を英語で教えるハードCLILと、外国語科教員がテーマやトピックを英語で教えるソフトCLILである。

英語の文字の指導法 手島良(武蔵高等学校中学校教諭、日本女子大学非常勤講師)指導の実際(1)

アルファベット順に書かせるより、筆法によっていくつかのグループ(letter family)に分類して、字形の類似性に着目させつつ、共通する運筆を習得させる方法。⑴ l,i,t縦・横の直線(+点)からなる文字 ⑵ z,v,w,x,(y,k) 縦・横・斜めの直線からなる文字 ⑶ c,e,o反時計回りの長円(の一部)を含む文字 ⑷ a,d,q,g反時計回りの長円と縦棒からなる文字※長円が先で縦棒が後 ⑸ u, y 反時計回りの下向きのこぶを含む文字 ⑹ b, p 縦棒と時計回りの長円を含む文字※縦棒が先で長円が後 ⑺ n, m, r, h, k 時計回りの上向きのこぶ(の一部)を含む文字 ⑻ s, f, j その他 練習の際に大切なのは、同じ文字を繰り返し(左から右に)欠かせない、ということです。この4文字が同じ筆法かつ筆順で書けるということを理解させたいのですから、この4行を上から下にa→d→q→gの順で書かせます。もう1つの注意点があります。それは、一度に書かせる回数を、上から下まで3回程度にとどめる(つまり、a→d→q→gを3回程度)ということです。同じ文字を右に向かって繰り返し何度も書かせると、生徒は飽きてきます。また、早く終わらせようとして、右にいけば行くほど字形が崩れます。字形が崩れます。

今月の時事英語

ハイジャック(hijacking)の語源は、禁酒法時代のアメリカでウイスキーを積んだトラックを止めて、”Up high, Jack”と命令したからという。

現場のお悩みQ&A 「振り返りシートを評価に生かす問いかけの工夫」大脇裕也(大東市立北条中学校教諭)

自己調整(児童・生徒が、学ぶ過程でどのように変容していったか)を看取るため。問いかける項目としては、①「今日の授業で学んだことを後輩に教えるとしたら、どんなことを教えますか。」②「今日の授業への取り組みについて『よかったところ』と『反省点』を先生にアピールしてください。」③「授業で、『これはできるようになった』と自信を持って言えることは何ですか。」④「友だちとの会話の中で『なるほど!』と思えたことは何ですか。」さらに、「今日の発表のレベルをさらに上げるためには、何ができますか。」「相手に伝えるために1番意識したことは何ですか。」をプレゼン後に書かせるといい。「1ヶ月後の自分の振り返りシートを見返したときに『この時間ではこういう学びをしたな。』と理解できるように、具体的に書きましょう。」と伝える。今までの私の振り返りカードの問いかけ(自由記述の上にどの項目について書くか✅を入れる)を反省した。

授業改善へのヒント 「フラッシュカードを使った新出単語の学習ー文教大学附属中学校授業からー」阿野幸一(文教大学教授)

少人数の授業であれば、ここの生徒に対応しながら、紙のフラッシュカードを使用した方が、生徒との心理的な距離を近づけての練習ができるかもしれません。どうも、デジタル教科書(教師用)のフラッシュカードは申し分ないほど便利なのだが、生徒が乗ってこない。居眠りを始める生徒もいる。私のやり方も悪いのだろうが、髪のフラッシュカードの方が、手応えもああり、効果もあるように思う。

自然に授業に参加させるための工夫 上本晋之(四条畷市立四條畷中学校教諭)

人は自分の頭にためてある音を使おうとします。咄嗟に単語が言える、言えない、の差はそれまでにどれだけ声に出してきたか、その積み重ねの厚さの差だと言えます。

指導の当たり前を疑う 「文法定着のためのアクティビティー」って必要? 奥住桂(帝京大学講師)

キーワードは「シンプルに」「何度も」  個人的なお勧めは、シンプルなパタン・プラクティスです。ただし、「たくさん繰り返すことで意味が生まれる」ことが、ポイントです。例えば比較級の練習としては、中学校で学習する9教科をトーナメント表にして、どちらが面白いか(難しいか)などをペアで質問試合、相手にとって1番◯◯な教科を探り合う活動があります。また現在完了の練習としては、自分のちょっと恥ずかしい失敗(例:田んぼに落ちた)を聞き合って、最終的に円グラフを作成してクラスの傾向を明らかにするよう活動も盛り上がります。どちらもシンプルながら「繰り返すことで意味が生まれる活動」で、勝ち負けとは違うレベルでの達成感が味わえると思います。本当の意味で使わせる場面は、後々にしっかり設定しておくほうが賢明です。

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第5回 第2章「要約力を鍛える」① 「引き算思考」をすれば授業が生まれ変わる 中嶋洋一(関西外国語大学教授)他2名

児童生徒がゴールを目指し、アクティブに学んでいる授業では心を鷲掴みにされる。要約とは、活動の「目的」に照らし合わせ、「不要なかたまり」を見つけて、思い切って削ることである。「目的」とは、学習指導要領、児童生徒理解、教科書や教材のねらい等である。それらの本質を正しく理解しないと「要約」はできない。例えば、欲張って詰め込んだ活動の「時間」だけ短くして、一通りやろうとするのは誤った要約である。「要約」とは、本質に気づいて無駄(多くは自己流)を省く、生徒に任せる部分を用意する、関わり合う時間や活動をどうコーディネートするかを考えるということだ。それができてくると、授業で「余白」(児童生徒に委ねる時間)や「間」(思考する時間)を大切にするようになる。要約力を身につけるための「羅針盤」になるのは何か。それは学習指導要領と教科書のTeacher’s Manualである。

ポイントは学んだことを、「活用」させることだ。「応用」と「活用」は違う。知識や公式を使って、他に当てはめるのが「応用」、一方、「活用」は、新しい局面で、今まで習得した知識、技能を組み合わせて、自分の力で問題を解決する。「without…ingを使って英文を書きなさい」という課題は、教師が言語材料を指定しているので「応用(練習)」である。これが「片想いの相手に勇気を出してラブレターを書くことにした。自分の気持ちを何とか相手に伝えなさい。」という課題なら、生徒はI can’t spend a day without thinking of you. とかI always look at you without saying a word.という英文を自分で考える。これが「活用」である。教師が責任を持って「何のために」といったコミュニケーションを行う目的を当て、写真やイラスト、さらには「場面」を用意する。つまり、言語使用の必然性を追求することが「思考・判断・表現」の鍵になる。

Deep Culture Insights5️⃣ The Oz Moment. (Joseph Shaules 慶應義塾大学教授)

This feeling of discovery and amazement is called the ‘Oz Moment’. It often happens when we first arrive in a foreign country and notice how different things are. Memorizing facts does not change us. Experiential learning, however, engages the intuitive mind and has a deeper impact. As educators, we need to understand the intuitive mind and how to creat Oz moments in the classroom.授業中に、Oz momentsを味わう瞬間を意図的に作り出すにはどうすればいいのか。映像で教材に関連あるauthecticなものを見せたり、ALTにたくさん話してもらったりすることかな。

授業に活かせる基礎英語講座③ 2項動詞に見られる自/他動詞のゆらぎ(澤井康佑 文筆家・英語講師)

suffer ①(肉体的に)苦しむ;[SV from O]<病気など>にかかる、かかっている;<傷など> ②<人が>(人・もの・コトのために)(精神的に)苦しむ、悩む;(人・商売などが)(・・・で)困った目にあう、痛手をこうむる(from, for) ③<人が><苦痛など>を経験する;<損害など>をこうむる、受ける>をこうむる、受ける

高校3年間のスピーキング力の発達を探る 第5回 学習環境と発話の発達を考慮した指導 (阿部真理子 中央大学教授 藤原康弘 名城大学教授)

たくさん話せるようになるためにbecauseとsoを使って見るのは良いコトです。「結論+because(理由)+So(結果)」という流れで話を展開できるからです。しかし、そればかり使用すると冗長な会話になるので、一つの対処法としては、常に新しい情報を追加するという意識を持たせると良いでしょう。沈黙を埋めるために、話すことを考える時間を作る際にsoをfilerとして使うと、次に来る話の内容が「結果」に限定されてしまいます。文脈に影響を及ぼさないfiller(例:well, ummなど)を使うと、話の流れが制御されません。 I thinkというのをやめる。I thinkの部分を、assume, guess, supposeなどを使い、自信を持って主張したい場合は、be certain, believe, be sureなどを使うようにする。

「三角柱」の話

「幸せになる勇気〜自己啓発の源流「アドラーの教え!!」」(岸見一郎、古賀史健著)ダイヤモンド社

「嫌われる勇気」に引き続き、「幸せになる勇気」を読んでいる。これらは、アドラー心理学について、根本の考えから、青年と哲人が対話形式で、語っていくれている。とても読みやすく理解がしやすい。何冊もアドラーについては読んでいるが、この2冊がおすすめである。

その中でも、自分が心にひっかかった部分があり、全編ではなく、この部分だけ紹介しようと考えた。

アドラーが唱える「三角柱」がある。紙を三等分して折、立てれば三角柱になる。三角面あるので、一面には「かわいそうな自分」、もう一面には「ひどいことをする相手」と書く。アドラーがカウンセリングをするときに使うものであるが、もう一面はカウンセラーであるアドラーに向けておく。

カウンセリングを展開する中で、さまざまな悩みやこれまでのことを相談者は語っていく。「ひどい人にひどいことをされて、かわいそうな自分」これは、相談者の目の前にある三角柱に書かれている。

話が一通り終わったところで、カウンセラーが相談者に見えていなかった、もう一面を裏向けて見せる。そこには、「これからどうする?」と書かれている。

過去のことは、確かに辛くて、死ぬほど苦しかったかもしれないけれど、結局変えられない事実として残っていて、その辛さを抱えている自分を前向きに変えていくには、「これからどうする」という変えられる未来を考える事が1番大切である、ということをアドラーは唱えている。

私がいい例である。「ひどい人」「かわいそうな自分」とこの2つしか考えていない。これをカウンセラーにひたすら語っていたことを覚えている。この2つに関して、同意して欲しいのだ。共感して欲しいのだ。しかし、実際、これでは解決にはならず、いっときの安穏を得ただけである。本当に考えなければならないのは、「これからどうする?」というこの1点だけだ。

なかなか、「これからどうする?」の部分を考えられるようになるまでには、心の傷が癒えず、パワーもないので、時間はかかると思うが、常にそう考えていくようにしようと心に留めておこうと思う。

「人は話し方が9割」を読んで

「人は話し方が9割 1分で人を動かし、100%好かれる話し方のコツ」永松茂久  すばる舎

7月15日に新宿都庁にTOKYO2020関係者専用のワクチン接種(ファイザー製)に行ってきた。ワクチン接種だけ行ってすぐにトンボ帰りだったのだが、品川駅で駅弁とお茶、本屋でこの本を購入した。

02 「否定空間」に身を置いて、自己肯定感を高める

 話している人を否定しないよう心がける

 「だからお前はダメなんだ」、や、「なんでしたん?」「なんで」はダメ。

03 「否定しない」「うなづく」「プラストーク」

3つの大原則を抑えれおけば会話は思いのまま

①人は自分への関心が1番強い! ②人は自分のことをわかってほしい生き物 ③人は自分のことをわかってくれる人に好意を持つ

05 「話す力」より「聞く力」を磨く

 笑ってうなづきながら話を聞くこと

06 聞くことに徹すれば人生そのものが変わる

うまくいく人は「聞き上手」→ 「聞く力」は3つのアクションで構成されている

①顔の表情 ②声の表情 ③体全体の表情

会話上手な人が使っている「拡張話法」

①感嘆 「へえーーーー、そうなんですね。」 ②反復 「お、カレーですか。いいですね。」 ③共感 「それは大変だったね。」 ④称賛 「すごい!!さすが!!素晴らしい!!」 ⑤質問 「それでどうなったの?」

拡張話方のキーワード集

「そうだよね、わかるよ」「大変だったね」「そうなんだー、よくがんばったね」「よかったねー、私も嬉しい」「へー、それはすごい」「やっぱりー」「さすがだね」「うん、なるほど、なるほどー」「へー、それでどうなったの?」「さあ、面白くなってきたね」「とても勉強になりました」「ありがとう、本当に嬉しい」「大丈夫、必ずうまくいくよ」「一緒に考えよう」「あなたのおかげです」「助かります」「これからもよろしくお願いします」

13 ここぞという時に「やっぱり」と「独り言」を使う

 相手がとびっきり喜ぶほめ方→無闇に褒めての効果は薄いので→①「やっぱり」を使う 「やっぱり、すごいな」 ②独り言をつぶやく 『やっぱり、すごいな』

15 相手の名前を覚えてすぐに呼び始める

 名前を覚える人は愛される

17 自分自身が楽しむことで、周囲を巻き込む

 人は楽しそうに語る人のところにやってくる まずは自分がワクワクしよう

19 大切な人と一緒に笑うと、距離感は一気に縮まる

 人は笑わせてくれる人よりも、一緒に笑ってくれる人を好きになる

24 「正論」は、相手と自分を同じ目線に揃えて言う

 正論をストレートに相手にぶつけてはいけない。「昔さ、ある先輩が教えてくれたんだけどね。」本当の話でなくていい。相手と自分を同じ立場に置くこと

25 悩んでいる人には「一緒に考えようね」で、まず感情に寄り添う

 悩んでいる人の相談を受けるときは、「一緒に考えよう」というスタンスを持つ

人を称賛すると、自分の価値が下がると思い込んでいる人がいます。しかし、そんなことはありません。下がるどころか、素直に人を称賛できる人は、同じく称賛されます。

30 できる人は、叱られた後「謝罪」と「感謝」を伝える

 一目置かれる人は言い訳をしない。「申し訳ありませんでした。あの発言は不適切でした。ご指摘、ありがとうございます。」

高圧的な物言いをする人には「反応しない練習」→「どう話すか」よりも、「いかに話さないか」。つまり「反応しないこと」が、最大の防御になります。「はあ、あなたはそう思うんですね」「へー、そんな考え方もあるんですね」と唱えること。「私は、そうは思わないんです」と、相手と自分との間に、ガッチリと強固なラインを引いてしまうのです。

34 感謝の言葉を口癖にして、ほめ言葉は積極的に受け取る

 褒めてもらったら、「わあ、嬉しいなあ」「そう?ありがとう」と言って相手の気持ちを受け取りましょう。

35 相手の「言葉」を額面通り受け取らず、本当に「感情」に気づいてあげる

「話し方」と「考え方」の融合→「話し方のスキルを上げること」=「心を磨く」こと→心が変わり話し方が変わると、人間関係が大きく変わる→話し方が上達したことによってあなた自身が苦手な人、嫌いな人と上手にコミュニケーションが測れるようになる

英語教育7月号を読んで

英語教育7月号 大修館書店 July 2021 Vol.70 No.4

第1特集 自然な場面設定で 「使える」にシフトする文法指導  第2特集 何を・どう学べる?「教職大学院」  第3特集 気軽に参加してみよう 夏のオンライン学会「推し」プログラム

「自然な場面で英語の形式に触れる小学校英語の指導アイディア」 長沼久美子(横須賀市立鶴久保小学校教諭)

「どうしてこの時期なの?」と、むしろモチベーションを下げることにつながるでしょう。過去形を扱う場合は、過去のことを伝える必然性が重要で、タイビングを逃してはいけません。夏休みの思い出を語るのに、10月や11月では、いいたいという気持ちを削いでしまう。常に必然性を考えるべき。

大学入試共通テストから「目的・場面・状況」を考えるー定期テストで文法を扱うときに気をつけたいこと」 鈴木祐一(神奈川大学准教授)

英語教師として求められるのは評価の仕方だと思う。パフォーマンステストでは、生徒の「文法力」に関して評価しない部分をはっきりさせる方がわかりやすいだろう。例えば、「Key Sentenceに含まれるような文法事項は理解ができればOK。離したり書いたりする際の正確さは執拗に求めすぎない」という基準の方が、多くの学校で現実的だろう。そもそも、状況・場面に即して自然な文法表現を使えるか、という観点での評価がどのくらい現実的なものなのか? ①臨場感のある目的・場面・状況の設定をして、生徒のやる気を引き出す(演出)②読んだ情報を別の形式で整理・活用させる中で文法をテストする(本質)

雑感1 水曜日はALTのYolaineが授業に来てくれる日なので、新出事項の口頭導入、ペア活動の後、その活動した内容を書かせる。それの添削をALTにお願いする。そのペーパーは定期テストやパフォーマンステストまで保管するよう指導。

雑感2 単元末活動のプレゼンの3〜4日前には、中間発表と中間指導を行う。そのためには、その前の週の週末課題は、必ず、発表原稿を書かせ添削してやること。金曜日 週末課題提示→月曜日 週末課題提出・添削・返却→水曜日 ALT →木曜日 中間発表・中間指導→月曜日 単元末活動プレゼン発表

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第4回第1章「読解力を鍛える」④ 脱「教師のSOS」で授業は「3K型」になる 中嶋洋一(関西外国語大学教授)他

「教師には、長年のうちに染み付いたSOSという癖があります。(S)しゃべりたがる、(O)おしえたがる、(S)しきたがる です。癖はなかなか治りません。それに対して、児童生徒は、自分で(K)きづきたい、仲間と(K)かかわりたい、自分で(K)きめたい、という願いを持っている。

英語の文字の指導法 第4回 書体の変化に合わせて指導法の変革も! 手島良(武蔵高等学校中学校教諭)

アルファベット順に書かせない 英国におけるモイ指導法の根本にあるのは、アルファベット順に書く練習はさせない、ということです。なぜなのでしょうか。時計回りの書き順と反時計回りの書き順がある。形は、長円と縦棒がある。このように、a,d,g,qやh,m,n,rはそれぞれ同じ運筆で書ける文字のグループに属している。同じ文字のグループ別に練習させると良い。

英語教育6月号を読んで

英語教育2021年6月号(大修館書店)2021 Vol.70 No.3

拡大特集 つなげて見直す 聞くこと↔︎発音の指導 part1 音に親しみ、やりとりの中で聞く指導 part2 コロナ禍での発音指導 part3 量と内容を聴きこなす指導

オンラインコンテンツを利用したリスニング学習 横本勝也(上智大学特任准教授)

精聴のためのコンテンツと活用方法①  Randall’s ESL Cyber Listening Lab

Randall’s ESL Cyber listening Lab

精聴のためのコンテンツと活用方法② TEDTalk Lessons(ed.ted.com/lessons)

https://www.ed.ted.com/lessons

多聴のためのコンテンツと活用方法

「嫌われる勇気」を読んで、自己貢献感が大切であることがわかりました

「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(ダイヤモンド社)岸見一郎、古賀史健 著

気づいたらアドラー心理学の本をたくさん読んでいる。引かれる部分が多いように思う。

「原因論」と「目的論」がある。アドラー心理学では、「目的論」の立場を取っている。原因論は、「私は貧乏だから不幸である」と考える。目的論は、「私は不幸になりたかったので、(その理由として)貧乏であることを持ち出してきた」。

「いまの自分」を受け入れて、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持つこと。それを、「勇気づけ」と呼んでいる。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」もしこの世から対人関係がなくなってしまえば、他者がいなくなって仕舞えば、あらゆる悩みも消え去ってしまう。

劣等感と劣等感コンプレックスを使い分ける必要がある。劣等感は悪いものではなく、そのことがあるからもっと努力しようと動機付けになるものである。「私は学歴が低いから人一倍努力しないと」。しかし、劣等感コンプレックスは、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを指す。「私は器量が悪いから、結局できない」。

自慢は劣等感の裏返し。劣等感そのものを先鋭化させることによって、特異な優越感に至るパターン、「不幸自慢」。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。

対人関係を競争で考え、他者の幸福を「わたしの負け」であるかのように捉えているから、祝福できない。「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方は全く違ったものになる。

人生のタスク 行動面の目標 ①自立すること ②社会と調和して暮らせること 心理面の目標 ①わたしには能力がある、という意識 ②人々はわたしの仲間であると、という意識 これらの目標は「人生のタスク」と向き合うことで達成できる

「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを切り離していく必要がある。他者の課題に踏み込まない。あらゆる人間関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことー或いは自分の課題に土足で踏み込まれることーによって引き起こされる。いくら言っても勉強しない子どもに無理やり勉強させようとする親の立場もその一つ。勉強するしないは他者(子ども)の課題。そこに無理やり入り込もうとするのは他者の課題に踏み込んでいる。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。つまり自由にはなれない。

他者からどう見られているかばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルである。

「人生のタスク」に立ち向かうこと。「わたしはこの人に何を与えられるか?」それが共同体へのコミットである。何かを与えてこそ、自らの居場所を得ることができる。所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくものである。

介入と援助の違いがある。「介入」とは自分の課題でないのに土足で踏み込んで「やりなさい」と命令すること(子どもの課題なのに勉強しろと命令すること)、に対して、「援助」は課題の分業がしっかりなされている上で、自分の課題と違うとわかりながらも他人の課題に対して何かできることはないか探すこと。「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」

課題に立ち向かうのは本人で、その決心をするのも本人。こうした横の関係に基づく援助のことを、「勇気づけ」と呼んでいる。

人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思た時にこそ、自らの価値を実感できる。つまり他者に働きかけ、「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。他者から「良い」と評価されるのではなく、自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること。

自己肯定と自己受容の違い。「自己肯定」は、できないのに「自分はできる」と自分を思い込ませること。「自己受容」は、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えること。交換不能なものを受け入れること。ありのままの「このわたし」を受け入れること。そして、変えられるものについては、変えていく「勇気」を持つこと。

「信じる」という言葉を、信用と信頼とに区別して考える。「信用」とは条件付きの話。対人関係の基礎は「信用」ではなく「信頼」である。他者を信じるにあたって、一切の条件をつけないこと。自分が裏切った側の立場になって考えてみると、あなたから裏切られてもなお、無条件に信じ続けてくれる人がいる。どんな仕打ちを受けても、信頼してくれる人がいる。そんな人に対して、あなたは何度も背信行為を働くことができるか。

「幸福とは、貢献感である。」

英語教育5月号を読んで

英語教育2021年5月号(大修館書店)2021 Vol.70 No.2

第1特集「端末が教室にやってくる! GIGAスクール環境を生かした指導アイディア」 第2特集「大学入学共通テストのインパクト 授業・英語力はどう変わる?」

ICT時代に教師に必要なチカラ 正頭英和(立命館小学校ICT教育部長)

問題解決力から問題発見力へ 子どもたちが自ら「問い」を持つこと(問題発見力)がむしろ非常に重要になってきました。「自ら問いを持ち、自分なりの方法で、自分なりの答えを導き出す」、このような教育手法は「PBL(Problem-based Learning)」や「探究」と表現されることが多いのですが、私が最も難しいと感じるのは、「問いを持つ」という段階です。「問いを見つけましょう」という投げかけだけで見つけられることは、ほぼないでしょう。

生徒の主体的な学びをサポートするICT機器ー海外とのリモート対話実践 今田健蔵(東京大学教育学部附属中等教育学校教諭)

「『主体的な学び』とは指示されて行う学びではない。」と定義するとよいでしょう。自己選択をさせるだけで、教師と子どもとのやりとりが生まれ、教師が一方的に話す展開は減ってきます。

高精度教育ビッグデータを生かした効果的な英単語学習マイクロステップ・スタディ 寺澤孝文(岡山大学教授)

単語は時間をおいて復習する方が記憶に残りやすいことがわかった。詰め込んでも使える英語としては効果が薄い。ある意味わかっていたことであったが、改めて記事を読むと納得できる。

1日の中で行われる6回以上の反復学習の効果は、実力レベルの成績に反映されない。つまり、同じ英単語を1日に6回以上反復学習しても実力レベルの語彙力には効果を持たず、無駄になっていることがわかりました。漢字の難しい読みの学習については、3回以上反復しても効果が積み上がらない。英単語の学習は、1語に固執せず、1日の中で反復学習する回数は少なくし、長期に間隔を空けて行い、そう学習回数を増やすことが何より重要。

指導の当たり前を疑う 奥住 桂(帝京大学講師)「テスト問題に『場面』って必要!?

今回の共通テストでは、「あなたのルームメイトのジュリーが・・・・・」「あなたの通っている学校・・・」というようにYouやYourという語を多用して、テスト問題と受験生を結びつける工夫がされていました。受験生にとって身近な話題や場面を設定することで、読解の心理的なハードルを下げる効果が期待されているのだと思い余す。

高校3年間のスピーキング力の発達を探る 学習者コーパス研究から 第2回 「スピーキング力と関わる言語項目の発達」 小林雄一郎先生(日本大学専任講師)

制限時間内にたくさんの単語を話し、長い文を作れる生徒は、前置詞や接続詞の相対頻度が高い。冠詞の相対頻度も増えている。reallyやsoなどの協調表現が使用される傾向も見られる。スピーキング力の高い生徒は、これらの表現を使うことで、客観的に事実を述べるだけでなく、自分の主観や感情を交えて話していることがわかる。1人称は、スピーキング力が上がるにつれて、相対頻度が減少していく。

第2回「道徳 愉しみ会」に参加して

2021年5月23日(日)9:15〜12:00 Zoom研修 主宰 柴田八重子先生

Society 5.0について、柴田先生から、「どうしてSociety 5.0と道徳を関連させて考えなければならないか」についてお話をしていただいた。3.0は「工業」、4.0は「情報」。5.0は「サイバー空間、フィジカル空間の融合」。心に残ったお話としては、「『データ』『情報』は人と人が関わりを持てば価値は上がる。」「競争を自己否定しながら、協働で共創を実感し、共同を知る。」「自分たち無価値に見える→拝聴の意義感」「自分たちの価値観の成果、変化、いろんな意見をもらって今変わろうとしている学び合いの成長実感」「協働のエージェンシー」「集団・社会 多くの人々のwell-being→社会のwell-beingへの変革」

明星学苑附属明星小学校 丸山先生 自分たちの課題を設定(なかなか設定できないが繰り返し練習でできるようになる)→自分ごとにする(ICTを使って)見える化する

犬山中学校 増田先生 Society 5.0 SDGsの視点から 人間の弱みを自覚する→弱みを強みに変える 命あるもの全てと共生→感性を磨く 中心発問「心のベルとは何だろうか?」→「なぜ心のベルを鳴らすことができなかったのだろうか?」弱みを強みに変えられる発問の工夫。人間の弱みを自覚する 命あるものすべてと共生 弱い部分を自覚させる

名張中学校 越智先生 導入「自己課題の決定」 活用①「自分の意見を持つ」活用②「他者の意見を知る」活用③「他者と議論する」まとめ「もう一度自分の意見を考える」終末「他人の意見で変わったところ」これらをロイロノートで行うことにより、匿名で他者の意見を知ることができる。みんなの中で自分も変われたんだよね。買われたことが成長なんだよね。

文科省調査官 浅見哲也先生 道徳オリエンテーションで何をするか。「道徳とは何を学ぶ学習なのか」「道徳の本質とは何か」よりよく生きるための営みを教える 道徳とは自己を見つめ、多面的多角的、自己の生き方について知ること 自己関与→自分のもの自分に関係あるもの

弱みを強みに変えるよう仕組む中心発問を用意する。

必ず自己課題を設定する

タブレットを使えば、全員の(匿名だが本音の)意見が拾える。外国籍の子ども達の声が拾える。翻訳ソフトも使いながら、内容を理解することが容易になる。