英語に特異的なつまづきがある生徒を、スクリーニングツールで見つけることができる

「学びの特性把握のためのアセスメント方法①〜スクリーニング法〜柴田あすか(高知市立城北中教諭)、鈴木恵太(岩手大学准教授)、多良静也(高知大学教授)英語教育2020年5月号(VOl.69 NO.2) 大修館書店

 英語の初学者に対して、つまづきとのその背景的特性を把握して、その特性に応じた指導を行うことが大切である。私自身も近年はそのスクリーニング、アセスメント、指導については非常に興味を持っている。今回の記事では、MIM(Mltilayer Instructional Model:多層指導モデル)について、紹介があった。

 MIMは下図のように3つのステージから構成されるアセスメントと指導が一体化した教育モデルである。このモデルを取り入れることによって、効率的で効果的な指導の展開が期待される。

通常学級における多層指導モデル(MIM)
http://forum.nise.go.jp/mim/?page_id=27

 英語学習においては、文字情報処理の観点から、大きく「つまづきのレベル」と「背景的特性」がある。つまづきのレベルにおいては、文字・単語・文章の処理レベル、背景的特性においては、文字情報の持つ「形態(視覚的認知機能)」「音韻(聴覚的認知機能)」「意味(記憶機能)」のバランスがある。

 英語学習の特異的な弱さをスクリーニングする評価方法(↓pdfの論文参照)が紹介されている。この方法を高知市内の中学生に実施したところ、つまづきを示した生徒のグループと、担当教員が授業中に観察する中でつまづきを示す生徒のほとんどが一致していることがわかった。

 音と綴り字の一致がうまくいかない、音韻認識が弱い生徒もいる一方で、それだけではない生徒もたくさんいる。このような評価方法を実施し困り感を把握することで、それに応じた対処的な指導ができれば、理想だと思う。

https://kochi.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=7651&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1&page_id=13&block_id=21