「振り返りカード」で信頼関係を構築する礎を作ることができます

「生徒の前向きな気持ちを育てる振り返りーEnglish Journalを活用して」 山田奈美(三重県立亀山高等学校教諭) 英語教育(大修館書店)5月号(May 2020 Vol.69 No.2) pp.14~15

 筆者の山田先生とは何回かお話しさせていただいたことがある。とても生徒思いで愛情深く、芯の強い先生であるという印象だった。英語教育にも常に情熱を持っておられて、前向きに教材研究や授業研究に取り組んでおられる。

 私も「振り返りカード」と称して、生徒にその授業の「振り返り」を書かせている。私の場合、「振り返り」とは、「めあてに対する振り返り」だけでなく、授業の反省、感想、疑問点、質問などを含んでいる。私も筆者と同じように、ラポール(生徒と教師の親和関係)の形成を一番の目的としている。現在は担任を持っていないので、先生との関係づくりが難しい。この振り返りカードが一役を担ってくれていると思う。

 「感想や質問だけを書くのなら、カードを書かせる意味はなく、しっかり『めあてに生態する振り返り』を書くべきである」というご意見もある中、筆者は三浦孝先生(静岡大学名誉教授)の「英語授業への人間形成的アプローチ」を引用し、「今日の授業で学んだこと、感想、質問」を書かせているとのこと。特に、授業と関係ないことでもOK。ジャーナルの留意点としては、山田先生曰く、① 楽しむこと、② 対話を大切にすること、③ ムリをしないこと、である。

 私自身も、読むことは大変楽しみにしている(①)。②のために設定しているので、これは大いに納得できる。③はもちろんである。楽しみにしているので、ムリをすることなはい。

 山田先生は、「“English Journal”の活用が安心して英語を使える、英語の授業に臨める、教師対生徒、生徒間の親和関係につながっている」と仰っている。

 私は、大いに、自分の「振り返りカード」の継続に勇気をいただいた。