2021年3月21日(日) 中川地域交流センター 出席者7名
あと10日で新学期という時期にやる気のある英語の先生で集まった。
最初は、浜島書店の浜島さんからいただいて、前回配付した、長野県教育委員会が発行している「テスト改善ハンドブック」でわからないことを出し合った。テスト改善のみならず、新学習指導要領での新しい英語の授業についても記述されているので、それについてもグループで話し合ってもらった、全体共有した。
1 1分間スピーチがうまくいかない
これは本当によくあることである。普段から少しずつやっていかないと急にはうまくいかない。1年生だと10秒から始めて何度もペアを代えて話す練習をするところからスタートすることを勧めた。10秒→20秒→30秒と。子どもたちはできるようになるまで時間がかかる。できるようになるまで不安なので、ふざけたり遊んだりする。その時間も我慢して見守り続けることが大切である。すぐにはできるようにはならない。私たちがいかにsmall stepsを組んで、scaffoldingしてあげるかである。
2 リスニング(テスト)の放送文は1回?2回?
すでに英検は1回の方向に動きつつある。1級はずいぶん前から1回しか放送されない。authenticなsituationに近づけるには、1回であろう。実際の場面ではもちろん1回しか聞くことはできないし、聞き取れなければ、もう1回言ってくださいと言わなければならないので、これの繰り返しをしてしまうと、コミュニケーションは成立しない。これからの定期テストも入試問題対策についても1回で慣れさせていかないといけない。入試や検定試験がまだ2回でやるにしても、授業では1回で慣れさせる方向で。I先生からは、「1回に慣れさせておけば入試が1回でも大丈夫。2回になればラッキー。」まさにその通りだ。
3 ライティングの評価について
fluencyなのかaccuracyなのかを迷っているようだった。私は初学者(1年生)の場合は、話すことにしても書くことにしても、fluencyを大切にしている。まずは、量をこなせるようになってからaccuracyを目指すべきだといつも思っている。「話すことがない」、「何を書いたらいいかわからない」はよく聞かれる。「なんでもいいからとにかく、書け(話せ)!」というのは、いささか無謀だが、それくらいの指示をしないと、生徒たちは動き出さない。
まずは、書いた「量」を評価し、次に「内容」を評価するルーブリックを作る必要がある。Errorについても、Global Errorは減点の対象とするが、Local Errorは個数を制限して、そこまでは減点しないなど、書かない方が損をしない、ような評価にしてはいけない。
4 ライティングの問題文は、日本語ばかりではいけないの?
条件を日本語で提示して、自由英作文をさせるというもの。確かに、日本語で提示すればそれだけ負荷がかからないので、「何を作文すればよいのかわかる」が、「英借文」という観点からは、問題文に英文が書いてあることで、そこから書く内容のヒントを得たり単語を借りたりすることができるので、やはり問題文には日本語の条件提示と英語のガイド文がある方がいいかもしれない。
5 Small Talkはどうやる?
「Small Talkをやってみたいけど、どうやってやればいいかわからない。さらに、それだけ話題を持っていない」日常的な話題や身の回りにあることをForeigner TalkやMothereseと言われる方法を使って、生徒たちにゆっくりはっきりやさしくジェスチャーを使って、語りかけることである。Foreigner Talkは「外国語を習っていて間もない人にわかりやすくその学習言語で話す」で、Mothereseは「幼い子どもに母親がわかりやすく話す」ように話すことである。このForeigner TalkとMothereseでSmall Talkを行うということが非常に重要である。さらに、話題については、「ジャレマガ」というメール配信が非常に有益である。元名古屋女子大学教授のジャレル先生が中学校程度の英語を使って、日常の話題を簡単な英語にしてくれている。これを元に、Small Talkを作ればよいのである。
6 リピートをさせてはいけない!?
まずは自分で読めるかどうかやらせてみることが大切である。文字を音声にできない生徒がおり、ただリピートだけさせていると、周りの生徒の真似をしているだけ先生の真似をしているだけで、読むことができない。わからない単語や読み方をリピートの時に修正することは良いことであるが、読めないまま進むと、独力で英文の読めない生徒を作ってしまうことになる。あくまで、目標は、自力で読める生徒を作ることである。そのためには、「1人で読む(読めるかどうか、わからないところを炙り出す)」→「みんなで読む(わからないところを確かめる)」→「1人で読む(わからないところを練習する)」→「ペアで交互に読む(読めたかどうか確かめる)」という活動を繰り返すと読めるようになる。
まもなく授業が始まる。まずは、「黄金の3日間」を乗り越えて、よいスタートを切りたいものだ。