授業力向上のために、「実践研究」をやってみようかなと思っています

 今月号の特集は「実践研究」と「SDGs」についてである。実践研究については、「やってみたい」とずっと思っている。田中武夫先生(山梨大学教授)によると(pp.10〜11)、「実践研究とは教師自身が教師としての成長を目指して、実践の理解や改善を行う、実践についての体系的な探求を指します。」とある。『英語教師のための「実践研究」ガイドブック(大修館書店)』も共著されているので、併せて読んでみたい。

「実践研究について」

高木亜希子先生(青山学院大学教授)(pp.12〜13)は、実践研究の目的は、「生徒の理解と授業改善である」としている。次の3ステップを意識する。「問いを立てる」、「データをとる」、「分析・解釈する」、「1つの対象クラスを決め、1ヶ月間、授業後に気になったことを一言メモすることから始める」、最近、3〜5分授業メモをつけるようになったが、見通しが立つようになった。また、「『先行研究』をした方がよいが、多忙な中、無理をする必要はない。」とも書いている。問いが非常に大切で、「どのような指導をすれば、生徒はスピーキング活動に積極的に取り組むか」では、まだ曖昧で、問いを明確にするため、誰を対象にし、どのような実践を行い、どのように生徒の変化を見ようとしているのかを考えて、「英語が苦手な中学2年生を対象に、タスク活動を取り入れたら、英語のスピーキング活動に対する意識はどのように変化するか」と明確にするといいと記述している。

また、藤田卓郎先生(福井工業高等専門学校准教授)は、「実践研究の利点として、実践研究の共有が自身の実践を振り返るきっかけになることが挙げられます。実践研究を他者と共有する際には、自身の指導文脈、問いを設定した背景、実践した指導やその指導を行うに至った経緯、データーの収集法・分析法やその解釈などを体系的に伝える必要がある」と論じている。実践研究を共有する人が必要であり、内容を共有することで、継続することもできるようになる。

「SDGsについて」

SDGsとは、Sustainable Developmental Goalsの略で、2015年に国連によって採択されたアジェンダ(行動計画)である。国際社会全体が、人間の活動によって起きている様々な諸問題を喫急の課題として認識し、2030年までに解決に取り組む合意文書である。以下の3点が強調されている。

● 我々は、すべての人々のためによりよい未来を作る決意をする。

● 我々は貧困を終わらせることに成功する最初の世代に成りうる。

● 同様に、地球を救うチャンスを持つ最後の世代になるかもしれない。

アジェンダの基本は、「No one left behind」(誰一人取り残さない)と佐藤真久先生(東京都市大学大学院教授)は語っている。

バランスの良い指導のた目に、「プレビューとしてのオーラル・イントロダクション」内田浩樹先生(国際教養大学教授)

「How(どうやって)を考える前にwhy(なぜ)をはっきりさせることが、正しいやり方に到達する近道です。」手段ではなく目的を明確にすること。「オーラル・イントロダクション(OI)によるプレビューでは、生徒が教科書の英文を読む前に、その要旨をやさしい英語で伝えるのが一般的。」私は文法導入と本文導入のとき、OIを使っている。「リーディングをする前に、そこに書かれていることの概略や物語文であればあらすじを伝えることができれば、生徒が難しい英文を読み進めるときの手助けになります。」スキーマを作ることが大切である。

今月の時事英語 「不要不急の」nonessential

コロナ関連でニュースでは「不要不急の」という言葉をよく聞くが、英語ではなんというのだろうとずっと疑問に思っていたが、案外簡単で、nonessentialだった。

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