「ザイム真理教」を読んで

「ザイム真理教」森永卓郎著 発行:三五館シンシャ 発売:フォレスト出版 2023年6月1日初版

NHKラジオ第2放送で毎週土曜日の朝やっている「まいあさ」という番組の、「著者からの手紙」というコーナーが大好きで、そこで紹介されていた本。もちろん著者の森永卓郎さんも来ていて、この本を書くにあたり考えていることなどを語ってくれた。とても興味を持ったので購入した。

あらすじは、

やさしく、やわらかく、面白く、日本経済に警鐘を鳴らす本。■それは信者8000万人の巨大カルト「大蔵省(現財務省)の奴隷だった」という自身の実体験をもとに、宗教を通り越してカルト教団化する財務省の実態をあばき、その教義を守り続けて転落し続ける日本経済&国民生活に警鐘を鳴らす、森永卓郎による警世の書。~旧大蔵省時代を含めて、財務省が40年間布教を続けてきた「財政均衡主義」という教義は、国民やマスメディアや政治家に至るまで深く浸透した。つまり、国民全体が財務省に洗脳されてしまったのだ!(本文より)~

私は経済には疎く、知らないことばかりだが、FXを始めて、少し金融のことを勉強するようになってから、テレビ東京の「モーニングサテライト」を見るようになり、少し興味が湧くようになった。

この本の中には、財務省(旧大蔵省)がいかに政府の中で、大きな位置をしている省庁なのか、財務省の考え方・方針で政治の方向性も変わっていくということが、色々な証言やデータと共に書かれている。

財務省が出している協議を支えるデータとして、①税収を大きく上回る歳出がなされ、その差である財政赤字がどんどん拡大している ②その結果、日本の国債残高は、どんどん増えていて、今や先進国の中でダントツに大きな残高になっている ③財政赤字を放置すれば、将来世代に負担を先送りすることになる ④同時に、国債の信認が失われれば、通貨の信認や金融機関の財務状況にも悪影響を及ぼす ⑤国民が広く受益する社会保障費は今後も増大していくと見込まれ、その費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点から消費税の引き上げは必要 というような競技の解説が示されている。

さらに、驚くべきことは、世界有数の借金国である日本だが、普通国債の残高は1,029兆円あり、それは国民一人当たり823万円もの借金となっている。

しかし、森永氏は、「そもそも日本は、そんなに大きな「借金」を抱えているわけではなく、日本政府は、世界で類を見ないほど大きな資産を保有している」と論ずる。

国は、国債という借金を987兆円抱えているが、借入金や未払金なども加えると1,661兆円の負債を抱えている。一方、資産の方は、現預金や有価証券などの流動資産を841兆円、土地や建物などの固定資産を280兆円も持っている。合計の資産は1,121兆円。借金も多いが資産も多い。アメリカ国債を100兆円以上持っているので、円安の今は少し低く価値づけされているかもしれないが、いずれ円高になると大きな資産になる。

政府は赤字国債の半分を日本銀行に肩代わりさせているので、政府の借金というのは少なく見込まれる。さらに、日本銀行は通貨発行益がある。これは新たに通貨を発行すると発行者が利益を得ることである。1万円札を作るのにいくら印刷代がかかるかわからないが、例えば1,000円かかるとしても、9,000円は発行益として日銀に入る。

また、日銀が国債を買った瞬間に、その分は実質的に政府は返済義務を負わなくなる。逆に言うと、日銀に国債を買ってもらった分は、政府は利益を得たのと同じことになる。

だから、日本の借金はほとんどない。だから、消費税を上げる必要もない。国民が財政が危ういと感じているのは、財務省の煽りのせいだと森永氏は言う。

1両=50匁(銀貨)=4,000文(銅貨)が江戸時代の換算レート

たいへん、おもしろい本だった。

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一見すると関連のない絵をつなげてストーリーを作るなどといった活動を通して、さまざまな内容を言語化しようとする生徒の姿が見られる。頭の中にある複雑なアイデアを自分の持っている言語知識で何とか言語化しようとする取り組みは、アウトプットの増加につながり、英語を話したり書いたりする能力の向上に寄与する。