「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」を観て

トム・クルーズの“本気”に震えました──3時間があっという間だった至高のアクション体験

「気がついたら、もう終わっていた」──それが観終わった直後の率直な感想です。

上映時間は3時間。最初は少し身構えてしまいましたが、いざ始まってみると、時間の流れを全く感じさせないほど、物語に引き込まれていました。ストーリー展開はテンポが良く、常に緊張感があり、目を離す暇もないほどでした。

なかでも圧巻だったのは、やはりトム・クルーズのスタントシーンです。ご存じの方も多いと思いますが、彼はスタントマンを使わず、すべて自ら演じているとのこと。その“本気”が、画面越しにビシビシと伝わってきました。

特に、バイクで崖から飛び出してそのままパラシュートで降下するシーンでは、観ているこちらの足の裏がくすぐったくなるような、そんな感覚になりました。手に汗を握るどころではなく、息をするのも忘れてしまうほどの緊張感。まさに“覚悟”の演技でした。

ただ一つ残念だったのは、これまでのシリーズをあまり観てこなかったことです。回想シーンや仲間たちの登場に、何か“思い出”のような雰囲気を感じたのですが、自分には背景がよく分からず、少し置いていかれてしまった印象がありました。シリーズを追ってきた方にとっては、きっと感慨深いシーンだったのだろうと思います。

それでも、作品の完成度は非常に高く、過去作を知らなくても十分に楽しめました。そして、「これを機にシリーズを見返してみようかな」と思わせてくれるほど、強く印象に残る映画でした。

ちなみに、先週観た『国宝』も星4.5以上の作品で、2週連続で大満足の映画体験となりました。上映後、スクリーンを後にしたときの、あの満たされた気持ち。あらためて、「映画って本当にいいな」と感じる瞬間でした。

今週もまた、「観てよかった」と素直に思える時間を過ごせたことに、心から感謝しています。

「英語教育2025年6月号」を読んで

The English Teachers’ Magazine June 2025 Vol.74 No.3 大修館書店

第1特集 「言いたいのに言えない!」に応える 効果的な「言い換え」の指導 第2特集 先生への第一歩 教育実習生をみんなで支えよう

✍️ Circumlocutionとは会話の途中で表現が思い出せなくなった場合、別の言い方で言い表すことである。

英語教育 そもそも談話室 第27回 人前で自分の「推し」を語りたい生徒ばかりじゃない 奥住桂(埼玉大学准教授)

まずは教師が自己開示する 「推し」に限らず、英語の授業では生徒に(特に個人的な)何かを語らせるなら、いろんな配慮や工夫が必要だなあと感じています。例えば、何でもかんでもみんなの前で発表させないで、別室でALTに個別に伝えたり、ライティング活動にして匿名で読み合ったり、みたいな設定にするだけでも、だいぶ心持ちが変わりますよね。あるいは、語った先に何があるのかによっても、取り組み方は変わります。「推し活資金100万円をクラウドファンディングする」という設定なら、自分は100万円を何に使うかを語って聞き手(出資者)を説得するというタスク性が生まれるし、あくまで架空の話という割り切りで、ちょっと極端な面白い話を書く生徒も出てきそう。

児童生徒のやる気に火をつける エンゲージメントを促す授業実践 第3回 教師も子どもも「楽しめる」授業の工夫 藤原剛(神奈川県川崎市立白幡台小学校教諭)

“Jeopardy Labs” *(https://jeopardylabs.com/)という、クイズを集めたとても便利なサイトがあります。たくさんのテーマに沿ったクイズが投稿されており、自分でクイズを作成することも可能です。

児童が集中して意欲的にその活動に取り組むのは、「明確な到達点がある」「頑張った分の達成感が得られる」からです。

https://jeopardylabs.com

文法クイズ 第123回 佐藤誠司((有)佐藤教育研究所代表)

Shohei Ohtani is an excellent baseball player. This is the ball signed by him. 受動態の文を作る際に、(by+人称代名詞)を使うのは、NGと覚えておくと良い。

「カラフルな世界で」を指導して

「カラフルな世界で」〜自分らしく生きるということ〜

ファイナルイヤーという節目に、私はひとつの決意をしました。道徳の授業を公開すること。それは、市内の公開授業という形で行われ、校内の先生方はもちろん、初任の年にご指導いただいた大先輩まで、たくさんの方に見ていただける機会となりました。

どの教材を扱うか、自分では決めかねていたところ、道徳担当の先生が「カラフルな世界で」を提案してくれました。井出上漠さんの実話をもとにした教材で、生徒たちにも親しみやすく、まさに「自分らしく生きる」というテーマにぴったりの内容でした。内容項目は、A-(3)「向上心、個性の伸長」。自分の中にある“違い”をどう受け入れ、どう発信していくか。それは思春期まっただ中の生徒たちにとって、とても大切な問いです。

授業の冒頭、「自分らしく生きるって、どんな時?」と問いかけてみました。返ってきたのは、部活動で全力を出すこと、趣味を楽しむこと…どれも素直な答えでしたが、まだどこか“表面”をなぞっているようにも感じました。

次に、私は教科書の本文を、心を込めて朗読しました。漠さんの、心に秘めた葛藤と勇気が、静かに教室に流れていきます。生徒たちには「主人公で残念だと思うところ」「素敵だと思うところ」に線を引かせました。

今回、私はあえて、これまでの定番の授業構成を変えてみました。本文の“人間理解”の部分だけをじっくりと掘り下げ、「漠さんがお母さんに悩みを打ち明ける場面」に焦点をあてました。あの一言——「わたし、女の子として生きていきたい」——には、どれほどの勇気が詰まっていたことでしょう。その場面の挿絵が教科書にはなかったため、私はAIに依頼して、静かに寄り添う母と漠さんの姿を描いてもらいました。自分らしく生きるということの象徴的な場面です。(↓参照)

そして、授業は思いがけない方向へと深まっていきました。

「自己を見つめる」場面では、生徒たちが次々に自分の話をしてくれたのです。

「部活動で悩んだこと」「お母さんとの関係」——

どれも、それぞれの“カラフルな世界”がそこにありました。

授業の締めくくりに私が話をしようとしたその時、ある生徒が手を挙げました。

「どうしても、今言いたいことがあります」と。

彼はこう語り出しました。

「1・2年生のときの自分は、自分らしくなんて全然いられなかった。でも、3年生になって学級委員やリーダーをやらせてもらって、ようやく“自分らしく”生きていいんだって思えるようになったんです。そんな自分を信じてくれた先生方に、ありがとうを伝えたかった。」

その瞬間、教室は静まりかえり、空気が一段と澄み渡ったように感じました。涙をこらえるのが精一杯でした。

授業後、助言者としていらしていた河合先生から、こんなお言葉をいただきました。

「いい授業でした。ここまで生徒理解ができている先生は、なかなかいません。私はこれまで、三重県一の先生だと思っていたけれど、今日、岐阜県を含めても、あなたがいちばんの先生だと思いましたよ。」

それは身に余るほどの言葉でしたが、何よりも嬉しかったのは、生徒たちが「自分らしく生きること」について、本気で向き合ってくれたこと。そして、自分の経験や思いを、言葉にして誰かに伝えようとしてくれたことです。

「カラフルな世界で」——それは、他人と違っていてもいい、ありのままの自分を認め、そして誰かとつながる勇気をくれる物語でした。

私たちの教室もまた、同じようにカラフルで、そしてあたたかい世界であってほしい。

最初、こんな画像になったが、何度かAIとやり取りしているうちに、↓のような絵にしてくれました。たぶん、その時のことを考えると、こうなるのでは無いかと思い、その絵を使うことにしました。

どことなく、自分の少年時代みたいな顔になっていて、親近感を覚えました。

第3学年A組 道徳科学習指導案

日時  令和7年5月15日(木)

                          指導者 教諭 森 雅也

1.主題名「自分らしく生きる」(A-(3)向上心、個性の伸長)

2.ねらいと教材

(1)ねらい

自分の好きなことは自分の独自性であり、かけがえのない自分を伸ばすことで人生が輝いていくことの自覚をすることで、自分らしい充実した生き方を追求しようとする態度を育てる。

(2)教材

  教材「カラフルな世界で」:出典「あすを生きる」3年(日本文教出版)

(3)主題設定の理由

① 指導内容について

 人は、一人ひとりが他者とは異なる個性、独自性をもっている。これらには「性の在り方に対する認識」も含まれており、それは個々人の人格に密接に結び付いているものである。性に関わる事柄も含めかけがえのない自分を肯定的に捉えることで、お互いの個性や人格を尊重しながら、自分らしい充実した生き方が追求できるのである。

  ② 教材について

 主人公・井手上漠さんは、男女の区別が増える小学5年生の頃から、自分の好きなことを封印し、モノトーンの世界で生きることを選んだ。しかし、母はその悩みに気づき、話を聞き、「漠は漠のままでいいんだよ。」と受け入れてくれた。井手上さんの「自分らしく生きよう」という意思と選択、そして応援してくれる人の存在を押さえながら、生徒に自分自身のこれからの生き方について考えさせたい。

  ③ 生徒について

 中学3年生は、自分らしい生き方に悩みながらも、卒業後の進路を考えなければならない時期である。これまでの経験から、他者との関わりの中で自分らしさに気づけた生徒もいるだろう。多様性を理解し視野を広げ、尊重し合うことで、自分らしい生き方に対する考えをさらに深めさせたい。

 教材に関しては、多感な時期であるため、テーマによっては興味を持つきっかけが偏った受け止め方に繋がる可能性も考えられる。また、自身の性的指向について悩み始めている生徒もいることを踏まえ、保健体育の授業や、総合的な学習の時間に実施した助産師による講演などの内容とも連携しながら、適切な考え方や感じ方を育む指導に努めたい。

3.学習指導過程

 学習指導過程指導上の留意点
導入 2分あなたが、普段生活をしていて、「自分らしく」生きていると思えるのは、どんな場面だろう。 ・好きなことをやっているとき・親から勧められても、自分を貫いたとき・勉強しなければならないのに、ゲームやSNSをしているとき・親に反抗して自分の思い通りにできたとき○導入の場面で、生徒たちに共感させる。  
展開前段 14分           展開前段 9分                      展開前段 12分 1教師が範読する。「井出上漠さんの心の弱さが出ているところ、すてきだなと思うところを見つけて、あとで発表してください。」 2「カラフルな世界で」を読んだ感想を話し合う。〇心の弱さ  ・みんなと違っていたらダメなんだと思ったこと・髪を切って、女子と距離を置き、男子の集団と一緒にいたこと・自分らしさを押し殺し、好きでもない話題に乾いた笑いを浮かべていたこと・クラスの隅っこにいて、周りの目ばかり気にしていたこと・自分自身を否定していたこと 〇いいなと思うところ・お母さんの言葉を聞いて、自分を肯定できるようになったこと・自分のことを大切にしようと思えたこと・上を向いて、自分らしさを磨くようになり、楽しそうに生きられるようになったこと        3 井出上漠さんがモノトーンの世界に生きていたときの行動について考える。(人間理解)〇「漠さんは幼少期にウエディングドレスを見て感動したり、「かっこいい」より「かわいい」にときめく子どもだったのに、中学生になってもクラスの隅っこにいました。どんな気持ちでクラスの隅っこにいたのだろう。・本当の自分ではない。・まわりに合わせるのがつらい、・こんな自分なら、死にたい。・だれも自分のことをわかってくれない。      4 問題について考え議論する。(価値理解)〇そんなに悩んでいた漠さんが、お母さんの言葉がきっかけで、自分らしく生きられるようになったのはなぜだろう。」・ 自分が好きなことを大切にするようにしていたから。・ 幸せで自分らしくいられることをしていたから。・ 上を向いて自分らしさを磨くようになり、楽しそうに生き始めたから。○教材を範読する前に、読む視点を伝える。○自分の考えをもたせ、ペアで交流する。時間を決めてペアワークを3回行う。○時間をかけすぎないようにすること(4~5名程度の指名にする。)〇感想を生かして基本発問につなげたい。  〇「いいな」と思うところは、価値理解へとつなげていきたい              ○全体交流で多様な考え方を引き出した後、「あなたなら、どの気持ちが強いですか。」と問いかけ、それを聞いて、自分はどんな考えになっているかを確かにする。(少数の考えをとりあげて「この気持ちについてどう思う?」と問いかける。)○「あ、そうだった、そうだよね。」と言う人がいる、ことも気づかせる。 〇モノトーンについては、教師から説明する。 ○読み取りにならないように、全体交流の発言を板書で整理し、他の発言と比べて最初の自分の考えがどうかわったかを話すようにする。<考え、議論する>
   展開後段 9分 5 自分について振り返る(自己を見つめる)〇 あなたは、漠さんのように、自分らしく生きてきましたか。・ 周りのことを気にしていて、本当の自分をだせないでいた。自分をもっとださないと前にすすめない・ 自分の信じた道があるけれど、友達を意識しすぎて、なかなか自分のしたいことができなかった。もっと、自分を信じていろいろなことに挑戦したい。○話し合いをもとに、自分の意見をまとめ、発表させる。○個人でしっかりと見つめるために、時間を長めに設定する。〇これまでの自分の経験を振り返らせる。○「前はこう思っていたけど・・・。」「○○さんの意見を聞いて・・・。」「私の経験から・・・。」と価値観の変化を添える。
終末 4分〇自分の体験談について、話す。 ○「授業者の幼少から高校生まで、あまり自分らしく生きてこれなかった」ことを話す。○「自分の信じる道に着実に生きて、努力を惜しまないことが大切であること」ことを押さえる。