英語教育2025年7月号を読んで

英語教育2025年7月号 大修館書店 July 2025 Vol.74 No.4

第1特集 プロジェクト、視覚教材、英字新聞で、題材を「自分ごと」にする工夫 第2特集 教員の指導・キャリアを支える 現職教員の大学院での学び 

📘『生成AI活用術研究所 第16回』を読んで:教育の未来を切り拓くツールとしてのChatGPT

大修館書店の月刊誌『英語教育』(2025年4月号)の中から、特に興味深かった記事をご紹介します。

まずは、國學院大学の豊嶋正貴先生による【基礎編】「生成AI活用術研究所 第16回」。この回では、ChatGPTの基本的な機能――ファイルのアップロード、画像生成、Canvasによる文章編成、音声入力、音声モードの利用――についてわかりやすく解説されています。教育現場でのICT活用に悩む先生方にとって、「まずはここから始めてみよう」と思える安心のガイドです。

💬『SLAで答える指導のギモン 第4回』:ペアワークにおける日本語使用はアリか?

続いてご紹介するのは、宮城教育大学の鈴木渉先生による『SLAで答える指導のギモン』第4回。「ペアワークは同じ英語力同士で行った方がいい?」という問いに、第二言語習得(SLA)の視点から丁寧に答えています。

とりわけ印象に残ったのは、「ペアワーク中の日本語使用は必ずしも悪ではない」という点。英語力の低い学習者や年齢の低い学習者が安心して取り組むためには、日本語を部分的に使うことがむしろ効果的であるとのこと。「日本語禁止」ではなく、「どの場面で日本語を使うべきか」を子どもたちと一緒に考える授業設計の大切さに気づかされました。

🔍『英語教育研究のための研究倫理 第4回』:実験における「待機コントロール」という考え方

そして最後に、草薙邦弘先生(県立広島大学)と浦野研先生(北海学園大学)による『英語教育研究のための研究倫理』第4回。教育研究における“統制群”の扱い方について、「介入を行わない群」ではなく「介入の時期をずらす群(=待機コントロール群)」というアプローチを紹介しています。これは被験者への倫理的な配慮と教育的公平性の両立を図るもの。教育と研究の両立を考えるうえで、非常に学びの多い内容でした。

“DIE WITH ZERO〜人生が豊かになりすぎる究極のルール〜”を読んで

「思い出づくりこそ人生」──ある本との出会いがくれた、生き方の再確認

ある一冊の本を読んで、深く考えさせられた。きっかけは些細なものだったが、ページをめくるうちに、自分のこれからの生き方にまで想いが及んでいた。

本の冒頭に、こんな言葉が書かれていた。

「人生で一番大切なのは、思い出づくり。」

その言葉は、読了後もずっと胸に残り続けている。そして何よりも、この言葉が本の締めくくりにももう一度現れることで、読む者の心をゆっくりと、でも確実に打つ。

● 本を読んで、実際にしてみた3つのこと

読後、私はいくつかの行動を起こした。

① 長寿年金について調べる

── すぐにパンフレットを手に入れ、ネットで情報を収集した。

② 「人生時計」のアプリをダウンロード

── 自分が90歳まで生きると仮定し、現在の時刻を換算してみた。

私の「人生時計」はすでに15時50分。残された時間の重みが、数字として迫ってきた。

③ 財産は“今”渡すことにした

── 死後に遺産を渡しても、子どもたちは高齢に近い。

結婚し、孫が生まれた今がちょうど一番お金が必要な時期。だからこそ、元気な今、彼らが最も必要としている今に渡す決意をした。

● 「思い出づくり」は今この瞬間の積み重ね

実は私も、55歳ごろから(四女が琉球大学に入学した年)、仕事と遊びの境界が曖昧になってきた。むしろ、「遊びの合間に仕事をしている」ような感覚さえある。

  • ライブ
  • 相撲観戦
  • プロ野球やラグビー
  • マラソン大会出場
  • 海外旅行(パリ五輪、ハワイ、サイパン、UAE)
  • 沖縄への旅
  • ボランティア活動

これらを連れ合いとともに体験し、「今しかできないこと」に時間とお金を惜しまず投資してきた。散財しているという自覚はある。だから、「少し控えようか」と話し合ったこともあった。

けれど、この本を読んで確信した。

今、体が元気なうちに、今だからこそできることをしておく。

それこそが、これから先、いつか訪れる“振り返りのとき”に、最も自分を支えてくれる財産になるのだと。

● これからを生きる人に伝えたい

人生には、いつか終わりがある。

だからこそ、「お金」も「時間」も、「今」大切な人のために使うことが、最も豊かな生き方なのだと思う。

思い出は、形がなくても、心に残る。

そしてその思い出が、残された日々をあたたかく照らしてくれる。

この本は、私の背中を優しく、でも確かに押してくれた。

“思い出づくり”こそが人生の核心だと、改めて教えてくれた一冊。

心からおすすめしたい。