「ベストキッド:レジェンズ」をみて

2025年8月29日から公開されました『ベスト・キッド:レジェンズ』(原題:Karate Kid: Legends)。について紹介したいと思います。

これまで『ベスト・キッド』(オリジナル版)にはラルフ・マッチオ演じるダニエルと、ノリユキ・パット・モリタ演じるミヤギが主役として登場していました。さらにリメイク版ではジャッキー・チェンが登場。今回の新作では、なんとオリジナルとリメイクの“両レジェンド”が共演するという仕掛けがなされています。

📖 あらすじ(ネタバレ控えめに)

物語の主人公は、北京でカンフーの英才教育を受けていた十代の少年 リー(Li Fong)。 家族の事情で母親と共にニューヨークに転校し、新しい環境で孤立感やいじめに直面します。

彼を救ったのは、2人の師匠。カンフー師範 ミスター・ハン(ジャッキー・チェン) と、空手の指南役 ダニエル・ラルッソ(ラルフ・マッチオ)。 リーは両方から学びながら、地元の空手チャンピオンとの対立に巻き込まれ、最終的にはトーナメントで戦う決意を固めます。

この映画は、シリーズの過去作品(オリジナル版、リメイク版、ドラマ『コブラ会(Cobra Kai)』)の物語を継承しつつ、新たな世代を据えたクロスオーバー作品と位置づけられています。 また、ウィリアム・ザブカ(ジョニー・ローレンス役)もラスト近くに登場するとの話もあり、ファンには嬉しいサプライズ要素も。

🧐 私の感想・気づき

まず、私が強く印象に残ったのは、ノリユキ・パット・モリタ氏の姿。彼はすでに亡くなって10年以上経っているにもかかわらず、スクリーンにとてもきれいな画で登場していました。もしかすると AI技術により復元された映像 かもしれません。懐かしさとともに、映像技術の進歩を感じさせられました。

主人公リーは、中国でずっとカンフーを習っていたという設定。母親の都合でアメリカに来て、空手のチャンピオンにいじめられる日々。そこにダニエルが住んでおり、リーは宮城道空手(ミヤギ道)を教わるようになる。このあたりは、あなたの言っていたストーリーにかなり近いと感じました。

対決シーンは、ニューヨーク中を使ったストリートファイト風の大会。決勝戦でいじめっ子を打ち負かす──という王道展開もありつつ、映像はとても現代的で、CG やアニメーション的演出が随所に見られました。正直、「やりすぎかな?」と思う場面もありました。ただ、ファンとしては往年の要素を思い出せる演出がちりばめられていて、懐かしさに胸が熱くなる瞬間も多々ありました。

さらに、あの ウィリアム・ザブカ の登場。『ベスト・キッド』や『コブラ会』を観てきた人にとっては、本当に胸アツなサプライズだったに違いありません。

特訓のシーンでも、「ワックスオン/ワックスオフ」や、「ジャケットの着脱」「ティーケット取る/外す」みたいな、古典的なモチーフが復活していました。こういう“シリーズのお約束”をほどよく使ってくるあたり、製作者もファンの期待をよく理解しているな、と感じました。

ただ、短期間の上映になったという点は気になります。8月29日から始まり、1か月ほどで上映終了になったという話。 公開期間が短かった理由が気になるところです。

ネットでの評判を調べたところ、評論家評価は「賛否両論」あるようで、期待の大きさからくる厳しさも見られます。特に、ストーリー構成の使い古された感や、演出が過剰という意見も。 私個人としては、ファンだからこそ楽しめた部分が多く、エモーショナルな瞬間や「伝統 × 現代」の融合には拍手を送りたいです。

✏️ なぜこの映画を観てよかったと思うか

  • シリーズへの愛とリスペクトが感じられる構成
  • ノリユキ・パット・モリタ復帰、ラルフ・マッチオ × ジャッキー・チェンの共演という夢の共鳴
  • 昔ながらのモチーフ(ワックスオンなど)と、現代的な映像手法のミックスは賛否あるが、新しい挑戦
  • ファンサービスもありつつ、主役リーの成長物語として観ることができる
  • 公開期間が短かったのが残念だが、観に行けたのは良い思い出

もし続編が出るなら、ぜひ応援したい。次はもっと深いキャラクター描写や、伝統武術と現代格闘技の掛け合いを丁寧に見せてくれたら嬉しいなと思います。

川端のある暮らし

🌿自然と共に生きる―「カバタのある暮らし」から学んだこと

びわ湖のほとり、滋賀県高島市針江地区。

ここには、今もなお水と共に生きる人々の暮らしがあります。

家の中に小さな川が流れ込み、三つの池——元池・壺池・畑池——に分かれて、それぞれが飲み水・生活水・洗い水として使われています。畑池には鯉やマスが泳ぎ、残飯をきれいに食べてくれる。焦げついた鍋も一晩沈めておけば、翌朝にはピカピカになるそうです。

そして、その冷たい水(年間約13度)は、夏にはトマトやスイカを冷やす“自然の冷蔵庫”。冬はほんのり温かく、家の中を心地よく包みます。昔の人々は、水のありがたさを肌で感じながら生きてきたのですね。

📸 写真家が見つけた“当たり前”の美しさ

地元の写真家・今森光彦さんが、この「カバタのある暮らし」に魅せられ、写真集を出版したところ、全国から見学者が押し寄せたそうです。

しかし、あまりの注目に地元の人々は戸惑いました。家の敷地にまで入り込む観光客もいたとか……。

それでも針江の人たちは、「どうせなら私たちの暮らしを正しく伝えよう」と立ち上がります。

住民26人が委員会を立ち上げ、勉強会を重ね、ボランティアガイドとして活動を始めました。仕事や家事の合間を縫って、自分たちの生活文化を伝える——その姿こそ、本当の誇りと愛郷心の表れだと思います。

委員長の言葉が印象的でした。

「水は宝。そして、ここで生きる人も宝です。」

🏫 授業で感じた“共生”の心

私の学校は、外国にルーツをもつ生徒が多い学校です。

「人と共に生きる」ことをテーマにした授業を数多く行ってきましたが、今回は「自然と共に生きる」ことに焦点を当てました。

生徒たちに尋ねました。

「仕事や家事で忙しいのに、なぜボランティアとして活動しようと思ったんだろう?」

返ってきた答えはこうでした。

「自分たちの暮らしをもっと知ってほしいから。誇りを持っているから。」

この言葉に、私は深くうなずきました。

“誇り”は、他者に伝えたいという気持ちから生まれるのだと思います。

さらに生徒たちにこう聞きました。

「あなたは自然と関わる体験をしたことがありますか?」

キャンプ、川遊び、海水浴……。

その中で、「ゴミを出してしまうことがあるから、自然をきれいに保つことが大切」という意見が多く出ました。

最後に問いかけました。

「自然と共生するために一番大切なことは何ですか?」

生徒たちの答えは一致していました。

「リスペクト(敬うこと)です。」

自然を“使う”のではなく、“共に生きる”。

この言葉が、今日の授業のすべてを物語っていました。

✨ まとめ

カバタのある暮らしは、単なる昔ながらの生活ではなく、

“人と自然が支え合う知恵” の象徴です。

生徒たちはその姿に、「自分たちの暮らしを誇りに思う」こと、

「自然に感謝し、守る」という心を学びました。

道徳の授業の中で、私は改めて感じました。

私たち教師もまた、「自然や人をリスペクトする生き方」を、日々の中で生徒に見せていくことが大切なのだと。

生徒たちに実感を持たせるために、実際の映像を交えて(YouTube)授業をしたので(前半2分、後半5分)、ややまとまりに欠けましたが、あまりの川端の暮らしの美しさにうっとりと見惚れ、「あんな暮らしもしてみたい」と言っている生徒がいました。