「樹齢七千年の杉」を指導して

屋久島の「屋久杉」に行ったことがあるので、いつも担当が気を遣って、この教材に充ててくれる.自分の屋久杉を見たことがあるという体験とその時の気持ちを思い切りぶつけながら、「自然への畏怖」や「自然への偉大さ」を感じてくれればと思い、指導している.旅行の経験もあまりないので、「息を呑む景色」に遭遇したこともないらしい.冒頭の「景色や名所旧跡(もう少しわかりやすく説明しているが)うあー、これはすごいな!!」と思ったことはないかという質問にも、あまり反応は返ってこなかった.

「悔いの残らない生き方とは?」の発問では、みんながじっと考えることができて、とても良かった.

第67回高円宮杯英語弁論大会三重県予選を取材されました

2024年9月28日(土)高田短大で行われた第67回高円宮杯全国中学生英語弁論大会三重県予選で、最優秀賞を受賞し、11月27日〜29日に東京で行われる全国大会に出場することにな離ました.弁論部門では新聞の1番下段に掲載されている3年生女子が出場.暗唱部門(東京への出場はなし)では2年生男子が最優秀賞を受賞しました.今年度はセントヨゼフスピーチコンテストも2年生男子(暗唱で受賞した生徒とは別の)が優勝しましたので、2冠となりました.夏休み前から長い長い練習を経て、みんなよくがんばりました.

レジリエンス教育について

中日新聞に取材してもらった.県教育委員会の事業で、「レジリエンス教育」に取り組んでいる.差別やいじめ、ストレスを与える人が悪いのはもちろんだが、それに負けていないで、跳ね返す力を鍛えていこうという取り組み.テニスボールが凹んでもすぐに、元に戻るように、ストレスやいじめに対して、跳ね返す力を持つことが肝要.

ネガティブな言い方をポジティブな言い方に変換する授業.相手を褒めること、など、さまざまな取り組みがあり、昨年度から継続して行っている.基本的には、1年で終了するのだが、2年目のプログラムを開発中で、ぜひ、本校でトライアルとしてやってみて、次年度以降県内の学校に広めていきたいとのことで、2年目も取り組んでいる.

県の教育長、研修担当の次長、教育委員、市の教育長、教育研究支援課長なども視察に来るくらいの、興味深いプログラムである.子どもたちもデータを見ると、明らかに成長しており、しっかりとエビデンスがある.

「大相撲の不思議」を読んで

「大相撲の不思議」内館牧子 (株)潮出版社 2018年9月20日初版

最近、大相撲に興味があるので、とてもおもしろかった。覚えておきたいことをメモする.

一門→「二所ノ関一門」「高砂一門」「出羽海一門」「時津風一門」「伊勢ケ浜一門」

同じ部屋同士が本場所で当たらないだけでなく、同じ一門も当たらない

吊り屋根(屋形)は6.25トン

懸賞金が62,000円の時代(今は70,000円)、5,300円はアナウンス代などの教会手数料、30,000円が本人に手渡され、27,500円は協会が積み立てて、引退時に力士本人に渡す。

2018年現在、月給、横綱282万円、大関234万円、関脇・小結169万円、前頭130万9,000円、十両(十枚目)103万6,000円が支給される。

英語教育2024年7月号を読んで

大修館書店 The English Teachers’ Magazine August 2024 Vol.73 No.7

第1特集 5年目の小学校外国語・外国語活動 見えてきた成果と課題 第2特集 日々の指導を充実させる 現職教員の大学院での学び 第3特集 最新研究に触れる・仲間が広がる 夏の学会・研究会案内

サステナブルな授業磨き 第16回 生徒の学習意欲を高める評価方法は? 姉崎伸樹(都立白鵬高等学校・附属中学校教諭)

ライティングの回答はスキャンしてPDF化してから、タブレットと電子ペンでフィードバックを書き込んで返却しています.同じコメントはスタンプのように繰り返し使用できて、その効率と効果を実感しています.

PDF化するというのはとてもいいアイディアで、電子で添削返却できるのがいい.さらに、生徒はタイピングするのではなく、手書きする練習になる

生成AI活用術研究所 第4回 【中級編】目的・場面・状況を画像で生成しましょう!豊嶋正貴(國學院大学教育開発推進機構講師

Chat GPTの有料版だけで画像を生成してくれるサービス。

児童の「思い」をのせる言語活動を目指して 白石裕彦(世田谷区立上北沢小学校主任教諭)

「言語活動」とは、自分の思いや考えを伝え合う活動であり、そこには、「目的・場面・状況」があり、児童の「思考力・判断力・表現力」が発揮されるような活動.「自分の思いがのること」「言葉の意味のやりとりがあること」「相手意識があること」

英語教育そもそも談話室 第16回 英語の授業内の活動なんて全部「文法指導」なんですよね? 奥住桂(埼玉大学准教授)

思考・判断・表現という観点が登場し、「習得した知識や技能を実際のコミュニケーション場面の中で活用する」という指導と評価が求められるようになった.

月刊英語教育2024年8月号を読んで

大修館書店 The English Teachers’ Magazine August 2024 Vol.73 No.6

第1特集 児童生徒にすすめたい 夏休みの学習法 第2特集 五輪イヤーにチャレンジ! 英語以外の外国語を愉しもう

学習意識を改革するために「書く」ー ノートと共に学び、生きる 加藤聡子(神田外語大学准教授)

「書く」ことで私たちは情報を頭の中で整理し、「自分の言葉で表現」する過程を通じて、深い理解と気づきを得ることができます。現代は、スマホやパソコンでデジタル的な記録の取り方をすることが多くなりましたが、手で書くことは脳の記憶や理解に関与する部位を活性化させ、情報の定着を促進すると言われています。さらに、書いたものを見返すことで促される内省(リフレクション)のプロセスは、学びをより個人的で深いものにし、学習者オートノミー(学習者の自律性)を育てるのです。

リフレクティブ・クエスチョンとは、「自分は何を学んだのだろう?」「もし違うやり方でやったら、どうなっているのだろう?」「自分は何をためらっているのだろう?」「本当にしたいことって、なんだろう?」など、洞察を深め、成長を促すような質問のことです。書いたものを読み返すときに、こう言った質問を学習者自身に投げかけさせることをオススメします。

評価・テストのお助けQ &A 第5回 「学習評価に関する参考資料」から学ぶ②ー「中学校外国語科」 澤井陽介(大妻女子大学教授)

「知識・技能」の評価は「習得したか・身につけているか」を評価するものであるため、実際に授業内で取り上げた言語材料を用いることが求められますが、「思考・判断・表現」の評価については、むしろ授業内で取り上げて生徒が覚えてしまっていると「知識・技能」の評価との判別ができなくなることが懸念されるため、授業内で取り上げなかった言語材料で構わない(むしろそのほうが趣旨にあっている)ということです。

「リスペクト アザース」を指導して

2024年6月下旬に授業をした。どちらのクラスも期せずして「神回」となった。

ここは、「公正・正義」が大きな内容項目である。

【導入】では、「人(仲間)と接するときに、気をつけなければいけないことは」と聞いた。「礼儀正しくすること」「どの人にも公平に当たること」「コミュニケーションができること、言葉のキャッチボールができること」などが出た。

2分ほどで、本文の朗読に移る。いつも通り、しっかり感情を込めて朗読することができた。

【人間理解】の発問は、「僕(主人公)が感じた、残念なところは?」。「日本にはリスペクトアザースがないこと」とすぐに出てきた。その具体例としては、「冗談冗談と言いながら、きついことを言う」「あえてできないフリをする」など。

【価値理解】の発問は、「僕が感じた、素晴らしいこととは?」。「アメリカにはリスペクトアザースがあること」が出た。野球チームでの出来事などが具体例として発表された。アラバマ州から体験入学できている男子がいるので、聞いてみたところ、「リスペクトアザースという言葉は一度も聞いたことがないし、発したこともない」と。やや感動に水を指す結果に。

アメリカでは「リスペクトアザース」ができたのは?→「差別が公然とあったため」。では、表の上では差別のない日本では、「僕は『リスペクトアザースをもっと浸透させるべきである』と言っているが、具体的にはどうすればいいか?」と聞く。【自己理解】へと進めていく。

「ここからは教科書を離れて考えてみましょう!」というと、おもしろい発問もあったせいか、一斉にみんなの顔が上がる。道徳はこの瞬間があり手応えを感じることができるので、その瞬間はこちらもビビッとくる。ずっとこのままこの空間にいたいと感じる。

「一人ではできないから、知っている人を巻き込んでいく。」「まずは友達から」などいろんな意見が出る。

ここで、発言のない生徒を指名して、「どの人の意見に近い?」と聞く【他者理解】と、「⚪︎⚪︎さんの意見に近い。」だけしか言わないと思ったら、その後自分の意見をしっかり言う。やはり言えないのは集団の前だからだけで、それぞれの思いや意見はある。それを引っ張り出してみんなの前に晒すことで、価値観の違いを共有できる。特に消極的な子どもの意見はみんなが考える土台となる。

【自己を見つめる】では、「あなたは何ができる?リスペクトアザースを浸透させるために。人と接するときに気をつけることは何?この時間の最初に考えていたことと、今考えていることを比較しながら、影響を受けた友達の意見も交えながら教えて」と発問した。本来は書かせたかったのだが、時間がなかったので、2〜3人に聞いた。

【終末】では、今この学級、この学年、この学校、6割以上が外国にルーツを持つ生徒であることから、「リアル・リスペクトアザース」であることを告げて、こんな学校他にはない、高校へ入るとバラバラになってしまうけど、今みたいな「リスペクトアザース」のような支え合い仲間を一生続けていこうと話した。

「同姓同名」を読んで

「同姓同名」下村敦史 幻冬舎文庫 令和4年9月10日初版

なんせ、ビブリオバトル全国大会中学生、高校生、大学生大会でチャンプ本になっている。ビブリオバトル全国大会三冠である。グランドチャンプ本である。

昨年度の3月に滋賀で行われたビブリオバトル中学生全国大会に行った時からずっと読みたくて、やっと読了できた。実に3ヶ月以上もかかってしまった。他の本に浮気をしてしまうのと、もったいなくて読み進めることができないから。

大山正紀(おおやままさのり)が幼児を殺害するところから物語が始まる。大山と同姓同名の人物がたくさん登場し、己の人生背景と絡めながら、ストーリーが進んでいく。同姓同名のためにネットや噂で取り上げられて迷惑を被る大山たち。

私はSNSで人とコミュニケーションをあまり取ったりしないので、ネット上で炎上したり、メチャクチャ叩かれたりという経験がない。聞いていて見ていて恐ろしいだろうなと思うが、SNSを一切やめてしまってはどうなのか?と疑問に思うことがある。やはり、ネット中毒の人には難しいことなのかもしれない。

最後の終わり方がおもしろく、唸ってしまった。

自分の名前で検索したことがある。いろんな分野のエキスパートがヒットした。私もブログを書いているので、少しずつ上に上がってきている感じがする。

以下は、幻冬舎文庫のあらすじ。

大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て
練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。
週刊誌が暴露した実名は「大山正紀」ーー。報道後、不幸にも殺人犯と同姓同名となってしまった
“名もなき”大山正紀たちの人生が狂い始める。
これは、一度でも自分の名前を検索したことのある、
名もなき私たちの物語です。

英語教育2024年6月号を読んで

英語教育 The English Teacher’s Magazine June 2024 Vol.73 No.3 大修館書店

第1特集 書き手の思いを伝える これからのライティング指導 第2特集 やる気から行動への架け橋 エンゲージメントを促す英語授業

小学校英語授業のアイデアBOX 第3回「ライティングをコミュニケーションにするために」増渕真紀子(東京都八王子市立浅川小学校英語専科講師)

各活動の必須アイテムとして「ライティング伝票」の使用が勧められている。確かに、いつもいつも同じことを言わなければならないので、この伝票はとても大切だと思う。

https://www.taishukan.co.jp/item/eigokyoiku/materials/06_2024iss_03_2_MAT6902.pdf

生成AI活用術研究所 第3回 「[基本編] プロンプト紹介サイト」を活用しよう 豊嶋正貴(國學院大学兼任講師)

生成AIは重宝させてもらっているが、思うようなものができてこないことがある。全て、「プロンプト」における指示不足である。↓のサイトの紹介があったので、見てみた。確かに参考にはなる。しかし、全ての生成AIを使用する人向けの汎用的なサイトなので、教育分野で働いている人、英語教育に関わる部分では少し物足りない。

https://prompt.quel.jp/

ICT活用の大ワザ・小ワザ ロイロノート編 第27回 ロイロノートのクラス管理ツールを活用しよう 徳千代太一 (ロイロ認定イノベータ)

クラス管理ツールについて いつも右側から出てきて、鬱陶しい画面だなと思っていたが、よく見るととても使い勝手が良く、「そんな機能があったんだな」と感心してしまった。一番上のテレビのマークは「教員端末の画面を一時的に非表示」にできる。2番目の鍵と人のマークは、「生徒間通信ができない状態」にする。3番目の鍵のマークは、「生徒のアプリ画面をロックし、ロイロを一時的に操作できなくする」。4番目の人のマークは、「生徒が任意の「授業」に参加しているか確認」できる。

生徒の「思い」を伸ばすライティング指導と評価の工夫 駒井健吾(長野保健医療大学講師)

ライティングの評価とフィードバックについて 言語の正確さ(accuracy)にばかり目が向くと、萎縮した内容のライティングばかり産出されることになります。ではとにかくたくさん書かせれば良いかというと、産出できた語数だけが流暢さ(fluency)の指標であるとも言えません。内容面の豊かさについては、①豊富な語彙や表現を用いてパラフレーズしている、②伝えようとするメッセージに即して文の構造を決定している、③接続詞や副詞などを効果的に用いて文と文の間の結束が高まっている、などの点も流暢さと複雑さ(complexity)の面でライティングの質を決定する要素になります。観点別評価で言えば、正確さや語数については(知識・技能)の評価にとどめておき、(思考・判断・表現)では内容の豊かさと複雑さを評価することをお勧めします。

「話すこと」から「書くこと」の力を育む技能統合の活動 西村秀之(玉川大学准教授)

スモールトークを進める際に大切なポイントは、まず教師と生徒とのやり取り、Teacher-Student(s) (TS)インタラクションをしっかり行うこと。

無理なく効果的に行えるライティングのフィードバック 松下信之(大阪府教育庁主席指導主事)

一人一人の作品をグループ全員で推敲する(各作品8分程度)。その際、辞書や参考書を活用し、協力して正しい文章にするよう指示する。

評価・テストのお助けQ&A できる評価・続けられる評価のために 第3回 観点「主体的に学習に取り組む態度」の趣旨を正確に捉えよう 澤井陽介(大妻女子大学教授)

「粘り強さ」と「自己調整」。①自分の状況を見つめながら粘り強く課題を追求する姿 ②自らの学習を調整しながら課題の解決に向かおうとする姿

もう挫折しない! ニュース英語の読み方・学び方 第3回 「締まった」文を書くために、覚えておきたい構造 髙橋敏之(ジャパンタイムズ出版編集長)

英文記事を要約する際には、記事内の表現を自分でも実際に使うことになります。すなわち、記事を読むという「インプット」と、そこに出てくる表現を自分でも使うという「アウトプット」を同時にこなすことができるため、効率よく表現を吸収することができるのです。まずは読んだ記事を3文程度で要約することから始めましょう。最初の文で記事の最も大切なことを述べ、それに2文ほど加えて情報をつけた巣イメージで取り組むと良いでしょう。

「大相撲土俵裏」を読んで

「大相撲土俵裏」貴闘力著 彩図社 2024年6月 第1版

相撲に興味を持ち始めて数年になる。格闘技の中でも、歴史と伝統があり、相撲文化を確立しているところが大変面白い。相撲にしかあり得ない様々なことが絡んでいる。相撲は神事であり格闘技でありエンターテイメント的な部分も多分にある。勉強すべきところも大変多く、とにかく奥が深い。

大関まで上り詰めた貴闘力がそんな相撲の世界の裏の部分を暴露する。もっと言いたいことはあるのだろうが、本に載せられるギリギリのところを攻めている。

八百長は本当にあった。しかも多額のお金が動いている。年寄り株もお金で売買されていることもわかった。それはその当時「悪いこと」として認識されておらず、「ごく当たり前のこと」として広がっていたから、良心の呵責も感じなかっただろう。

酔っ払ってコンビニで見つけて衝動買いしてしまったが、かなり面白かった。

以下は、紀伊國屋オンラインショップでの「内容情報」から。

出版社内容情報

2022年から開始したYouTubeチャンネル「貴闘力部屋~相撲再生計画~」が、みなさんのおかげで2022年9月時点でチャンネル登録者数28万人を突破いたしました。

相撲業界の土俵裏には八百長や裏金、裏社会との繋がりなど悪しき風習が山ほど残っています。これまで、私の子どもたちが角界入りしたことにより、事実を言うことができませんでした。

しかし、この本が相撲業界の未来の発展に一役買うことを願って、10年の沈黙を経て全てここに告発いたします。

内容説明

元関脇・貴闘力が相撲界のタブーに切り込む!八百長、賭博、かわいがり、年寄株問題、協会の派閥争い、若貴との関係…相撲界の悪しき風習に対して物申す!

目次

1章 力士の金銭事情と当たり前の八百長
2章 裏社会と大相撲
3章 野球賭博の闇
4章 力士たちの土俵裏
5章 おかしすぎる相撲業界のシステム
6章 名門・二子山部屋の裏話

著者等紹介

貴闘力[タカトウリキ] 
1967年9月28日生まれ。15歳で元大関・貴ノ花の藤島部屋に入門。最高位は関脇。2002年9月場所で現役を引退後は「大嶽」を襲名し、大鵬部屋に移籍する。相撲協会を離れてからは実業家として焼肉店を経営。2020年から開始したYouTubeチャンネル「貴闘力部屋―相撲再生計画」では角界のタブーにも忖度なしに切り込み、大相撲の人気を復活させるべく活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。