英語教育2024年10月号を読んで

英語教育2024年10月号 大修館書店 October 2024 Vol.73 No.9

第1特集 みんなでやれば効率的・効果的 英語科で取り組む授業改善 第2特集 「階層式マッピング」で鍛える「思考・判断・表現」

英語教育そもそも談話室 第1回 本格的に英文を書く前にまずは書くことそのものに慣れる練習を 奥住桂(埼玉大学准教授)

「音読筆写」で「書くこと」に慣れる 「音読筆写」は教科書本文などについて、十分に音読練習をした後に、片面にその英文を印刷した用紙を配布します.生徒はそれを声に出して読みながら、できるだけ早く裏面に書き写す活動です.

授業に活かせる英語講座 Part2 日本語文法講座文法クイズ 高嶋幸太(立教大学日本語教育センター兼任講師)

モダリティは、話し手の気持ちや他者への働きかけなどを表す.

英語教育2024年度9月号を読んで

英語教育 大修館書店 September 2024 Vol.73 No.8

第1特集 生徒の力を伸ばす・やる気を引き出す 英語授業あの手この手 第2特集 実践投稿でシェアする わたしの授業・工夫のしどころPart3

生成系AIで変わるライティング指導 ー ChatGPTを活用した授業実践 古薮麻里子(東洋大学准教授)他

文法・誤字脱字のチェックのプロンプト 「以下の⚪︎⚪︎に関するエッセイを読み、文法的な誤りや誤字脱字がないかを確認してください.間違っている点は箇条書きにし、修正案とともに提示してください.(ここに文章を挿入します)

授業に活かせる英語講座 Part1 文法クイズ 佐藤誠司((有)佐藤教育研究所代表)

My brother studied so hard that he entered X University. → My brother studied very hard and entered X University. 主節のsoの後に望ましくない意味を表す語が用いられ、それに伴いthat節は否定的な内容を表すことが多い.My brothers studied so hard that he got sick.なら自然な文になる.

It is easy for you to solve that problem.の日本語訳は、①君がその問題を解くのは簡単なことだ.②その問題を解くのは君には簡単なことだ.(A)「for Aがto doと結びつく」、(B)「for Aが形容詞と結びつく」easy, difficultなどの何位を表す形容詞は、(B)タイプであり、It is easy for you / to solve that problem.のように読む. 

授業に活かせる英語講座 Part2 日本語文法講座文法クイズ 高嶋幸太(立教大学日本語教育センター兼任講師)

「ジーニアス総合英語 第2版」における命令文の説明(p.41)によると、英語のpleaseは一般的に話し手が利益を受ける場合に使われ、聞き手がその行動で利益を受ける場合はpleaseをつけない.

「樹齢七千年の杉」を指導して

屋久島の「屋久杉」に行ったことがあるので、いつも担当が気を遣って、この教材に充ててくれる.自分の屋久杉を見たことがあるという体験とその時の気持ちを思い切りぶつけながら、「自然への畏怖」や「自然への偉大さ」を感じてくれればと思い、指導している.旅行の経験もあまりないので、「息を呑む景色」に遭遇したこともないらしい.冒頭の「景色や名所旧跡(もう少しわかりやすく説明しているが)うあー、これはすごいな!!」と思ったことはないかという質問にも、あまり反応は返ってこなかった.

「悔いの残らない生き方とは?」の発問では、みんながじっと考えることができて、とても良かった.

第67回高円宮杯英語弁論大会三重県予選を取材されました

2024年9月28日(土)高田短大で行われた第67回高円宮杯全国中学生英語弁論大会三重県予選で、最優秀賞を受賞し、11月27日〜29日に東京で行われる全国大会に出場することにな離ました.弁論部門では新聞の1番下段に掲載されている3年生女子が出場.暗唱部門(東京への出場はなし)では2年生男子が最優秀賞を受賞しました.今年度はセントヨゼフスピーチコンテストも2年生男子(暗唱で受賞した生徒とは別の)が優勝しましたので、2冠となりました.夏休み前から長い長い練習を経て、みんなよくがんばりました.

レジリエンス教育について

中日新聞に取材してもらった.県教育委員会の事業で、「レジリエンス教育」に取り組んでいる.差別やいじめ、ストレスを与える人が悪いのはもちろんだが、それに負けていないで、跳ね返す力を鍛えていこうという取り組み.テニスボールが凹んでもすぐに、元に戻るように、ストレスやいじめに対して、跳ね返す力を持つことが肝要.

ネガティブな言い方をポジティブな言い方に変換する授業.相手を褒めること、など、さまざまな取り組みがあり、昨年度から継続して行っている.基本的には、1年で終了するのだが、2年目のプログラムを開発中で、ぜひ、本校でトライアルとしてやってみて、次年度以降県内の学校に広めていきたいとのことで、2年目も取り組んでいる.

県の教育長、研修担当の次長、教育委員、市の教育長、教育研究支援課長なども視察に来るくらいの、興味深いプログラムである.子どもたちもデータを見ると、明らかに成長しており、しっかりとエビデンスがある.

「大相撲の不思議」を読んで

「大相撲の不思議」内館牧子 (株)潮出版社 2018年9月20日初版

最近、大相撲に興味があるので、とてもおもしろかった。覚えておきたいことをメモする.

一門→「二所ノ関一門」「高砂一門」「出羽海一門」「時津風一門」「伊勢ケ浜一門」

同じ部屋同士が本場所で当たらないだけでなく、同じ一門も当たらない

吊り屋根(屋形)は6.25トン

懸賞金が62,000円の時代(今は70,000円)、5,300円はアナウンス代などの教会手数料、30,000円が本人に手渡され、27,500円は協会が積み立てて、引退時に力士本人に渡す。

2018年現在、月給、横綱282万円、大関234万円、関脇・小結169万円、前頭130万9,000円、十両(十枚目)103万6,000円が支給される。

英語教育2024年7月号を読んで

大修館書店 The English Teachers’ Magazine August 2024 Vol.73 No.7

第1特集 5年目の小学校外国語・外国語活動 見えてきた成果と課題 第2特集 日々の指導を充実させる 現職教員の大学院での学び 第3特集 最新研究に触れる・仲間が広がる 夏の学会・研究会案内

サステナブルな授業磨き 第16回 生徒の学習意欲を高める評価方法は? 姉崎伸樹(都立白鵬高等学校・附属中学校教諭)

ライティングの回答はスキャンしてPDF化してから、タブレットと電子ペンでフィードバックを書き込んで返却しています.同じコメントはスタンプのように繰り返し使用できて、その効率と効果を実感しています.

PDF化するというのはとてもいいアイディアで、電子で添削返却できるのがいい.さらに、生徒はタイピングするのではなく、手書きする練習になる

生成AI活用術研究所 第4回 【中級編】目的・場面・状況を画像で生成しましょう!豊嶋正貴(國學院大学教育開発推進機構講師

Chat GPTの有料版だけで画像を生成してくれるサービス。

児童の「思い」をのせる言語活動を目指して 白石裕彦(世田谷区立上北沢小学校主任教諭)

「言語活動」とは、自分の思いや考えを伝え合う活動であり、そこには、「目的・場面・状況」があり、児童の「思考力・判断力・表現力」が発揮されるような活動.「自分の思いがのること」「言葉の意味のやりとりがあること」「相手意識があること」

英語教育そもそも談話室 第16回 英語の授業内の活動なんて全部「文法指導」なんですよね? 奥住桂(埼玉大学准教授)

思考・判断・表現という観点が登場し、「習得した知識や技能を実際のコミュニケーション場面の中で活用する」という指導と評価が求められるようになった.

月刊英語教育2024年8月号を読んで

大修館書店 The English Teachers’ Magazine August 2024 Vol.73 No.6

第1特集 児童生徒にすすめたい 夏休みの学習法 第2特集 五輪イヤーにチャレンジ! 英語以外の外国語を愉しもう

学習意識を改革するために「書く」ー ノートと共に学び、生きる 加藤聡子(神田外語大学准教授)

「書く」ことで私たちは情報を頭の中で整理し、「自分の言葉で表現」する過程を通じて、深い理解と気づきを得ることができます。現代は、スマホやパソコンでデジタル的な記録の取り方をすることが多くなりましたが、手で書くことは脳の記憶や理解に関与する部位を活性化させ、情報の定着を促進すると言われています。さらに、書いたものを見返すことで促される内省(リフレクション)のプロセスは、学びをより個人的で深いものにし、学習者オートノミー(学習者の自律性)を育てるのです。

リフレクティブ・クエスチョンとは、「自分は何を学んだのだろう?」「もし違うやり方でやったら、どうなっているのだろう?」「自分は何をためらっているのだろう?」「本当にしたいことって、なんだろう?」など、洞察を深め、成長を促すような質問のことです。書いたものを読み返すときに、こう言った質問を学習者自身に投げかけさせることをオススメします。

評価・テストのお助けQ &A 第5回 「学習評価に関する参考資料」から学ぶ②ー「中学校外国語科」 澤井陽介(大妻女子大学教授)

「知識・技能」の評価は「習得したか・身につけているか」を評価するものであるため、実際に授業内で取り上げた言語材料を用いることが求められますが、「思考・判断・表現」の評価については、むしろ授業内で取り上げて生徒が覚えてしまっていると「知識・技能」の評価との判別ができなくなることが懸念されるため、授業内で取り上げなかった言語材料で構わない(むしろそのほうが趣旨にあっている)ということです。

「リスペクト アザース」を指導して

2024年6月下旬に授業をした。どちらのクラスも期せずして「神回」となった。

ここは、「公正・正義」が大きな内容項目である。

【導入】では、「人(仲間)と接するときに、気をつけなければいけないことは」と聞いた。「礼儀正しくすること」「どの人にも公平に当たること」「コミュニケーションができること、言葉のキャッチボールができること」などが出た。

2分ほどで、本文の朗読に移る。いつも通り、しっかり感情を込めて朗読することができた。

【人間理解】の発問は、「僕(主人公)が感じた、残念なところは?」。「日本にはリスペクトアザースがないこと」とすぐに出てきた。その具体例としては、「冗談冗談と言いながら、きついことを言う」「あえてできないフリをする」など。

【価値理解】の発問は、「僕が感じた、素晴らしいこととは?」。「アメリカにはリスペクトアザースがあること」が出た。野球チームでの出来事などが具体例として発表された。アラバマ州から体験入学できている男子がいるので、聞いてみたところ、「リスペクトアザースという言葉は一度も聞いたことがないし、発したこともない」と。やや感動に水を指す結果に。

アメリカでは「リスペクトアザース」ができたのは?→「差別が公然とあったため」。では、表の上では差別のない日本では、「僕は『リスペクトアザースをもっと浸透させるべきである』と言っているが、具体的にはどうすればいいか?」と聞く。【自己理解】へと進めていく。

「ここからは教科書を離れて考えてみましょう!」というと、おもしろい発問もあったせいか、一斉にみんなの顔が上がる。道徳はこの瞬間があり手応えを感じることができるので、その瞬間はこちらもビビッとくる。ずっとこのままこの空間にいたいと感じる。

「一人ではできないから、知っている人を巻き込んでいく。」「まずは友達から」などいろんな意見が出る。

ここで、発言のない生徒を指名して、「どの人の意見に近い?」と聞く【他者理解】と、「⚪︎⚪︎さんの意見に近い。」だけしか言わないと思ったら、その後自分の意見をしっかり言う。やはり言えないのは集団の前だからだけで、それぞれの思いや意見はある。それを引っ張り出してみんなの前に晒すことで、価値観の違いを共有できる。特に消極的な子どもの意見はみんなが考える土台となる。

【自己を見つめる】では、「あなたは何ができる?リスペクトアザースを浸透させるために。人と接するときに気をつけることは何?この時間の最初に考えていたことと、今考えていることを比較しながら、影響を受けた友達の意見も交えながら教えて」と発問した。本来は書かせたかったのだが、時間がなかったので、2〜3人に聞いた。

【終末】では、今この学級、この学年、この学校、6割以上が外国にルーツを持つ生徒であることから、「リアル・リスペクトアザース」であることを告げて、こんな学校他にはない、高校へ入るとバラバラになってしまうけど、今みたいな「リスペクトアザース」のような支え合い仲間を一生続けていこうと話した。

「同姓同名」を読んで

「同姓同名」下村敦史 幻冬舎文庫 令和4年9月10日初版

なんせ、ビブリオバトル全国大会中学生、高校生、大学生大会でチャンプ本になっている。ビブリオバトル全国大会三冠である。グランドチャンプ本である。

昨年度の3月に滋賀で行われたビブリオバトル中学生全国大会に行った時からずっと読みたくて、やっと読了できた。実に3ヶ月以上もかかってしまった。他の本に浮気をしてしまうのと、もったいなくて読み進めることができないから。

大山正紀(おおやままさのり)が幼児を殺害するところから物語が始まる。大山と同姓同名の人物がたくさん登場し、己の人生背景と絡めながら、ストーリーが進んでいく。同姓同名のためにネットや噂で取り上げられて迷惑を被る大山たち。

私はSNSで人とコミュニケーションをあまり取ったりしないので、ネット上で炎上したり、メチャクチャ叩かれたりという経験がない。聞いていて見ていて恐ろしいだろうなと思うが、SNSを一切やめてしまってはどうなのか?と疑問に思うことがある。やはり、ネット中毒の人には難しいことなのかもしれない。

最後の終わり方がおもしろく、唸ってしまった。

自分の名前で検索したことがある。いろんな分野のエキスパートがヒットした。私もブログを書いているので、少しずつ上に上がってきている感じがする。

以下は、幻冬舎文庫のあらすじ。

大山正紀はプロサッカー選手を目指す高校生。いつかスタジアムに自分の名が轟くのを夢見て
練習に励んでいた。そんな中、日本中が悲しみと怒りに駆られた女児惨殺事件の犯人が捕まった。
週刊誌が暴露した実名は「大山正紀」ーー。報道後、不幸にも殺人犯と同姓同名となってしまった
“名もなき”大山正紀たちの人生が狂い始める。
これは、一度でも自分の名前を検索したことのある、
名もなき私たちの物語です。