英語教育2月号を読んで

「英語教育2月号」(大修館書店)2021 Vol.69 No.12. 第1特集「評価のお悩みに答える評価のお悩みに答えるQ&A」第2特集「オンライン授業の評価をどうする?」第3特集「新しい中学校検定教科書試し読み」

新しい評価について

最低限知っておくべきことは(根岸先生(東京外語大))

「技能」について、学習指導要領には、「指導する単元で扱う言語材料が提示された状況で、(中略)、評価するのではなく、使用する言語材料の提示がない状況においても、(中略)、評価する。」

「主体的…」には、コミュニケーションを図ろうとしているかがポイントなので、実際にできるかどうかではありません。態度の見取りですから、発表技能はまだいいとしても、受容技能では容易ではありません。

評価の3観点の基本のき(泉恵美子先生(関西学院大))

「思考・判断・表現」は、コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じて、知識及び技能を活用して、スピーチや発表、エッセイなどのパフォーマンステストやポートフォリオ、プロジェクトや話し合いなど多様な活動を入れます。

「主体的…」は、粘り強い取り組みの中で、自らの学習を調整しようとしているかどうかを評価します。

「内容のまとまり」については、評価規準は内容のまとまりごとに設定することになっている。その内容のまとまりとは、5領域のことを指します。そこで、領域ごと観点別に評価規準を作成し、指導と評価を行う。

「記録に残す評価と残さない評価の違い」については、単元末などで到達目標が達成できたかを測る際には「記録に残す評価」を行います。教師の指導改善や児童生徒の学習改善に役立てる形成的評価(学習のための評価)を行います。

「言文の知識・理解」と「知識・技能」の違い 太田洋先生(東京家政大学)

「知識・技能」を育てるための活動は、例えば各Unitでの新出言語材料をとして持ち、それを場面・状況に応じて正しく使うことができるようにする活動です。「思判表」を育てるための活動は、コミュニケーションを行う目的・場面・状況などに応じて、「何を表現するか」(内容)と「どのように表現するか」(言葉)を生徒自身が決めて表現する活動です。「コミュニケーションを行う目的・場面・状況などに応じて」ですので、単に新出言語材料が使われているかどうかでなく、「コミュニケーションを行う目的・場面・状況などに応じて」適切に英語を使っているかどうかがポイントになります。例えば、「新しく来たALTに快適に生活してもらうように、自分たちの街を紹介しよう」という目的・場面・状況。「新しく来たALTに快適に生活してもらう」という目的のために、「街のどこを紹介するか」(内容)、そのために「どのような英語を使うか」(言葉)を生徒自分で(教師が与えるのでなく) 決めてALTに紹介することになります。

「知識・技能」を評価するためには、There is a good Italian restaurant in my city.という文を使って、その後に、You can enjoy Italian food there.などの文を足すことで、人におすすめの店を紹介する場面で使えることを示します。生徒に、「ああ、こういう時に使うんだ」ということが伝わりやすい例文を選び、場面を設定して文脈の中で導入し、その後似た場面や別の場面でその新出文法事項を練習します。このようにどのような時に使うかを示す導入や練習をすることで、知識だけで終わらず、技能につながって行きやすくなるでしょう。

小学校では「思考力・判断力・表現力等」をどう評価するか 幡井理恵 昭和小講師

「思考力・判断力・表現力等」は、「知識・技能」をどう使うか。また、そこに必ず言葉を使う目的・場面・状況があり、それらに応じて適切に既習の語彙や表現を使っているかに当たる。

「主体的に学習に取り組む態度」の評価は? 大田亜紀 別府短大准教授

「主体的に・・・」は、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら、学ぼうとしているかどうか。

①知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組を行おうとする側面 ②①の粘り強い取組を行う中で、自らの学習を調整しようとする側面

「主体的に・・・」は、外国語の背景にある文化に対する理解を深め、他者に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとしている状況を評価する。

誌上発音練習ワークショップ第11回

なぜhave toを[haev tu]と発音しないのか。同化現象のひとつで、toの無声閉鎖音/t/が直前の/v/に影響を与えて/v/を無声化した結果。Of course. ([v]→[f])

「性の多様性から『じぶん』について考える〜 誰もが排除されない社会を目指して 子どもたちとの出会いから見えてきたこと 〜

2021年2月6日(土)10:00 津人教橋内地区教職員研修会(ZOOM研修)津市立東橋内中学校 講師:田中一歩さん、近藤孝子さん

2年前にも本校に来て話をしてもらったことがある。そのために、同僚と大阪の布施で一歩さんと孝子さんがやっているイベントに出向き、忙しい合間を縫って打ち合わせをさせてもらったことがある。

「こんなこと言ったらあかんのやで」や「こんなことしとるで、あかんのや」とか。そんなことは一切仰らない。ご自分たちの考えや意見は押し付けない。ただ、ご自分たちの経験から話を一般化して話してください。うんうんと頷くことばかりだ。

今回は、ZOOMで研修することになり、一歩さんと孝子さんは大阪から。私たちは各職場と各家庭から(勤務日ではなかったために)参加することになった。本校では3年B組の教室に10人の先生が集まった研修を深めた。

印象に残ったのは、「セクシュアリティ(性のあり方)の4つの要素」について。LGBTからLGBTQ(Qはqueerで「自分の性がよくわからない」という意味)、最近、SOGIという言葉を知ったばかりなのに、この日はSOGIESC(ソジエスク)という言葉を初めて知った。Sex、Gender Identity、Gender Expression、Sexual Orientation、Sex Characteristicsの頭文字を取っている。

1番気になっているのは、

「性の多様性を受け入れられない」人がいること。その結果、「自分の性を否定」、「他人の性を否定」してしまうこと。

私たちは、「勝手にカテゴリーに当てはめてはいけない」。

「当たり前って何?」『普通って何?」

「普通そんなことせんやろ!!」とか「そんなん、当たり前やんか!!」とよく使うけど、普通や当たり前の意味はよくわかっていない自分がいる。

もっともっと、広く見ないと。もっと寛容な心を持たないと。

英語の授業ではありませんが、道徳の柴田先生の本で、授業を完コピ

2021年2月15日(月)第6校時 3年A組 主題「1冊の本と1本のペンが世界を変える」私たちの道徳〜あすを生きる〜(日本文教出版)

https://youtu.be/6aWBZUgy49s

休みの日、部活の終わりに、後輩で懇意にしてもらっている先生がいたので、先日このブログでも取り上げさせていただいた、柴田先生の本を熟読したので、完コピしてやるから、授業を見に来てと伝えた。もちろん喜んでくれた。

しかし、その会話を管理職も聞いており、「ぜひ私も見させて欲しい」と。そこからが怒涛ように話が先に進み、「ビデオを撮らせてほしい」「校内研修に位置付けて全員に公開してほしい」「教委に連絡するので指導案を作成してほしい」「柴田先生にも見せるので、ZOOMで同時配信する」、最終的には、「森がかなり張り切っているので皆さんみに来てあげてください」という私のわがままがみんなを巻き込むような形に仕立てあげられてしまった。

まあきっかけは何にしろ、自分の力になることなら頑張るし、私が頑張ることでそれが少しでも職員のプラスになるのであれば、やる価値はあった。

導入では、ウォームアップなしに、課題を設定し投げかけた。「正しいと思うことを正しいと人前で言うときの気持ちは?」柴田先生は内容項目と絡むこの課題設定を授業の冒頭で行うことはとても大切だと言う。今回私の設定した課題は、内容項目と絡んでいないので、柴田先生からは、「これまで一度でも国際社会に貢献しようと思った事はある?」という課題設定の方が良かったのではないかという指導を受けた。

さらに導入では、マララユスフザイの国連スピーチをYoutubeで視聴した。英語の授業でも習った所なので、生徒たちは真剣に見ていた。

展開では、補助発問をせず、いきなり主発問を行なった。前回のB組の授業では時間切れになってしまったので、主発問をすぐに持ってくることにした。「マララが国連のスピーチで訴えたかったことは何か?」少し考える時間を与えた後、全員起立させ、思いを発表させた。同じ思いの場合は着席して良い。ア、イ、ウ、エ、オの部屋を作り、板書した。「女性にも平等に教育を」、「すべての子どもに教育を」、「権利を大切に」、「みんなで声をあげよう」、「自由がほしい」など。その後、部屋ごとに起立させ理由・根拠を述べさせた。自分の経験や気持ちと絡めながら発表することができた。

ここで、柴田先生のやり方でやると、不思議と、子どもたちはよそ見をしたり要らん話をしたりしない。自分と違う意見の部屋の人たちが話をしている時も真剣に聞いている。起立させて、意見を述べさせると、また、名前のカードを黒板に貼ると、しっかり自分も参加しているという気にさせられるのだろうか。

最後に、「友達の意見を聞いて、はっ、ドキ、ガッテンと思ったことを話しましょう」と他者理解の上に、自分の成長を見とる場面にやってきた。「私は、◯◯さんの意見を聞いて、なるほどと思いました。」という形で、話をすることができた。

柴田先生からは、赤のチョークで四角に囲って、そこに、成長点を簡潔に書いてあげることが大切と教えてもらった。私はこの後で、授業冒頭に設定した課題に戻ったのだが、それは必要なく、黒板の赤の死角の中を見ると自分の成長を見とることができ、それが自己評価の見える化になるということだった。

このやり方は、魔法のようだった。子どもたちは食い尽くし、先生は授業の展開の仕方がとてもやりやすい。教材研究もしやすい。私はこれで3人の道徳の先生のやり方で授業をしたので、テーマや教材を見ながら、やり方を変えていこうと思う。

ノーマルな河合先生のやり方、部屋を作る柴田先生のやり方、価値観の変わった部分に線を引かせて前後で考えさせる渡辺先生のやり方、モラルジレンマ

もっと道徳の授業をやらせてほしい。

新しい道徳の視点を持てました

「みんなで創ろう! 主体的対話的で深い学びのある道徳科の授業」愛知淑徳大学非常勤講師 柴田八重子先生 小学館

 すべての子どもに価値観のランクアップ

①率直な自分を知る ②みんなの力を借りて自分を磨く ③自分の変化成長ぶりをあらためて実感し、報告・感謝する 

自己及び多様な他(異質)者と語り合い、「異」を生かし、新たな価値観などを共に創り、その過程で良好で創造的な対話空間づくりに尽力する。

 中心発問の重層化

中心発問の意見を、一度対象化し、友達の意見と比べ、自分は、ア、イ,ウ…どの意見の部屋なのか自覚すること。

意見を全て分類する。部屋名をつける。「なぜその部屋にいるのか」理由根拠を言う。少数意見・少数部屋から始める。議論しているうちに、教材内の言葉から自分の言葉に変わる。 

自分が発言できる状態になったら起立→全員立ったら自分の意見を言う→自分の意見と一緒なら座る

中心発問の重層化は、“自己内対話”、“他者との対話“で縦(深く)と横(多面的・多角的に広げ)で行う。:“深く掘ること“、自分が自分に、自分を問う。①率直な発言・意見 ②‘教材の理由・根拠→自分の理由・根拠 “自他の成長実感“ :“多面的・多角的に広げること““自分が自分に、自分を問うつもりで、他者に問い学ぶ=異質感から学ぶ

対話とは、「目的を持った話し合い」、対象は自分自身(自分が自分に自分を聞く)と他の人(新しい考えをいただく、自分の考えをみんなに伝え、みんなの意見をいただく)

対話で大切にすること

A ねらいの人間化→人間の弱さを話題にする B 不確実性の重視→変化・成長するときの混乱の尊重 C 自分の見方・考え方の再組織化→難問、異見、少数意見、批判的思考の尊重

授業の進め方の留意点

①範読するとき、「なぜ・・・なぜでしょうねえ」と一言入れると良い ②わからない言葉や文は、カードにして解説しながら読み進める ③後で、成長した自分を振り返れるように、発言した人の名前カードを黒板に貼る ④取り組む教材の内容項目について、学習指導要領の解説でしっかり読み込み、教材との関わりについてしっかり認識する ⑤導入では、教材を読む前に、課題提示をしておく (例)「やさしくされると?(気持ちいい)では、やさしくするとどんな気持ち?」など ⑥中心発問で意見が出やすいように補助発問をしておく ⑦中心発問しっかり練ること ⑧全員が意見→理由・根拠を言う(質問・意見を言う)少数意見から→級友の意見から“いただき”を感じたこと、自分の考え等が“ハッ“、“ギクっ“気づいた、気になり出した、参考になった…等があったら出し合おう。“変化を感じた“ことも。

今日の授業から(2021/2/4)

2021年2月4日(木)の3Aの授業より

2月8日(月)と15日(月)に、3年生最後の道徳をさせていただくことになった。3年間道徳に力を入れてやっていこうと、1年生の4月に学年の先生に伝えてから、本当にみんなで力を合わせてやってきたので、最後ということにあたり、いつもより少しだけ気合を入れなければとおもっっていた。私に割り当てられた題材は、「一本のペンと一冊の本」というマララユスフザイの話である。先日、教材研究に力を入れていたところ、英語の教科書の”Further Reading 2”にマララの話があることを思い出して、2クラスともこの部分の読解の授業をしてみた。

Oral Introduction でストーリー全体を英語で押さえ、ペアで概要を英語で語らせた。それを2回繰り返して、ここで開本。6分間で本文の読み込み。再びペアで概要を英語で語らせた。ペアを替えて2回させた。その後、段落毎にメインセンテンスに架線を引かせることによって、意味の中心を捉えさせた。ここまでで、1時間であるが、この次の時間は、1分で段落を深く読み込み、わからない部分をペアで交流。最後に、Story Retellingと自分の感想や意見を”I think she is 〜 because…”で語らせるつもりである。

概要をペアで話させるときに、何も手がかりがないとできないので、Keywordsと絵を入れてみた。すると、それをヒントに辿々しく単語しか言えてない生徒もいたが、2回目のペアワークでは結構話せる生徒が多くなった。

今日の授業から

2021年2月2日(月)2限3A

この日は、Unit6-4の3回目で、Story Retellingをした。Aung San Suu KyiのPersonal Lifeについてである。

1999年と2010年に起こったことについて話ができればいい。

1999年はイギリスでガンと闘病している夫に会うことを諦めて、国で民主化運動を続けようと決意する場面である。leave ~behindという熟語が出てくるが、当然発信言語として使用する事は無理なので、not give up democracy movement とcan not say good-bye to the peopleという言葉で表現させようとデモを見せた。2010年は自宅軟禁は解かれたが、民主化への道をこれからも求め続けるという場面を表現させたかった。hopeless, homelessのいない世界(a world)へという部分の表現が難しい。

ちょうど、いい感じでストーリーが終結しようとしていたのに、「ミャンマーで軍事政権が政治を掌握、アウンサンスーチーさんら拘束」のニュースが流れ、Story Retellingの終わった後に、そのことについて、英語で話すことにすると、いつもより食いつきが良かったのは、今回のUnit6で彼女のことについてたくさん学んだからかもしれない。