新しい道徳の視点を持てました

「みんなで創ろう! 主体的対話的で深い学びのある道徳科の授業」愛知淑徳大学非常勤講師 柴田八重子先生 小学館

 すべての子どもに価値観のランクアップ

①率直な自分を知る ②みんなの力を借りて自分を磨く ③自分の変化成長ぶりをあらためて実感し、報告・感謝する 

自己及び多様な他(異質)者と語り合い、「異」を生かし、新たな価値観などを共に創り、その過程で良好で創造的な対話空間づくりに尽力する。

 中心発問の重層化

中心発問の意見を、一度対象化し、友達の意見と比べ、自分は、ア、イ,ウ…どの意見の部屋なのか自覚すること。

意見を全て分類する。部屋名をつける。「なぜその部屋にいるのか」理由根拠を言う。少数意見・少数部屋から始める。議論しているうちに、教材内の言葉から自分の言葉に変わる。 

自分が発言できる状態になったら起立→全員立ったら自分の意見を言う→自分の意見と一緒なら座る

中心発問の重層化は、“自己内対話”、“他者との対話“で縦(深く)と横(多面的・多角的に広げ)で行う。:“深く掘ること“、自分が自分に、自分を問う。①率直な発言・意見 ②‘教材の理由・根拠→自分の理由・根拠 “自他の成長実感“ :“多面的・多角的に広げること““自分が自分に、自分を問うつもりで、他者に問い学ぶ=異質感から学ぶ

対話とは、「目的を持った話し合い」、対象は自分自身(自分が自分に自分を聞く)と他の人(新しい考えをいただく、自分の考えをみんなに伝え、みんなの意見をいただく)

対話で大切にすること

A ねらいの人間化→人間の弱さを話題にする B 不確実性の重視→変化・成長するときの混乱の尊重 C 自分の見方・考え方の再組織化→難問、異見、少数意見、批判的思考の尊重

授業の進め方の留意点

①範読するとき、「なぜ・・・なぜでしょうねえ」と一言入れると良い ②わからない言葉や文は、カードにして解説しながら読み進める ③後で、成長した自分を振り返れるように、発言した人の名前カードを黒板に貼る ④取り組む教材の内容項目について、学習指導要領の解説でしっかり読み込み、教材との関わりについてしっかり認識する ⑤導入では、教材を読む前に、課題提示をしておく (例)「やさしくされると?(気持ちいい)では、やさしくするとどんな気持ち?」など ⑥中心発問で意見が出やすいように補助発問をしておく ⑦中心発問しっかり練ること ⑧全員が意見→理由・根拠を言う(質問・意見を言う)少数意見から→級友の意見から“いただき”を感じたこと、自分の考え等が“ハッ“、“ギクっ“気づいた、気になり出した、参考になった…等があったら出し合おう。“変化を感じた“ことも。

今日の授業から(2021/2/4)

2021年2月4日(木)の3Aの授業より

2月8日(月)と15日(月)に、3年生最後の道徳をさせていただくことになった。3年間道徳に力を入れてやっていこうと、1年生の4月に学年の先生に伝えてから、本当にみんなで力を合わせてやってきたので、最後ということにあたり、いつもより少しだけ気合を入れなければとおもっっていた。私に割り当てられた題材は、「一本のペンと一冊の本」というマララユスフザイの話である。先日、教材研究に力を入れていたところ、英語の教科書の”Further Reading 2”にマララの話があることを思い出して、2クラスともこの部分の読解の授業をしてみた。

Oral Introduction でストーリー全体を英語で押さえ、ペアで概要を英語で語らせた。それを2回繰り返して、ここで開本。6分間で本文の読み込み。再びペアで概要を英語で語らせた。ペアを替えて2回させた。その後、段落毎にメインセンテンスに架線を引かせることによって、意味の中心を捉えさせた。ここまでで、1時間であるが、この次の時間は、1分で段落を深く読み込み、わからない部分をペアで交流。最後に、Story Retellingと自分の感想や意見を”I think she is 〜 because…”で語らせるつもりである。

概要をペアで話させるときに、何も手がかりがないとできないので、Keywordsと絵を入れてみた。すると、それをヒントに辿々しく単語しか言えてない生徒もいたが、2回目のペアワークでは結構話せる生徒が多くなった。

今日の授業から

2021年2月2日(月)2限3A

この日は、Unit6-4の3回目で、Story Retellingをした。Aung San Suu KyiのPersonal Lifeについてである。

1999年と2010年に起こったことについて話ができればいい。

1999年はイギリスでガンと闘病している夫に会うことを諦めて、国で民主化運動を続けようと決意する場面である。leave ~behindという熟語が出てくるが、当然発信言語として使用する事は無理なので、not give up democracy movement とcan not say good-bye to the peopleという言葉で表現させようとデモを見せた。2010年は自宅軟禁は解かれたが、民主化への道をこれからも求め続けるという場面を表現させたかった。hopeless, homelessのいない世界(a world)へという部分の表現が難しい。

ちょうど、いい感じでストーリーが終結しようとしていたのに、「ミャンマーで軍事政権が政治を掌握、アウンサンスーチーさんら拘束」のニュースが流れ、Story Retellingの終わった後に、そのことについて、英語で話すことにすると、いつもより食いつきが良かったのは、今回のUnit6で彼女のことについてたくさん学んだからかもしれない。