「嫌われる勇気」を読んで、自己貢献感が大切であることがわかりました

「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(ダイヤモンド社)岸見一郎、古賀史健 著

気づいたらアドラー心理学の本をたくさん読んでいる。引かれる部分が多いように思う。

「原因論」と「目的論」がある。アドラー心理学では、「目的論」の立場を取っている。原因論は、「私は貧乏だから不幸である」と考える。目的論は、「私は不幸になりたかったので、(その理由として)貧乏であることを持ち出してきた」。

「いまの自分」を受け入れて、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持つこと。それを、「勇気づけ」と呼んでいる。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」もしこの世から対人関係がなくなってしまえば、他者がいなくなって仕舞えば、あらゆる悩みも消え去ってしまう。

劣等感と劣等感コンプレックスを使い分ける必要がある。劣等感は悪いものではなく、そのことがあるからもっと努力しようと動機付けになるものである。「私は学歴が低いから人一倍努力しないと」。しかし、劣等感コンプレックスは、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを指す。「私は器量が悪いから、結局できない」。

自慢は劣等感の裏返し。劣等感そのものを先鋭化させることによって、特異な優越感に至るパターン、「不幸自慢」。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。

対人関係を競争で考え、他者の幸福を「わたしの負け」であるかのように捉えているから、祝福できない。「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方は全く違ったものになる。

人生のタスク 行動面の目標 ①自立すること ②社会と調和して暮らせること 心理面の目標 ①わたしには能力がある、という意識 ②人々はわたしの仲間であると、という意識 これらの目標は「人生のタスク」と向き合うことで達成できる

「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを切り離していく必要がある。他者の課題に踏み込まない。あらゆる人間関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことー或いは自分の課題に土足で踏み込まれることーによって引き起こされる。いくら言っても勉強しない子どもに無理やり勉強させようとする親の立場もその一つ。勉強するしないは他者(子ども)の課題。そこに無理やり入り込もうとするのは他者の課題に踏み込んでいる。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。つまり自由にはなれない。

他者からどう見られているかばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルである。

「人生のタスク」に立ち向かうこと。「わたしはこの人に何を与えられるか?」それが共同体へのコミットである。何かを与えてこそ、自らの居場所を得ることができる。所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくものである。

介入と援助の違いがある。「介入」とは自分の課題でないのに土足で踏み込んで「やりなさい」と命令すること(子どもの課題なのに勉強しろと命令すること)、に対して、「援助」は課題の分業がしっかりなされている上で、自分の課題と違うとわかりながらも他人の課題に対して何かできることはないか探すこと。「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」

課題に立ち向かうのは本人で、その決心をするのも本人。こうした横の関係に基づく援助のことを、「勇気づけ」と呼んでいる。

人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思た時にこそ、自らの価値を実感できる。つまり他者に働きかけ、「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。他者から「良い」と評価されるのではなく、自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること。

自己肯定と自己受容の違い。「自己肯定」は、できないのに「自分はできる」と自分を思い込ませること。「自己受容」は、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えること。交換不能なものを受け入れること。ありのままの「このわたし」を受け入れること。そして、変えられるものについては、変えていく「勇気」を持つこと。

「信じる」という言葉を、信用と信頼とに区別して考える。「信用」とは条件付きの話。対人関係の基礎は「信用」ではなく「信頼」である。他者を信じるにあたって、一切の条件をつけないこと。自分が裏切った側の立場になって考えてみると、あなたから裏切られてもなお、無条件に信じ続けてくれる人がいる。どんな仕打ちを受けても、信頼してくれる人がいる。そんな人に対して、あなたは何度も背信行為を働くことができるか。

「幸福とは、貢献感である。」

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