英語教育1月号を読んで

第1特集「指導・学校・研究・・・もっとあれこれ 英語教育の当たり前を疑う」 第2特集「いまさら聞けない 高校新課程どこがどう変わる?」

教科書の音読って必要? 小菅敦子(元東京学芸大学附属世田谷中学校・武蔵野大学他)

新学習指導要領に変わってから指導内容が多くなり、ペースがつかめないこともあって、音読がやや疎かになっている。ここにきて、少しやり方を考えなければならないと考えていた。Chorus Readingについて、「教師は生徒が本当に教科書の文字を見ながら読んでいるか観察し、生徒の発する英語の音に耳を傾ける。」大きく、みんな揃っている方が美しく見えるし整って聞こえるが、果たしてみんなしっかり言えているかどうかは疑問だ。文字を見ながら口を開いて言えているかどうかが問題。Buzz Readingについて、「少なくとも2回読ませることを推奨したい。」slower learnerが1回読めるような配慮もある。 Individual Readingについて、「仕上げとして、生徒一人ひとりに読ませて、クラス全体に聞いてもらう機会を作りたい。」私の授業で言えば、exciting timeで、名前の書いているカードを引いて、その生徒たちに読ませると良いかもしれない。

ドリルや練習って必要?ーリスニング力向上の視点から 藤田義人(昭和学院秀英中学校高等学校教諭)

脳内にある音声と実際に話される音声がずれていることから、聞き取れないことがある。それに対処するために、「脳内にある自分の音声仮説と本物の音声とのずれを認識させる。その後、スクリプトと及び音声を確認した上で、生徒の音声仮説を修正させることになる。」また、「実際、授業の最後には完璧に聞けたと思っていた素材でも、少し時間が経つとすぐに聞き取れなくなるものである。それは生徒の脳内にある音声モデルがまだ不安定なためだ。その意味でも、家庭学習でもしっかり練習することで揺るぎのないリスニング力をつけるよう伝えている。」と、家庭学習でのリスニング学習を繰り返し行い、ルーティーン化すること促している。

困りのある生徒への必要な支援 UDの視点を持って教材を作成する 佐藤良子(麗澤大学講師)

テストの解答欄について、丸括弧(  )では、学習者に余計な負担をかけてしまうことが提案されている。言われてみれば納得。「罫線や枠で設けられた記入欄とは異なり、答えを水平に書くことが難しく感じる生徒もいるからです。」

マーケティングには「キャズム理論」というものがあり、集団全体の16%の人々が使用するようになると、その商品は一気に市場を席捲する。(佐藤明彦 教育ジャーナリスト)

めあての設定をしっかりすること。そのめあてにどれだけ迫れているか「中間指導」をすること、そして、その時間の「到達目標が達成されているか」振り返りカード等でチェックすること(太田洋 東京家政大学教授)

高等学校新学習指導要領の実施に向けてー指導と評価の一体化の実現 富高雅代(文部科学省教科調査官)

「指導と評価の一体化」の具体 ⑥主体的に学習に取り組む態度の評価について 目的や場面、状況などに応じた言語活動を行うためには、「外国語の背景にある文化に対する理解」、「聞き手、読み手、話し手、書き手に配慮」を伴う必要がることに鑑み、生徒が目的や場面に応じたコミュニケーションを図ろうとしている場面で、主体的に学習に取り組む態度を看取る必要がある。言語活動の場面で、思判表と主体的は一体的に行うことができる。両評価は一致することが多い。

高校の新しい学習評価に向けてーまずは評価基準を作成しよう (本田敏幸 千代田区立九段中等教育学校講師)

思判表の評価規準の例 コミュニケーションを行う目的や場面、状況などを記述し、特定の言語材料は考えない、また、文尾を「〜している」とする。主体的の評価規準の例、原則として、「思判表」の評価基準の文尾を「〜しようとしている」に替える。

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第10回 第3章「編集力を鍛える」②「レアリア(実物教材)が「やりたい!」を引き出す」(中嶋洋一 関西外国語大学教授ほか)

“Realia-レアリア(実物教材)“の力である。さらに「即興の活動」「自分なりの考え」「自己責任」「制限時間」などの要素が加わるので、時間を忘れて取り組むようになる。学習の目的は、知識の獲得でも、試験に合格するためでもない。「概念形成」のためである。学習をとおして、自分の「概念」をさらに深く豊かにするためだ。人は生涯をかけて「学習」し続ける存在なのである。

英語の文字の指導法 第10回 指導の実際⑥ 手島良(武蔵高等学校中学校教諭)

「2線指導」の意義 自分が書こうとしている文字が、1 この2線間に収まるか、2 上に少しはみ出るか、3 下に少しはみ出るか、4 それ以外か、

「総選挙」は、general election、「解散総選挙」は、snap election

ブリティッシュ・カウンシルpresents English Richな授業のための指導技術ブラッシュアップ講座 第3回 「音読指導のブラッシュアップ」(ロス・マルコム、河合千尋 ブリティッシュ・カウンシル)

音読により2つの力を育てることができます。1つはデコーディング(文字の音声化)で、単語の綴りと音を正確に一致させることができる力です。もう1つはプロソディ(韻律)。これは適切な間、強勢、抑揚で音読できる力で、この力があると読み手がどの程度内容を理解しているかが聞き手に伝わります。

英作文の知識としては、仮定法の帰結節に現れる法助動詞として全人称に対して使えるwould, could, mightのみを教えれば良い。ただし、受容の知識として、主語が1人称のI/weの場合、帰結節にshouldが現れることがあり、その場合、wouldと同様の意で義務の意味はないことを英語教員や学習の進んだ生徒は理解しておくべきである。(野村忠央 立教大学准教授)


「社会に生きる個性ー自己と他者・拡張的パーソナリティ・エージェンシー」を読んで

学びと成長の講話シリーズ3 社会に生きる個性ー自己と他者・拡張的パーソナリティ・エージェンシー 溝上慎一(桐蔭横浜大学学長・教授)東信堂

 この本も「先生たちのリフレクション」と同様、1月8日の勤務校の道徳教育実践のプレゼンに向けて、柴田八重子先生(愛知淑徳大学)が送付してくださったもの。

 おもしろくて、すぐに読んでしまった。私が修士の時に動機づけについて研究していた際に、論文のテーマにしていた、A.バンジューラの「自己効力感」とエージェンシーについて書かれており、とてもわかりやすく理解できた。

アクティブラーニング(AL)が大切なのは、自己理解を深めるためには、他者理解がなければ、自分のことがわからないため。他者理解が自己理解に先立つとは、他者がいなければ、あるいは他者を理解できなければ自己を十分に理解することができないことを示唆する」

 そのことは次の記述からもわかる。

 「主体的な学びやリフレクション(振り返り)、探究的な学習など、近年実践が求められる自己主導型の学習が、(中略)他者との関係性が弱い生徒は自己主導型の学習が弱い、自己主導型の学習がなされているように見える場合でもそれが成長に繋がりにくい。」

また、協働学習が良い点として、

 「学習プロセスに他者を組み込む、ペア・グループワーク、発表などを組み込むことは、全ての生徒が、学習の内容に関する他者の理解や考えに触れ、相対的に自身の理解や考えを特徴づける、発展させることを目指すものである。他者との活動は自他の相違(ズレ)を生み出す。」

 「自他の相違(ズレ)は、他者との対峙(他者性)によって一個存在としての自己が発現する状況に相等しい。」

 「他者と対決しズレをなくすことで自己を成長・発展させることができる。(中略)生徒がずれを作り出した他者と対決しようと努力し、ずれを無くそうとするかどうかは、生徒の態度や動機に大きく依存するからである。(中略)しかし生徒を、他者と対決させてずれをなくすことに向けて同期づけたり行動させたりするのはそう容易いことではない。」

 傾聴する姿勢が大切であることも述べられている。グループやペアで意見や気持ちを述べていても、聞く姿勢がしっかりしていないと、他者理解を経ての自分への成長に結びつけることはできない。

 さらに、グループやペアワーク全てに教師は目を注げるわけではなく、そのために「押さえ」として、発表させることも大切である。自席で発表させると、聞く姿勢を保つことは難しいため、前へ出て発表させることで聞く環境を整えることができる(話しても安全安心という心理的な環境を保障することも大切である)。

 「前に出て発表する時、発表の生徒は、他の生徒(聴衆)から“見られる”ことを強く意識する。それは、身体が聴衆の面前にさらされ、視線を集めるからである。また、聴衆が鏡のような機能を果たして、(聴衆を)“見る”眼差しを“見られる“として折り返すようなものとも考えられる。」

 「発表する生徒に聞き手の状態や理解を意識させたい(←相手意識)。他の生徒が聞こえるように、理解しておもしろかったと言ってくれるように発表することは、そしてそのような発表を積み重ねていくことは、その手前の学習を深く、動機づけたものにするだけでなく、将来の仕事・社会に向けての資質・能力の育成にもつながっていく。そのために、生徒の発表を自己意識が高まる構図で行わせたい。

 私が英語のプレゼンについて、手書きのスケッチブックプレゼンテーションに拘っているのは、ネット上で発表したりデジタルでプレゼン資料を作成したりすることは、相手意識を考えることが希薄であるからである。(自己意識の高揚感が少ない)

 「SkypeやZOOMなどの通信ソフトを用いてインターネット上で発表をしても、自己意識はさほど高まらない。それは、自身の身体が他者に晒されていないからである。」

 振り返りについても、興味ある記述がある。

 振り返りは、その眺めたものの中から事柄を「選び」、繋いで「言語化する」ことである。振り返りが教育的に意義あるものとなるかどうかの鍵は、この「選ぶ」と「言語化する」作業の質にある。

 振り返りとは、活動や体験をこのような意味での経験、すなわち以前の自己より高次の自己へと発達させる作業であるとも言える。

 「外化させる」こと(発表、レポート、プレゼンなど)の大切さは、思判表の育成にも大きな影響を与える。

 なぜ外化すれば思考力・判断力・表現力が育つと考えられているのかも、この「選ぶ」「言語化する」のプロセスで言い換えるとよく理解できる。選ぶこと自体が「判断」、選んだ事柄を「繋ぐ」ときには、繋ぐ時の順序(論理的思考)が問われる。繋ぐプロセスにはさまざまな種類の「思考」が求められる。選び繋いで言語化すること、それすなわち「表現」である。こうして、自分の言葉で頭の中にある事柄を選び言語化する外化は、新学習指導要領で求められる思考力・判断力・表現力を育てる基礎的な活動となるのである。

 三宮真智子によれば、メタ認知の活動には、①モニタリング(現実に生じている事柄に気づき、感覚、点検、評価に関する活動)と②コントロール(目標を設定し、計画を修正する活動)の機能がある。

 reflectionは単に活動を思い返してまとめる「ふりかえり」というよりは、活動した結果をさまざまな文脈に関連づけて問い直し探求するだけにとどまらず、さらに問題のフレーム(枠組み)を確認・再設定(リレーム)し、次なる活動の方向性を見定める行為であると理解すべきである。

 なぜ、ペアワークやグループワークなどの対話的な授業を心がければならないのか。

 対話とは、自身の行動や価値観、世界観に影響を及ぼす他者との相互作用のことである。そして、そのような対話は、実在他者との実際の相互作用を自己に反映させた自己に関連づけた、極めてシンボリックな処理を伴う行為である。自己内に取り込まれた他者はもはや実在他者ではなく、人の自己世界に生息する表象的な他者である。

 この本には、「拡張的パーソナリテイ」という言葉が頻出する。本のタイトルにあるからだから、当たり前であるが、

 拡張的パーソナリティは、生徒の学びと成長を未来や社会に拡げて、自己と他者の観点よりももっと大きく議論することを可能にする概念である。

 未来や社会に拡げるという観点からすると、「ライフ」というワードも重要である。

 キャリア意識の指標において二つのライフとは、将来と現在の二つのライフの組み合わせを問うものである。質問では、「あなたは、自分の将来について見通し(将来こういうふうでありたい)を持っていますか)という将来に見通し(=Future life)の有無をまず尋ね、“もっている“と回答した人には引き続き、「あなたはその見通しの実現に向かって、今自分が何をすべきなのかわかっていますか。またそれを実行していますか」と問う。

 今回1番学びたかった、「エージェンシー」についても、述べられている。

 学習者のエージェンシーとは、学習者(生徒)が複雑で不確かな世界を歩んでいく力のことであり、自らの教育や生活全体、社会参画を通じて、人々や物事、環境がより良いものとなるように影響を与える力である。このためには二つの力を必要とする。①進んでいくべき方向性を設定する力 ②目標を達成するために求められる行動を特定する力

 エージェンシーが単に学習者の個性の発揮のみならず、教師や仲間たち、家族、コミュニティなど、彼らの学習に影響を及ぼしているさまざまな人々との双方向的な互恵的な協力関係を持つこと(Co-agree)まで含める概念であると強調されている。

 さまざまな人々と協同的に学び合いながら個性を発揮させていくエージェンシーが求められているのであって、それを自らの教育や生活全体、社会参画を通じて発展させていくことが「学習者のエージェンシー」の育成として謳われている。

 不確かな未来を切り拓く力、社会や環境と順応する力、仲間や教師と互恵的な関係を持ち共に学び合う力とまとめることができるかもしれない。

 私の修士論文は、「自己効力感、目標設定理論を駆使すると、英語学習への動機はアップし、英語力が高まる」ということについて研究した。自己効力感はA.Banduraが唱えているが、ここでも「バンデューラのエージェンシー論」が述べられている。

 バンデューラは、社会的状況に対する行為主体の社会認知的な力を「エージェンシー」と概念化する。バンデューラは、エージェンシーの特徴として、①意図性(意図を持って行為すること) ②将来の見通し(時間的な拡張、将来展望) ③自己の態度(自身を動機付け自己調整する)、④自己省察(メタ認知的な検討)の4つを挙げる。

 常々、「やらされている勉強」ではなく、主体的にする学習、自律的な学習者を育てなければと考えている。

 自己調整学習の主体的学習とは、「学習目標」(「毎日単語を10個覚えよう」)、「学習方略」(「繰り返し声を出して単語を覚る」)、「メタ認知」(「自分の考えの矛盾に気づく」)

 自己肯定感は中々上がらず、そのための手立てを講じたとしても、上げるのはかなり難しいことが書かれている。

 佐藤は(佐藤学先生)、自己肯定感の低い人の自己肯定感を高めようとしても、多くの場合は逆効果に終わることが多いと述べている。J.コテは、学業成績に効いているのは自己肯定感ではなく、自己効力感であると論じている。

 「今からやろうとしている活動(行事、こと)は自分なら上手にこなしていけるだろう」と行動に移る前から考えられること。それが、自己効力感である。ここでエージェンシーの定義が登場する。

 エージェンシー(主体性)とは、行為者(主体)に対して前のめりに取り組む状態を指す。

 記憶に関する情報処理について述べられている。

 「自己関連付け効果」と「自己生成効果」である。自己関連付け効果は、事物と事物をただ関連づけたり意味づけたりするよりも自分の何かしらに関連づけた方がより豊かにイメージでき、記憶にも残りやすくなるというものである。その自己関連がエピソード記憶あるいは個人的な出来事や経験といった自伝的記憶までを含むものになれば、(中略)自己生成効果は、外部から耐えられることよりも、自分で生成したことの方が記憶に残りやすいという効果である。課題を自己に関連づけること、自己の枠組みで理解や考えを外化することが学習を前向きに同期づけることは十分に考えられる。

「この生徒はおとなしいしコミュニケーション能力は低いけど、歴史が大好きなので、得意とするところを伸ばしてやりたい」をどう見るか私もこのタイプの生徒は大好きで、発表やプレゼンができない分、ペーパーテストなど別の部分で頑張ってもらえれば、、、と思っていたが、新学習指導要領を読むかぎり、その時代は終わったなと思い、4月には生徒には、プレゼンテーション能力が必要であることは伝えてきた。溝上氏も「厳しい物言いをせざるを得ない。対人関係・コミュニケーション能力の弱い生徒はトランジション(進学したり就職するライン)の観点から見て問題であり、先々苦労する確率が高いだろうと予測される。」と述べている。さらに、「個性が仕事・社会で通用するものなのかという現実的な視点も持ち合わさなければならない。」と言っている。人とコミュニケーションを取ったり、人前でプレセンテーションをするという能力は、ある意味画一的ではあるが、誰にでも必要な能力となってくるのだろうか。「対人関係・コミュニケーションをはじめとする資質・能力は、発達の問題があり、例えば高校生までにできなかったこと、十分に取り組まなかったこと、逃げてきたことは大学生になって十分にできないことも明らかになってきている。義務教育段階の基礎期はもちろんのこと、高校生くらいまでの間に脂質・脳お力の基本的なところを育てなければいけない。」

 「おとなしい子」は、パーソナリティとしての個性においては受容されるべきものの、社会としての個性においては育てられるべき対象であることがわかる

 やはり、静かに本を読み進めていく子どもでは、将来社会で生き抜いて行くことは難しいのかもしれない。

 習得した知識や技能を活用する学習や、課題を発見したり問題解決したりする探究の学習が求められる。それらは、仕事・社会に関連する生きた文脈で活用すること、仕事・社会の中にある課題を発見したり問題解決したりすることを特徴とする…

学習目標に基づく学習プロセスが「形成的評価」と呼ばれ、学習成果としての達成が「総括的評価」と呼ばれていることは、教育関係者にとっての基礎知識である。

 アクティブラーニングの基本である“書く”“話す”“発表する”等の「外化」の活動をさせると、生徒は何を学んだか、何を考えたか、さらには課題や授業に取り組む姿勢や意欲はどのようなものであるかが可視化される。

 私が知らない、新しい学習指導要領下での、教育の変遷、教育方法・内容、評価の仕方、子ども像などがよくわかった。私がまったく遅れていることもよくわかった。もっとたくさん勉強しないと。

 

 

 

「新学習指導要領ここを工夫してみよう」を受講して

中部英語教育学会三重支部12月例会 「新学習指導要領ここを工夫してみよう」ZOOM研修 瀧沢広人(岐阜大学准教授)2021年12月19日(日)ZOOM研修

身近な話題を用いて、会話をする。学力で勝負しない。→英語で授業をする 人はきづかないと、理解しない。新学習指導要領になってから指導する内容も多くなり、毎時間量をこなすことばかり考えていたが、興味づけ、動機づけもとても大切にしなければと思わされた。動機づけは、振り返りシートをさらに重視、「主体的に学ぶ態度等への評価」に加えることにより、メタ認知を高めることで、アップさせることができるようになった。どうやって、授業を面白いものにするか、興味を持てる内容にするか。

第二言語の認知プロセス インプット(気づき→理解→内在化(intake)→統合)➡️ アウトプット

言語活動をとおして ①英語環境を作る(教師が英語で話す)②身近な話題で生徒と会話する=即興的な会話 ③非母語同士でのコミュニケーションの仕方を学ぶ ④即興的でなくとも考える時間を設ける ⑤やりとりだけでなく、please tell me about~で、即興的な〈発表〉を。

言語活動とは、「実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うなど」の活動を基本とする

教員が英語で授業を行うことが、「言語活動をとおして」になる。

語彙知識→発音、意味、字形、文法(どのように使うか)、場面(どんな場面で)

WTC=Willingness to Communicate ○授業で、WTCを高める努力しなくては ○どのように高めるか→Teacher’s Immediacy(机間指導をよくする、リラックスした雰囲気で授業、ユーモアを持って授業、前後に話をする、関係のない話をよくする、笑顔で授業をする)

「女のいない男たち」村上春樹を読んで

「女のいない男たち」(村上春樹)文春文庫 2016年

村上春樹がノーベル賞を受賞する頃には、村上春樹の全作品を読破しているよう、全ての作品に手を出している。これは比較的新しい著作である。

あらすじ(Lin@文化論より)

様々な事情で身近な女性を失う男性たちを描いた短編集です。

妻の不倫を知りながら咎めることなく死別した俳優と無愛想な女性ドライバーの交流を描く『ドライブ・マイ・カー』、

ビートルズのイエスタデイを関西弁訳した友人の幼馴染と形式的に付き合うことになった男『イエスタデイ』、

52歳にして初めて一人の女性を愛するあまり死に陥った医師の物語『独立器官』、

空き巣に入ることに快感を感じてしまった主婦『シェエラザード』、

妻との別居中にバーを開店し、やがて自分が何か不思議な流れの中にいることを悟る男性『木野』、

『女のいない男たち』の6編です。

感想

とにかく夢中になって読んでしまう。日常でよくありそうな設定なのに、実話では絶対あり得ない話。主人公に感情移入し、その主人公になってしまいたいという気持ちが自分の中には生まれるが、今の家庭、今の生活で満足しているので、それもあり得ない。

いつもと同じで、この後どうなるのか、もう少し教えてほしいというところで終わってしまう。どの話の主人公も恋心を抱いた(シチュエーションはそれぞれ違うが)女性に心と体を没入させてしまうが、上手くいかず、喪失してしまう。頭の中でつづきを作っては1人楽しんでいる感じ。

ネタバレするので、あまり書けないのはいつも通り。

ラジオビジネス英語2021年12月号を聞いて

Thanks to the partnership with ABC, our revenue has risen fivefold. fiveholdは「5倍」の意味。

名前(漢字)の由来・意味 My name is MORI. MORI means “forest”. So, my ancestor was born from the forest, apparently. (私の名前は森です。私の先祖は森から生まれました、よく知らないですけどね。)

assertive(率直な)コミュニケーション論でassertiveとは、相手の意見を尊重しながら自分の考えを率直に伝えるコミュニケーション方法のこと。

What if we proposed he move to the western edge? What if ~?はWhat would happen if~?の略で、「もし〜だとしたら、どうでしょうか」という意味。仮定の一種なので、例文では、what ifに続く動詞は過去形となる。

address 対処する、取り組む ※よくわからなくなる

提案の仕方を考える ①意見を聞く ②共感・肯定する→③提案するという3ステップを確認

英語教育12月号を読んで

英語教育12月号 大修館書店 December 2021 Vol.70 No.10

第1特集「オンライン・対面授業に対応」ここから始める 普段の指導にICTをプラス 第2特集 全国に広がる・深まる ラウンドシステム授業は次のラウンドへ 第3特集 授業で・英語力アップでNHK英語講座フル活用術

オンライン+対面で行うハイフレックス授業諸法度 木村修平(立命館大学教授)

ノイズキャンセルアプリ「Krisp」聞く方も話す方もノイズをキャンセルしてくれる便利なアプリ。1週間に120分まで無料で利用できるそう。

リレー連載 英語教育時評 「言語能力と異文化感能力」(松本佳穂子 東海大学教授)

 指導要領には「発信能力」が強調されているが、私がそこで発見したのは、単に自分の意見を論理的に主張するだけではなく、相手の意見を共感しつつ傾聴し、少しずつ質問を投げかけながら妥協点を探る前向きな忍耐力、相手の考えを自分の規範や尺度によって決めつけず、「中間的な曖昧さ」を受け入れ、そこから新しい解決策をともに考える協働性であった。

行動変容を促す 教員研修のデザイン 第3回 「『大人の学び』」を生かす研修デザイン(森田正彦 茨城県教育研修センター指導主事)

経験を振り返る 塗り替えられる経験は、そのまま放置しておいても学びにはつながりません。コルトハーヘンは「経験による学びの理想的なプロセスとは、行為と省察が代わる代わる行われるものである」として、経験を学びに変えていくためには、省察の一部としての「振り返り」が必要であることを述べている。

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第9回 第3章「編集力を鍛える」① 「教師の『編集力』は授業改善の切り札」(中嶋洋一 関西外国語大学教授ほか)

 プリント学習から「究極のノート指導」へ 左欄に日本文を書く。真ん中には、それを小学生でもわかる日本文(reshaped simple words)に直す。右欄には、それを英文にする。日英の作業は大切な訓練であるが、日日(日本語を英語に訳しやすい日本語にさらに直すこと)はもっと大切で、まとまった文章を格段になったり、スピーチ原稿を作ったりするときに、自分の日本語を英語にできない生徒のほとんどが、日本語を簡単な日本語にすることができない。コミュニケーションストラテジーの中では、「回避」にあたるが、話を途中でやめたりはしない。

 解説 教材研究を「事前、事中、事後」のいつ行っておられるだろうか。「事前」が圧倒的に多いのではないかと思う。しかし、それは新出単語の確認、プリントの作成など「授業に必要なもの」を用意するレベルで終わっていないだろうか。教師にとって大事なものは、むしろ「事中(授業中)」と「事後」である。「事中」は、授業中の予想外の生徒の考えや意見に臨機応変に対応するリアルタイムの教材研究であり、「事後」は、授業中にハッと気づいたことを次の授業で足したり、引いたり、または修正したりすることである。アンケートもそうだ。

 実例から眺める「豊かな文法」の世界 第9回 if I were youの学び方ー発話意図への注目ー (平沢慎也 慶應義塾大学講師)

 if I were youと発話意図 if I were youは、話し手が聞き手のすることをやめさせよう、それとは異なることをさせようとしている点が共通している。if I were youはこのように相手を嗜める、相手に助言するという発話意図を持って用いられるのが大半である。Michael: I’m gonna take my clothes off, then…. Monty:I wouldn’t do that if I were you. マイケル:服を脱ぐ、そうすれば。。。 モーティー:私ならそれはやめておくがね。

ブリティッシュ・カウンシルpresents English Richな授業のための指導技術ブラッシュアップ講座 第2回 「スピーキング指導のブラッシュアップ」(ロス・マルコム、河合千尋 ブリティッシュ・カウンシル)

やり取りの活動には、主に次の3つが脳内で同時に起こり、どれも瞬時に認知的処理が行われる必要があります。1.準備する(何を言いたいのか) 2.選択し配置する(伝える際どんな単語が必要か、順番はどう並べるか) 3.産出する(選択した単語や表現をどう発音するか)即興で話すことは、思考・判断・表現を伴う。

「先生たちのリフレクション」を読んで

「先生たちのリフレクション〜主体的・対話的で深い学びに近づく、たった一つの習慣」 千々布敏弥 著 教育開発研究所 2021年

 柴田八重子先生(愛知淑徳大学)が、1月8日(土)先生主催の「道徳を愉しむ会」ZOOM研修で私が勤務校の実践発表をするのに際し、参考になるからと、送付してくださった。残念ながら私は既に購入していたので、重なってしまったが、同僚分として3冊学校に献本してくださった。

 本当に読みやすく、スーッと頭に入っていった。

 信念とは、「教師が自らの行動と思考様式に影響を与える価値の一定の体系」と定義できる。

 第1章では「教員の信念」について書かれている。「〜ねばならない」とするタイプの信念(イラショナル・ビリーフ)を持つことが教師の脅迫的な行動や感情に結びつき、そのような信念傾向の低い教師の方が子どもの満足度が高い。

 「思考力・判断力・表現力の獲得は知識の獲得がないと困難になる」などの信念を「児童・生徒が主体的・対話的で深い学びができる授業を提供しないといけない」という信念に変えること。

 新しい学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」の言葉の意義は、教師を主語として考えがちであった授業改善の議論を、子ども主語に転換するものだとまとめることができる。子どもの学びへの焦点化である。子供がどのように学んでいるかを目標像として示すことができれば、それに向けた授業改善はアクティブ・ラーニングでも従来通りの指導方法でもよい、という考えにシフトし、主体的・対話的で深い学びの言葉に決着した。

ラーニング・コンパスとは、OECD(経済協力開発機構)が2019年5月に公表した、「OECDラーニングコンパス2030」であり、このプロジェクトは、子どもの学習のあり方を示している。中心概念には、「学習者エージェンシー」がある。柴田先生の研修会にも何度も登場する言葉であるが、この本を読むまでは恥ずかしながら、意味がわからなかった。エージェンシーとは、「主体性」である。既存の社会的文脈の中で主体的に問題解決に取り組む姿勢をエージェンシーと称している。 

 「これまでの研究から学習者がエージェンシーを発揮し、自らが持つ可能性を発揮できる方向へ進むために、生徒は学びの中学的な基盤を持っていなければならない」

 「エージェンシーは社会的な文脈と密接に関係するので、個人だけでエージェンシーを発揮することはできない。仲間や社会メンバーとともに共同エージェンシーを発揮する必要がある。」エージェンシーを育むことは目的であると同時にプロセスであり、家族や仲間、教師との時間をかけた相互のやり取りを通じて獲得される。

 溝上氏はエージェンシーについて、「学習者(生徒学生)が複雑で不確かな世界を歩んでいく力のことであり、自らの教育や生活全体、社会参画を通じて、人々や物事、環境がよりよいものとなるように影響を与える力」と解説している。

 白井氏はエージェンシーについて、「『変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する能力』のことであり、生徒が自ら目標を設定して、単に自分たちの欲求を実現することではなく、その属する社会に対して責任を負うことが重要であり、その意味において日本語の主体的という言葉と異なる」と解説している。

 知識と自己に関するスキルを深い学び、社会的スキルを対話的学び、エージェンシーを主体的学びに対応させる

 小和田らは、教師エージェンシーとは、「教員が自分の教育活動と学校の取組を向上させるために、同僚と互いに関わり学び合うことを通じて、子どものため、自分のため、そして同僚のために何か貢献しているという、この違いを生み出す感覚と、違いを生み出すことに向けた動機、主体的な態度」と定義している。また、カルバートは、「教師が職能成長に向けて目的意識を持って構造的に努力する能力であり同僚の成長に寄与する」と定義している。

 学習者と授業者の視点の往還 「どのような具体物を提示したらよかったのか」と悩む教師に「このような具体物がある」とあたかも正答であるかのごとき知識を与えるのではなく「子どもが興味や関心を持つ具体物はどのようなものだろうか」と問うことで自らの内省を深めるように促す。検討すべきは具体物そのものでなく、子どもの興味・関心を引きつけること。

 エリオットは、「若手教師は設定された授業計画をその通りに実行しようとし、その成功の観点から批評を受けようとするのに、熟達教師は生徒との交流の中で得られた経験から反省的な自己批判を行い、自分の指導計画を修正している」と記述する。

 石井英真のよい授業をするための「5つのツボ」と教育委員会作成の授業の指針 ①目的・目標を明確化する ・資質・能力を焦点化する(付けたい力を明確化する)、・単元や各授業の目標を把握する、・ねらいを達成した子どもの姿を具体化する、 ②教材・学習課題をデザインする ・子どもが明らかにしたくなる学習課題を設定する、・教材の価値を把握する ③学習の流れと場の構造を組織化する ・既習事項を振り返る、・具体物を提示して引きつける、・子どもがみずからめあてをつかむようにする、・学習課題を解決する方向性について見通しを持たせる、・子どもが自分の考えを持つようにする、・思考を交流させる、・交流を通じて思考を広げる、・協働して問題解決する、・単元及び各時間の計画を立てる ④技とテクノロジーで巧みに働きかける ・子どもの思考を見守る、・子どもの思考に即して授業展開を考える、・子どもの考えを生かしてまとめる、・新たな学びに目を向けさせる、・板書や発問で教師が子どもの学びを引き出す ⑤評価を指導や学習に生かす ・目標の達成状況を評価する

 主体的学びと対話的学びは子どもの状態に注目すればよいが、深い学びについては教師自身が「単元の目標を実現しているか」「教材研究を重視しているか」「学ぶプロセスを重視しているか」などの教師の側に立った自問が重要

 マックス・バンネマンが提起したリフレクションの類型 「技術リフレクション」は、汎用的な技術や手法を授業に適用していくこと(先輩教師や管理職から言われて、授業の型や技術的な部分を指摘され考えていくこと)、「実践的リフレクション」とは、教師が授業場面に応じて行なっている即興的な意思決定のことである。児童生徒の問題行動や学級経営など固有の文脈に即した問題解決志向もこの領域のリフレクションである(授業中に起こるさまざまな問題や子どもの発したつぶやきなどを取り上げ、授業の目的を外さずに臨機応変に授業に柔軟性を与えて考えること)、「批判的リフレクション」とは、授業において意識すべき目的自体を常に見直す姿勢と考え方である。どのような子供を育てたいかを考え、それを日々の実践と結びつけている(単元や1年間の授業を振り返って、大局的にどのような子どもを育てたいかを念頭に置き、大きな目標から日々の小さな目標へと落とし込みながら、毎回の授業を組み立て、日々内省を行うことができること)。育てたい子ども像を主体的に考えている教師のことを、批判的リフレクションをおこなっている教師、子どもの考えを鋭敏に受け止め、指導意図を柔軟に見直しているのが批判的リフレクションの姿。

 子どもの「主体的・対話的で深い学び」を実現するには、教師がリフレクションに取り組むことである。授業研究を含めた、教師が授業について構想するあらゆる場面において、技術的リフレクションにとどまることを避け、実践的リフレクションや批判的リフレクションに取り組むことで、子どもの主体的・対話的で深い学びを実現する授業ができるようになる。

 素人理論を修正するコーチング 悩む教師に、コーチであれば、「なぜそのような状況になったと思いますか」「どうすれば解決できると思いますか」「そうするためには何が必要だと思いますか」などの質問を投げかける。コーチングは相手にリフレクションを促し、リフレックションを通じて問題解決することを促進する手法である。

 子どもの「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、教師に手法(マニュアル)を提示することでは不適切である。教師が自ら主体的にリフレクションするように促す戦略が必要。

 教師エージェンシーを発揮して授業に取り組むことが必要であることがわかった。「エージェンシー」という言葉の意味がわからず、柴田先生の研修でもよく使われる言葉であったにもかかわらず、恥ずかしながら、この本を読んで定義がやっとわかった次第である。「自分のために、生徒のために、そして職場の同僚のために、主体的に授業に取り組むこと」。私には、「同僚のために」という部分が欠落していることがわかった。若手教員のために頑張っている自分もいるが、背中で見せることはしていても、じっくり指導するという時間的心理的余裕がない。「道徳の授業に真剣に取り組めば学年(学校)は必ずよい方向へシフトしていく」という旗印の元、何人かの若年層の先生は集まってきてくれている。もっと鼓舞していく必要があると感じた。

 また、エージェンシーを発揮するには、リフレクションが大切であることもわかった。手取り足取り教えたりマニュアルを与えても、教師は変わらない。授業の手法やこれまでの経験からテクニックを教えるなどの「技術的リフレクション」では、変わらない。授業の中でよく起こる想定外のトラブルに対応したり、流れを根底から崩すようなポジテイブなつぶやきに対処するなど、それらを取り入れながらも、授業の目的は外すことなく、柔軟に授業を展開していくにはどうすればよいか、「実践的リフレクション」を促していきたい。さらに、年間の達成目標からバックワードで単元目標や日々の授業の小目標に落とし込みながら、何を目指すのか常に明確にし、子ども像についても日々確認しながら授業を展開していく視点を持ち続けたい。「批判的リフレクション」がとても大切であることがわかった。

 3つのリフレクションを若年層の先生方には促し、自分への取り込みも日々確認していこうと思う。