英語教育2022年8月号を読んで

大修館書店 August 2022 Vol.71 No.5

第1特集 英語のプロに聞く 私の英語学習ルーティーン 第2特集 実践投稿でシェアする わたしの授業・工夫のしどころ 第3特集 「黒田龍之助編集」英語教員の「第2外国語」

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古英語の小窓 第5回 法助動詞の発達:意味を担う本動詞から心を移す鏡へ 藤井香子(大阪大学他 非常勤講師)

法助動詞の「法(modal)」とは、発話者(話し手及び書き手)の「心的態度」を意味する。発信する内容が事実であり、発話者が自身の心情を含めない場合、発話者は本動詞を使用する(例:Mum is back home.「お母さんは帰宅している」)が、推測や期待など事実あどうか不明な場合は「法助動詞+動詞原型」の形を用いる(例:Mum might be back home by now.「もうお母さんは帰宅しているかも」)

学校で「意志未来用法のwill」を習うと、なぜ「単純未来」だけではないのかと疑問に思うかもしれないが、元々の意味が「意志」なのだからある意味当然である。古英語から現代英語までの1500年間で、いくつかの本動詞が法助動詞化した変遷家庭は非常に複雑である

楽しいと思えることをやってみる (杏林大学教授 倉林秀男)

辞書を読み比べる 辞書アプリ「物書堂」で、串刺し検索で、可能な限りさまざまな辞書の記述を確認する。「新英和大辞典」(研究社)、「ジーニアス英和大辞典」(大修館書店)、「ランダムハウス英和大辞典」(小学館)といった大型自転や各種学習者用次点を指先1つで確認できる。

辞書編集者流 日々是英語 中村光男(関西大学教授)

今日は授業があるので、lip lazinessをなくすために、シャドーイングも少々行う。短い時間だが、頭を英語モードにするのにリーディングは欠かせない。

私もやむなく音読を続けたり、小学校の授業で日本語がわからない人を演じるのに英語ばかり使っていると、中学校の授業でもすらすらと英語が話せる時がある。「頭を英語モードにする」ということの大切さと、ある程度(1時間以上)英語しか使わないと、(私の場合)「英語モードの頭」にできることがわかった。さらに、「英語モードの頭」にするとlip lazinessもほとんどなくなるのが嬉しい。

スピーキング力を上げる学習ルーティンー「知っている」文法を「使える」文法位するための学習法 中村佐知子(東北大学高度教委用教育・学生支援機構講師)

毎日のウォーミングアップ 横山雅彦・中村佐知子著「スピーキングのためのやり直し英文法スーパードリル 英語のハノン」(筑摩書房)の「中級」や「上級」で口鳴らしのウォーミングアップをしています。準備運動やストレッチのようなもので、これをするようになってから英語を「噛む」回数が減りました。

朝英語のルーティーンができなかったり、週末明けや長期休み明けなどは、英語がなかなか出なかったり、うまく舌が回らなかったりするので、「口慣らし」もルーティーンに入れてできたらいいなと考えていた。調べてみると、とても興味をそそられる本だった。購入してみようかな。

デジタル教科書時代に知っておきたい 著作権Q&A 第5回 「書籍の表紙画像を使用する注意点は?」 今村哲也(明治大学教授)

Q 英語教育の参考になる書籍を雑誌やウェブサイトで紹介する際に表紙画像を掲載したいのですが、問題になりますか? 私の場合は、このブログに掲載する際に、上の「英語のハノン」のような本の表紙画像を掲載して良いかどうかということである。結果として、国内で出版さえている書籍の多くは、「版元ドットコム」のサイトに掲載されているので、同サイトに掲載されている書籍の表紙画像は、一定の条件のもとで自由に利用できることが明示されている。同サイトに掲載されていない書籍については出版社に確認する。

https://www.hanmoto.com

英語が苦手な学生に寄り添う大学の英語授業お悩みQ&A 第5回「英語が好きも嫌いもテスト次第 板垣信哉(尚○学院大学特任教授)

Dweck(1975)の実証実験によれば、学生の「学びに向かう力」を促すには「正解できそうな問題・課題は8割前後」、「残りの2割前後の問題・課題は正解をある程度見通せるが、結果として間違える(つまり、チャレンジ精神を促すもの)」を目安に、言語活動を含めた問題・課題に取り組ませることが妥当。

授業に活かせる英語講座 文法クイズ 佐藤誠司((株)佐藤教育研究所)

「地球温暖化」をthe global warminngと書くミスがよく見られる。〈形容詞+名詞A〉が「〜一般」の意味を表す場合、Aが不可算名詞なら冠詞は不要。(例:classical music, American history)。一方、Aが可算名詞なら(総称のtheを加えて)〈the+形容詞+A〉の形にします(例:the death penalty, the Japanese language)。このパターンでtheをつけ忘れる間違いも、多く見られる。