「英語教師の授業デザイン力を高める3つの力ー読解力・要約力・編集力」中嶋洋一編著 大修館書店(2023年)
【マスキング】前後の文脈や場面から多様な答えが生まれ、生徒の自由な発想を引き出すことができる。“なぜ“や“どのように”を問う「推論発問」「評価発問」の原点になる。(例)I ………, so / but / because I want to go to Australia. なぜその表現を言えたのか、答えの根拠を示す必然性も生まれ、協働学習につながります。仲間の考えと自分の考えとのギャップに「発見」や「ひらめき」が生まれ、知的好奇心が掻き立てられます。マスキングは、学習を「自分ごと」にし、生まれた“こだわり“は、表現の定着につながります。生徒に知的飢餓感(eager to learnの状態)【生徒が自ら知りたくなる、答えを探したくなる知的にハングリーな状態】を与えられていないことに気づく。
ALTの先生が学校に来ることを楽しみし、( !)と思えるような学校紹介をすることができる。
こんな感じで「めあて」が作れれば、生徒は知的好奇心や飢餓感が湧くかもしれない。
目標を生徒が自己決定すれば、課題が“自分ごと”になる。生徒に知的飢餓感を与えるマスキングは授業作りの「転(=生徒がハッとするきっかけ)」となる。
マスキングをすると、その過程で「もっと上手く伝えるには?」と生徒は知的にハングリーな状態になり、思考を深めていく。「どこを隠すと生徒が前のめりになるか」という視点で、教材研究をするといい。例えば、My favorite ( ) is …の( )は生徒が自由に決定する。自分が選んだことは、「頑張って最後までやろう」という自己責任にもつながる。生徒の表現活動を充実させるためには、彼らの「伝えたい想い」を引き出す課題を与えることが大切である。生徒が話したり、書いたりした表現の中に、「自分の想いを伝える言葉」が使われているかどうかを常日頃から意識し、キャッチングするようにする。
目標を自己決定することで、相手意識が高まり、多くの生徒が以前より発話量が増えたことがいちばんの驚きであり、生徒に起きた大きな変化である。