英語教育2025年5月号を読んで

月刊英語教育2025年5月号 大修館書店 May 2025 Vol.74 No.2

第1特集 〈論点整理〉紙とデジタル 学びの姿はどう変わるか 第2特集 大学入試英語の現在

📘『英語で溢れる教室をつくる 小学校授業 活動&教材アイデア』第2回(2025年4月号)

◆【やり取り力】を高める4つの工夫(岩井敏行先生)

  1. QAR(Question–Answer–Reaction)
     → 相手の答えに対して反応する例:「I see.」「Me, too.」
  2. TF-QA(True/False–Question–Answer)
     → 相手の話を自分に関係あるか確かめる:「You mean me?」など
  3. QAA(Question–Answer–Add)
     → 一言加えて会話を続ける:「I like cats. How about you?」
  4. QAQA(Question–Answer–Question–Answer)
     → 質問と答えの連鎖で、自然なやり取りを生む

🔍これらの活動は、中学生にも十分応用可能で、ペアワークやスピーキングテストの練習にも有効です。

📚紙とデジタルでの読みの違い(バトラー後藤裕子、柴田裕仁 各氏)

◆ 認知科学からの提言

  • 紙 vs デジタルに明確な差はないが、「手を使う読み」「比較読み」「書き込みを伴う読み」では紙が優位
  • デジタルは「視覚的には便利だが操作性に制約が多く、深い読みや学びには不利」。
  • デジタルでは、「りんごの絵を描く」といった課題で描き直しの誘惑や過集中が起きやすく、本来の目的から逸れる。

📌指導のヒント:

  • デジタルは「下書き」「確認」「共有」に活用し、本読み・深掘り・発表準備は紙で行うのが理想的。
  • デジタル使用時間は授業1時間中10分以内が望ましい(山田正明氏/医学的視点より)

🧠医学的視点からの注意(山田正明先生)

  • 多くの学生が「デジタルでは集中できない」「記憶に残りにくい」と回答。
  • デジタル学習では脳血流の増加が少なく、浅い学びになりやすい。
  • 北欧の例を挙げ、教科書のデジタル化が学力低下・教室の荒れに直結したと警鐘を鳴らす。

🧩中学校文法事項の導入例(第14回:SVOO)

◆ SVOO文型の指導ポイント

  • 「give him a book」vs「give a book to him」の違いを焦点で教える。
  • I will give him a book.
  • →「何をあげるか(=a book)」に焦点がある文。つまり、「あげるもの」に注目して話している。聞き手は“何をあげるのか”を知りたいときに適している。
  • I will give a book to him.
  • →「誰にあげるか(=to him)」に焦点がある文。つまり、「相手」に注目している。他の人ではなく“彼に”あげるということをはっきり伝えたいときに使う。
  • 動詞の意味に応じて、toかforを使い分ける。
    • Aグループ(give, send, tell など):to
    • Bグループ(make, buy, cook など):for

📌暗記より、意味理解とタイプ分けでの指導が効果的!

✏ 文法クイズ(佐藤誠司)

  • 料理名は 小文字で始める(例:sushi, curry)

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