「国宝」を観て

🎬映画レビュー|『国宝』— 日本の伝統と魂が響き合う、圧巻の3時間

📅鑑賞日:2025年6月7日(土)@津南イオンシネマ

たぶん、この映画――『国宝』は、2025年の日本アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、助演男優賞を独占するのでは?とすら思える傑作でした。

私は土曜日の午後、津南のイオンシネマでこの作品を観たのですが、約3時間という邦画としては異例の長尺にもかかわらず、まったく時間を感じさせない没入感。これは、物語の深さもさることながら、演技、演出、美術、音楽すべてが高次元で融合していたからこそだと思います。

歌舞伎界を舞台に、血筋と芸の本質を問う壮大な人間ドラマ。
江戸の伝統を背負う名門に生まれた若き歌舞伎役者(吉沢亮)が、女形として芸の頂点を目指す中で、芸とは何か、伝統とは何か、血筋とは何かに苦悩しながら成長していく姿を描く。
彼の周囲にはライバル、師匠、支える裏方たちなど、名優たちが演じる登場人物が絡み合い、伝統芸能の世界の厳しさと美しさがリアルに映し出される。

🎭主演・吉沢亮の圧巻の演技

何よりも語らずにいられないのは、吉沢亮の女形としての演技のすばらしさです。

美しさだけでなく、その所作、踊り、目線、すべてに「芸に生きる覚悟」が宿っており、観ているこちらの心まで震えました。これが“血筋”によるものなのか、それとも稽古に裏打ちされた努力なのか。映画の大きなテーマでもあるその問いが、観ている私たちにも重く、深く響いてきます。

🏮伝統芸能の真髄に触れる

歌舞伎や能といった日本の伝統芸能は、普段なかなかじっくりと観る機会が少ないものですが、この作品を通じて、それらがただ受け継がれてきたものではなく、「芸に生きた人間の魂」によって築かれてきたということが伝わってきます。

幼少期からの厳しい稽古の積み重ねが、表現のすみずみにまで染み込んでいることがわかる。その姿に、敬意と感動しかありませんでした。

🔚まとめ:かなりのおすすめです!

伝統とは何か。血筋とは何か。芸の神髄とは何か。
この映画はそれらを、押しつけがましくなく、しかし確かな熱量で語りかけてきます。
日本映画史に残る名作になるのではないかと、私は本気で思っています。

映画館を出たあと、しばらく余韻から抜けられませんでした。
「国宝」――その名に恥じぬ、まさに“魂の芸”が詰まった一本です。

これは観るべき。いや、“観なければならない”映画です。

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