「命を見つめて」〜猿渡瞳さんの六百六十四日〜を指導して

今回の授業は、またもや「神回」となりました。教員生活の中でも特に心に残る、そんなひとときを生徒たちと共有できました。この教材を使った授業は、誰が担当してもうまくいくのかもしれませんが、生徒たちの心を揺さぶり、考えさせる力を持つ作品であることは間違いありません。

涙の朗読から始まった感動

授業は私の朗読から始まりました。瞳さんの生き方や考え方、そしてお母さんの温かい声かけが教材には織り込まれています。そのどれもが胸に迫る内容で、私自身、練習の段階から何度も涙が止まらなくなるほどでした。本番でも「泣くまい」と何度も自分に言い聞かせましたが、朗読中に涙をこらえきれず、生徒たちの前で感情をあらわにしてしまいました。それでも、朗読を終えた時点で何人もの生徒が涙を流しており、心に届いたことが伝わりました。

教材の指示と生徒たちの反応

この教材には「人間理解」における主人公の残念な一面が描かれていないため、事前に「主人公の素晴らしいところや素敵だと思う部分に線を引いておいてください」とだけ指示しました。すると、生徒たちは以下のようなポイントを挙げてくれました:

  • 「ガンに負けない姿勢」
  • 「弁論大会で『命を見つめて』というテーマで感動を与えた」
  • 「『ガンになってよかった』とさえ言える強さ」

これらを共有する中で、生徒たちは瞳さんの生き方に深く感動し、共感を示しました。

発問を通じて深まる理解

次に、以下の発問を通じて、生徒たちの考えを引き出しました:

  1. 「瞳さんはガンで死ぬかもしれないという状態であるにもかかわらず、生きようと思い続けたのはどうしてだろう?」
    • 生徒の意見:
      • 「自分に負けたくない」
      • 「自分の経験や思いを伝えたい」
      • 「ガンに絶対負けたくない」
      • 「お母さんに心配をかけたくない」
  2. 「あなたが瞳さんだったら、どんな生き方ができたのだろう?」
    • 生徒の意見:
      • 「すぐに諦める」
      • 「受け入れられない」
      • 「ずっと塞ぎ込んでしまう」
      • 「どうせ死ぬなら好きなことをやる」
  3. 「命を大切にするとはどういうことなのだろう?」
    • 生徒の意見:
      • 「今の健康が当たり前ではないことに気づく」
      • 「毎日の生活や普通のことに感謝する」
      • 「与えられたことを一生懸命にする」

これらの議論を通じて、生徒たちは「命の尊さ」や「日常への感謝」について深く考えることができました。

授業の目標は達成

授業の最後には、「命を大切にするとはどういうことか」というテーマに対して、生徒たち自身がそれぞれの答えを持つことができたと思います。感動と共に深い学びを得ることができた、この日の授業は間違いなく成功でした。

瞳さんのような強さや感謝の心は、生徒たちにとって大きな人生の学びとなったはずです。

弁論大会の動画もアップされていた。

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