シン・仮面ライダーを観て

2023年3月31日に津南イオンシネマに連れ合いと見に行った。公開してまだ2週間だというのに、小さい劇場になっており、朝一番ということもあってか、客入りはガラガラ。どうも人気が出ていないようだ。

確かに、仮面ライダー好きとしてはストーリーは今ひとつ。これまで、シン・ゴジラはゴジラのことに加えて、政府の官僚制度や縦割りの難しさなどが描かれていて大変興味深かった。シン・ウルトラマンは地球人同士、地球人と宇宙人の共存の難しさ、戦うものと共栄を目指すものの葛藤などが描かれていて、これまた面白かった。シン・仮面ライダーは仮面ライダーや怪人の苦悩が描かれているが、そこがピンとこない。さらに、昭和40年代の仮面ライダーファンはもう少しドロドロとした描き口が欲しかった気がする。

ストーリーは次の通り(映画.comより)

1971年放送開始の特撮テレビドラマ「仮面ライダー」を、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ゴジラ」の庵野秀明が監督・脚本を手がけて新たに映画化。

主人公・本郷猛/仮面ライダー役に「宮本から君へ」の池松壮亮、ヒロイン・緑川ルリ子役に「賭ケグルイ」シリーズの浜辺美波、一文字隼人/仮面ライダー第2号役に「ハケンアニメ!」の柄本佑を迎え、新たなオリジナル作品として描き出す。

ルリ子の兄・緑川イチローを森山未來、父・緑川弘博士を塚本晋也、秘密結社SHOCKERの上級構成員・ハチオーグを西野七瀬、同じくSHOCKER上級構成員のコウモリオーグを手塚とおるがそれぞれ演じる。テレビアニメ「ヨルムンガンド」「天元突破グレンラガン」などで知られる作曲家・岩崎琢が音楽を担当。

2023年製作/121分/PG12/日本
配給:東映

エンドロールで、歴代の仮面ライダーのオープニングとエンディングが流れたのがとてもよかった。

英語教育2023年2月号を読んで

英語教育2月号(大修館書店)February 2023 Vol.71 No.12

第1特集 リテリングの奥義 読んで・聴いて自分のことばで発信へ 第2特集 わたしの「受験英語」研究記

進化を続けるICTによる英語習得の効率化 松本青也(愛知淑徳大学名誉教授)

Otter 英語文字起こしソフト 文字起こしは本当に大変で、指導主事時代に日本語で何度かして見たことはあるが、1回の講演(90分)でほぼ1日仕事になる。↓のソフトを使用すると、無料で録音素材の文字起こしをしてくれる。

https://otter.ai/jp

SlidePlayerはさまざまな話題いついてのプレゼンテーションが、ビデオやスライドショーにtranscriptがついた形で数百満点収録差されており、無料でダウンロードできるし、自分の作品をアップロードすることもできる。

https://slideplayer.com/

自分の言葉で語る再話(retelling) 卯城祐司(筑波大学教授)

再話には「間違い」も「失敗」もない。恐れず、まずは一枚の絵を使ったPicture Descriptionなどから始めると良い。頭に残っている場面、一番伝えたい場面を言葉にすることができれば、それは立派な再話である。

良いリテリング指導のためのQ&A 佐々木啓成(京都府立鳥羽高等学校教諭)

リテリングの評価(ルーブリック)

理解しやすいリテリングであった(2点)、理解しにくいところもあったが、概ね理解できた(1点)、ほとんど理解できなかった(0点)

本文にはない語や表現を多く使っていた(2点)、本文にはない語や表現を少し使っていた(1点)、本文にはない語や表現を使っていなかった(0点)

①十分な声量で、②アイコンタクトを取りながら話していた(2点)、①と②のどちらかが不十分であった(1点)、①と②の両方とお不十分である(0点)

ここに、私のオリジナルで、リテリングをより言語活動に結びつけるために、自分の意見や気持ちを最後に入れさせると、”I think~.”や”I feel ~”を使って、

本文の内容を理解した上で、自分の意見や気持ちを入れている(2点)、本文の内容の理解はあまりしていないが、自分の意見や気持ちを入れている(1点)、自分の意見や気持ちを入れていない(0点)としたいところだ。

教師として知っておきたいアンガーマネジメント 佐藤恵子(一般社団法人アンガーマネジメントジャパン代表理事) 第5回アンガーマネジメントに「傾聴」が必要な理由

傾聴とは、相手の気持ちに寄り添い、心のパワーが回復するように目、耳、心を傾けて相手の話を聞くことを言う。円滑なコミュニケーションのために必須であり、人間関係を築く土台となる。

傾聴の技法 ①あいづち、うなずき:聞き手が口を挟まず聴くことで、自由に話すことができる ②繰り返し相手の言った感情の言葉を繰り返すことで、話をしっかり聴いてもらえたと思える ③明確化:相手の明確にならない表現を適切な言葉に言い換えて伝える ④質問:相手の話していることが分かりにくい時に、具体的に話してもらうように質問する

傾聴をするときのポイント ①自分の価値観を横に置いて聴く。価値観の部分に自分の考え方の癖が出やすい ②感情にフォーカスして聴く ③相手の話を遮らず最後まで聴く ④自分の意見を押し付けない、批判しない、否定しないで聴く 

傾聴をするときに気をつけたい「なぜ」の質問 「なぜ」、「どうして」は過去のことに対しての質問であり、このように質問されると相手は責められていると思い、話しにくくなる。「約束が守れなかったのは何か理由でもあるのかな?」や「◯◯にチャレンジしたいのはどうして?」などのように使う。「何がしたかったの?」

「ちょうど3時だ」→ ◯ It’s exactly 3 o’clock. ❌ It’s just 3 o’clock. (やっと3時だ。(まだ期待する時刻になっていない。)

soccer FIFAW杯で決勝トーナメントに進出した16チームのうち、soccerと公式に呼ぶのは日本と米国の2チームだけ。ほとんどのチームはfootball。昔は、Association footballと呼ばれていた。その単語を短くして接尾辞-erをつけるスラングが流行っていたので、その流れで、associationをdocに縮め、-erをつけたsoccerが作られた。世界組織FIFAはフランス語Federation Internationale de Football Associationの頭文字でfootball派。日本組織は日本サッカー協会だが、英語名はJapan Football Associationと使い分けている。

教科書・英作文のCEFRレベルをチェックするーEnglish Level Checker これは生徒の書いた英作文を修正したり、その生徒のレベルをCEFR基準で判定してくれるというもの。東京工業大学の奥村学先生の研究室で開発され、AIが学習し、自動レベル判定を行う。全面フリーで利用することができる。

https://lr-www.pi.titech.ac.jp/gradesystem/

共著ですが、本を出版しました。365日の全授業 中学校外国語 1年、2年、3年(明治図書)瀧沢広人 岐阜大学准教授 編著 

今までこんなに知恵を絞ったことがあっただろうか?

自分がこれまでに授業で扱ったアクティビティや教え方、研修会で習って積み上げたこと、全てを思い出しながら、担当箇所を仕上げた。

一点を見つめながら、ずっと考えた。何時間も何時間も考えて、使えるものを作ろうと思った。

休日を何日も何日も潰して、構想を練り上げていった。

何時間も考えて、何時間も執筆に時間を費やした。

オーセンティックで使える英語にするためには、どういう教え方をすれば良いのだろう。

指導案、板書例、アクティビティとそのワークシート(DL可能)、問題集と解答があり、

これ1冊あれば、その単元はすっかり網羅することができる。

発問の仕方が展開例で解説されているところがいい。

岐阜大学瀧沢広人准教授になんども教えを乞いながら仕上げた。

是非、手に取って、見ていただきたいです。

英語教育2023年1月号を読んで

英語教育2023年1月号 The English Teachers’ Magazine January 2023 Vol.71 No.11

拡大特集 アナログ✖️デジタルを活かして 児童・生徒に響く教材づくり

私のメモ

マクロアグレッション(p.6)→繊細な攻撃もしくは暴力、露骨な暴力言語や、しばしば悪意をも抜きにして、しかし聞き手に繊細な傷をつけるコミュニケーション行為

ファイリングを考慮した余白設定(p.11)→ワークシートにはファイリングの余白を設ける。穴あけパンチを使用した際に文字に穴が空いてかけたり、ファイルに閉じたときに、バーで隠れて見えなくなったりする。

世界とつながる外国語学習アプリ:Duolingo(p.12)→世界で5億人が使用している最大の語学学習アプリ。ゲーム感覚でできて、楽しそうであるが、賛否両論あるようだ。

https://www.duolingo.com/learn

小テストをさらに変える(p.14)→ワークブック、本文単語練習などをやっても、やらない生徒もやる生徒もいる。やっても効果を感じられなければやらなくなってしまう。やはりやったことの成果を確かめるために、小テストが必要かもしれない。その時間が生み出せるのか。

アナログ教材✖️デジタル教材作りのチェックポイント(p.19)→palletやflipといったオンラインコミュニケーションツールを利用すれば、クラスメート全員と作品を共有できるだけでなく、クラスや学校の枠を超えての作品の共有が可能。ただ、うちの学校では、ロイロノートがあるので、アップさせて一つの画面で共有することはできる。

アプリを用いた音読(発音)テスト(p.33)→英語発音トレーニングStudySwitchの紹介

文法クイズ(p.50)→「ブラジル人はポルトガル語を話す。」は、Brazilian people speak Portuguese. 「高齢者」の表し方は、elderlyは失礼(80歳以上の高齢者を想像させる)、olderを使うのが無難。

英語教育2022年12月号を読んで

「英語教育2022年12月号」大修館書店、December 2022 Vol.71 No.10

第1特集 日本語を生かして理解を深める英語授業、第2特集 新課程2年目の秋 中学教科書 使いこなし実況中継、第3特集 [覆面座談会]英語教育ここだけの話 Vol.2 行ってみてわかった 教育実習ここだけの話

Domestication(D訳)とForeignization( F訳)から理解を深める日英語の捉え方の違い 今井隆夫(南山大学教授)

101 Dalmatiansというタイトルの映画があるが、「101匹わんちゃん」はD訳、「101匹ダルメシアン」はF訳。クラフト(2022, p.110)に、日本人は、驚いたときにI was surprised.と表現することが多いが、英語母語話者はYou scared me.と表現する。金谷(2019, p.14)に、日本語は虫の視点の言語であり、自分の視野にあることを表現するのに対し、英語は神の視点の言語であり、神視点から見れば自分も視野に入るため表現させるという趣旨の指摘がされている。

小学校英語教育における日本語を活かした音声指導ーご矯正の指導に焦点を当てて 箱﨑雄子(大阪教育大学教授)

英語母語話者は、ここの発音ではなく、誤った強勢パターンに合う語を認識する。それほど英語では語強勢の位置が重要。発音練習の際には、音声を聞かせながら、強勢の位置に合わせて体を動かす方法を用いる。その際には日本語と英語の発音を一緒に聞かせる。例えば、「バスケットボール」と言いながら8回手を叩き、”bas・ket・ball”と言いながら第1強勢の位置で1回手を叩いて発音する。コツは「長く」発音すること。

発表活動が活性化する工夫 第9回 小張敬由之(青山学院大学名誉教授)

PeerEvalという評価ソフトの利用について、使用の状況については、⬇️

https://www.juce.jp/archives/kaizen_2017/c-10.pdf

ソフトの説明については、⬇️

https://peereval.mobi/

生徒同士がプレゼンテーションについて相互評価できるというのは、非常に魅力的である。パフォーマンステストの評価の参考にもなる。自分のパフォーマンスについてクラスメイトの評価を知ることができる。

Confidence Building Blocks for the EFL Classroom part 3 “A Speed Reading Course for High School” 張 哲嘉(Chang, Tekka)(順天中学・高等学校特任講師)

どれだけ意味のある授業を行っても、入試に直結しないと、生徒はついてこない。「先生、長文を速く読むためにはどうすればよいか」という要望に応えたもの。帯で継続してやらせると力がついた。次のコースをやらせてみた。

500語で読めるコースは⬇️

https://www.victoria.ac.nz/__data/assets/pdf_file/0011/1068077/SRs-for-ESL-Learners-500-BNC-April-2017.pdf

3000語で読めるコースは⬇️

https://www.victoria.ac.nz/__data/assets/pdf_file/0005/1068071/3000-BNC-SRs-for-esl-learners-readings.pdf

英語教育2022年11月号を読んで

「英語教育2022年11月号」大修館書店 2022 Vol.71 No.9

「性の多様性とは何か?」渡辺大輔(埼玉大学准教授) 第4回 「変化する言葉、これからの教育」

 SNSのプロフィール欄に、[she/her], [he/him], [they/them]などの三人称の人称代名詞をつけている人を見かけるようになったが、これは第三者から自分が指し示されるときに使ってほしい代名詞である。

Coming Outは「Coming Out of the closet」からきている。

ICT活用ガイド [アプリ]安全安心なExcelでのデータ処理を目指して3 阪上辰也 (広島大学外国語研究センター准教授)

Excelを使う際は、フォントの種類は、大きく分けて、プロポーショナルフォントと等幅フォントがある。例えば、Office系でよく用いられる「MSPゴシック」のPは、ProportionalのPである。一方、Pのない「MSゴシック」というフォントは、等幅フォントとなる。これらの大きな違いは、文字の幅である。プロポーショナルフォントでは、文字の幅が一定ではなく間が調整されて狭められているため、長文の表示には適している。一方、Excelなどで数値を扱う場合には、文字の幅が一定に保たれる等幅フォントを使うことが良い。

[対談]「英語の先生」、そして「先生を目指す学生」にお薦めしたい本! 阿野幸一(文教大学教授)・太田洋(東京家政大学教授)

「確かな英語の力を育てる:英語教育のエッセンシャルズ」(くろしお出版、2021)

「間違いだらけの学習論:なぜ勉強が身につかないか」(新曜社、1994)

「これからの英語授業にひと工夫」(大修館書店、2022)

「日々の英語授業にひと工夫」(大修館書店、2011)

Mercer, S., & Dornyei, Z.(2020) Engaging language learners in contemporary classrooms. Cambridge University Press.

読者から寄せられた「私の厳選3冊」

英語のハノンースピーキングのためのやりなおし英文法スーパードリル 初級・中級・上級 (横山雅彦・中村佐知子著、筑摩書房、2021・2022)→音声おつかいながらトレーニングし、文法を使える段階まで引き上げるとともに、滑舌も良くなる。

中間指導って何?ー今からできる中間指導の4つのポイント 蓬澤守(埼玉大附属中教諭)

「指導と評価の一体化のための学習評価に関する参考資料」によると、中間指導では、「表現内容の適切さ」と「英語使用の正確さ」について指導を行うこと、とされている。「表現内容の適切さの指導」は、目的・場面・状況に応じた発話内容になっているかという観点で、生徒の発話などを例示し共有しながら、どういった点が良いか、相手により効果的に伝えるために工夫できる余地があるかを考えさせること。「英語使用の正確さ」は、生徒の発話を受け止めながら取り上げて、単語だけの発話を文にさせたり、語順の誤りを修正させたり、日本語での発話を英語にさせたりすること。「伝えたいことはあるけれど、うまく伝えられない」「ああ、そうやって英語を使えば伝えられるんだ」を気づかせ、できなかったことをできるようにすることが「中間指導」の意味であり目的。

ラジオビジネス英語2022年12月号を聞いて

If you could~, we would be great.(もし〜してくれたら、嬉しいのですが)If you could drop us off at the nearest station, that would be great.(最寄りの駅まで送っていただけると助かります。)

We would be grateful if you could send the signed documents.(署名入りの書類をお送りいただけるとありがたいです。)

in person(対面で)

a symbol of Japanese precision(日本人の正確さの象徴)

lucky charm(お守り) decal(ステッカー)

mortalは「死を免れない」という形容詞だが、同時に「人間」のことをさすこともある。

お通夜visitationwakeと訳されるが、相手がお通夜という慣習を知っている前提。

ラジオビジネス英語2022年11月号を聞いて

今さら11月号!?という感じなのだが、再放送の上に、年末は多忙を極めて、全然ブログにアップできなかった。

“I have an appointment with Mr. Tony Cameron at 10:00.” と受付でいう時は、Mr. をつけなくてもいい。→ “I have an appointment with Tony Cameron at 10:00.”それに対して、受付の人が、”Mr. Cameron has been expecting you.” の身内をいうときは、Mr.を付ける。

何回勉強しても覚えられないのが、oweWe also owe a lot to this country.(この地域には色々とお世話になってもいるんです。)owe to ~は「〜には借りがある・世話になる」。

in due course「追って、後日」、vicious circle「悪循環」

A journey of a thousand miles starts with a single step.(千里の道も一歩から)

Rome wasn’t built in a day.(ローマは一日にして成らず)

most fulfilling in human terms(人間的に最も充実したもの)

「マインドフルネス ストレス低減法」を読んで

「マインドフルネス ストレス低減法」J. カバットジン 春木豊 訳 北大路書房

「ビジネス英語」のインタビューで、楽天に勤めている方の話を聞いて、マインドフルネスに興味を持った。楽天では、マインドフルネスルームが完備されており、マインドフルネスをしながら、社員が心のバランスを保つために、通っているようだ。もう少し詳しく知りたくなったので、この本を読もうと考えた。

呼吸法のエクササイズ

仰向けに寝て、吐くことに集中して穏やかに呼吸をする。吐くときにお腹を凹ませて、吸うときにはお腹を膨らませる。何も考えずに呼吸だけに集中する。心が呼吸から離れていったら、それを呼吸への集中に引き戻す。これを15分続ける。

「今この瞬間を大切にする」過去も未来もなく、今この瞬間、だから呼吸をすること、に集中する。今のあるがままを受け入れる。

瞑想中や呼吸の最中に、体の苦痛や不快感を感じても放置しておいてはいけない。その苦痛や不快感をよく観察すること。排除するのではなく受け入れれば、リラックスできることがわかってくる。すると、嫌なことやストレスがあっても大丈夫な自分ができる。心の中にスペースを作って、不快感や苦痛を客観的に観察し手放すこと。

ボディスキャニング

仰向けに寝て、呼吸に集中する。嫌なこと、不快感、苦痛は排除するのではなく観察する。左足のつま先から呼吸が出入りするイメージを保つ。体の隅々から頭のてっぺんまで同じように呼吸するイメージを保つ。45分行う。

ヨーガをするということは、「結びつける」ということ。心と体を結びつけること。究極的には、「自分と宇宙を結びつける」ということ。

ヨーガ瞑想法のエキササイズ

呼吸法やボディスキャニングの方法で、いくつものポーズで体をほぐしていく。ポーズとポーズの間は少し休憩を入れるといい。

痛みと苦痛はちがう

苦痛は、痛みに対するさまざまな反応ひとつ。苦痛は体の痛みからも精神的な痛みからも生じる。自分の考え方や感情、自分の体験の意味づけの仕方に関係してくる。苦痛は、痛みという体験に対する反応の一つにすぎない。

生活をシンプルにする

生活をシンプルなものにすれば、些細なことでも、生活に見違えるような変化をもたらすことができる。自分の時間を全て、「しなければならないこと」で埋め尽くしても、得るものはない。シンプルにするということは、「やらなければならないこと」、「やりたいこと」の優先順位を決めて同時に意識的に切り捨てることを選択すること。自分の中で静寂を守り、「何もしないこと」をする時間を作り出すように心がけること。

合わない人との関係を改善するためのエキササイズ

特に関係がうまくいっていない人、例えば憎しみを感じているような人を思い浮かべて、その人に対して、意識的に慈しみ、寛大さ、同情の気持ちを向け、嫌いだという感情や怒りを解き放つようにする。非常に大切なプロセス。

ストレスに強い人

ストレスに強い人は、「精神的タフネス」が強い人、「ストレス耐性」を持っている人と呼ばれる。このような人は、次の3つの心理的な特徴を持っている。1 コントロール(コントロールする力があると周りの環境に働きかけて事態をうまく進めることができる) 2 コミットメント(毎日のことに全力投球するなど、物事に積極的に関わり、何事にも真剣に取り組もうとすること) 3 チャレンジ(「人生には変化がつきものである」と考え、変化を「更なる前進のためのチャンス」として受け止めることができる。ストレスに強い人は、新しい状況を脅威ではなく、チャンスと考える) 自分の人生がどの方向に向かっているか、上の3つの特徴をどのように自分の人生の流れに合わせていけばよいか考えれば、ストレスのたまる環境の中でも、ストレスに打ち勝つ力を養うことができる)

敵意の強い人

まさしく私のことであるが、敵意の強い人は、弱い人に比べて、心臓疾患を患う可能性が4倍も大きい。心臓疾患だけでなく癌などのほかの病気による死の危険性も高くなる。敵意とは、「他者とは、一般的に利他的で信頼できないものである。」という考え方が基本にあって、「人の優しさを信じられない」という感情。「人は、自分の役に立つから友達を作るのだ」や「上司は私たちの仕事がうまく行けば自分の功績にしてしまうが、何か失敗があると部下の責任ということで片付けてしまうものだ」という考え方が、敵意の強い人の典型的なアンケートの答え方である。

時間を見つけて、マインドフルネスをやってみようと思う。ストレスや変化に強い人間になりたい。

「ぼやいて、聞いて。」を読んで

「ぼやいて、聞いて。」 ナイツ 塙宣之 左右社 

朝のNHKのラジオ番組で、俳優・エッセイストの中江有里さんの書評を聞いて、買ってみることにした。元々、私はナイツのファンで、塙さんの話を聞いたり、漫才を見たりすると、笑いが堪えなくなることがあり、楽しみにしていた。

「芸人だけどつるめない」という文句が宣伝となっている。私もそうだ。友達や仲間といるのは楽しいが、つるめない。1人が楽しい時が多いのもそうだが、相手に合わせるのが嫌い、自分がやりたいことをやりたいときにやりたいようにしたい。やりたくもないのに、友だちや仲間がしたいからするというのは、嫌だ。要はわがままなのである。

型を発見することが、「伝える」ことの近道

伝えるというのは、私が日頃仕事でも意識していること。私にとっても大切だが、生徒にとっても大切にしてほしいこと。伝えるためにはどうすればいいのか。話し方、ジェスチャー、ユーモア、時には厳しさ。塙さんが言うように、確かに「型」がある。「創造は模倣からスタートする」のである。その「型」は先輩や偉人たちなどから盗むこと。または目の前で活動や作業している生徒たちから見て学ぶこと。絶対にだれも教えてはくれない。いろんなところにピースが落ちていて、そのピースを拾い集めて、「型」にする。観察力も必要だしマメさが必要だと私は思う。「型」は型と書くのに、「形」がない。無形なものを会得するには注意深く観察して、心と頭に叩き込むしか方法はない。

作文、スピーチ、ビブリオバトル、プレゼンテーション、学校にはたくさん「伝える」活動が仕組まれている。

準備不足、練習不足、ひいては空気づくりの蓄積不足

本番が成功するかどうかは、準備がいかにできているか。「こんなことも練習するの?」ということまで練習すること。一緒に本番を迎える相手やスタッフ、会場の聴衆まで、自分のパフォーマンスに集中していただけるように、空気作りをすることが成功の秘訣だと確信している。本番の自分や本番の会場の雰囲気をシュミレーションしながら、臨場感をイメージしながら、リハーサルを重ねることで、平然と本番を行えるようになる。「すごいですね。緊張もせずに、ささーっとできるんですね。」とよく言われるけれど、そこに至るまではかなりの時間をかけている。それでも成功する時もあれば、失敗してしまうことも1度や2度ではない。

ぼやくことはとても大切で、若い人ではなく、私たちのような年齢でなくてはできないことだと思っている。若い人は若い人らしく、勢いを持って物事に取り組んでほしいし、年老いてきた私たち(先輩方に言わせれば、まだまだだと言われると思うが)は、経験をたくさんしてきて、周りをよく見渡せるようになって、若い人たちが気づかない様なことをいう必要がある。うるさがられても、ぼやいて、小言を言ったりして、そして、また若い人たちが年配になったときに、同じことが繰り返せるようにしなければならない。

なんか、そんなことを再認識させられた一冊だった。