笑顔を心がけるだけで、幸せがやってくる。Chapter 4

47 イライラしたら、自分を他人のように見つめる (p.120~121)

 人からの中傷誹謗や、理想と現実のギャップに思いどおりにいかないことからイライラしたり落ち込んだりすることが多い。心の底から感情が込み上がって何も手につかないことがある。実際は、体は動いているのであるが、心が動いていない。もっと自分を客観視できたらいいなと思う。私は「メタ認知」が高くない。というか、高くなかった。40歳過ぎてから少しずつ高くなってきて、どうすれば自分の心と体を操縦できるのか、徐々にわかってきた。一つは日記のおかげだと思う。どうすればどうなっていくのか、どのように考えれば納まりがつくのか、わかるようになってきた。

 「メタ認知」は、スポーツと同じで、やればやるほど上達します。“もう1人の自分“で見るほど、生き方が上手くなってくるのです。“もう1人の自分”をもつだけで、心を楽にする効果があります。

48 言葉の力を味方につける (p.122~123)

 本人の目の前では言えない言葉を他の人の前では発してしまう。人や出来事を悪く言えば言うほど、ましてや自分のことを悪く言えばいうほど、事態は悪い方向へ進み、ひいては自分に降りかかってくる。頭ではわかっていてもなかなか、克服できない。ポジティブな言葉を使う。

 いい言葉を選んで使えば、明るい気持ちいなって、いいことが起こりやすくなります。喜びや感謝の言葉が多い人は、顔つきまで明るく、「微笑み顔」になっていきます。人生の旅路をご機嫌に進んでいこうとする人は、どんな現実であろうと、プラスの言葉を使うことで、プラスのことに目を向けようとする習慣があります。

51 悩みは「どうして?」ではなく、「どうしたら?」で考える (p.128~129)

 「なんでこうなるの?」「なんであの人は!?」「なんでこうしなかったのか!?」と思い、怒りと悲しみがこみ上げてくることがある。しかし、これらはすべて「感情」であって、問題解決には結びついていかないことがわかった。なかなか冷静になるまでには時間がかかるが、「どうしたら?」で考えたいものだ。

 問題を解決するには「どうして?」ではなく、「どうしたら?」と考えることです。簡単に答えが出ないようなことを考えても、自分で自分を悩ませ、苦しめるだけ。これからうまくいくために、「今、自分になにができるのか?」だけをシンプルに考えてみてください。

52 どうにもならないことは、「これでいいのだ!」 (p.130~131)

失敗した経験がたくさんある。高校入試、大学入試、教員採用試験など人生の節目節目で失敗している。ここには書けないことも含めて、もちろんうまくいったこともあるが、いかなかったことが多い。しかし、5人の子どもと素敵な連れ合いに囲まれて、幸せな人生を送らせてもらっている。失敗した節目で、もし成功していたら、今みたいな人生は送れないし、今の家族で過ごすこともできない。そう考えると、「あなたはそちらの方向に行かないほうがいいよ。」と節目での失敗は、見えざる手で「進むべき道の方向の修正」をしてもらっているのかもしれない。どんなことがあっても、結果うまくいくのなら、すべて「これでいいのだ。」になる。結果はうまくいかなくても、努力さえすれば、それは自分の糧となる。

 ブッダは、「過去のことは『後悔しない』、未来のことは『不安がらない』、現在のことは『執着しない』……。つまり、後悔、不安、執着を手放せと。過去の後悔に対しては→「あれはあれでよかった。」未来の不安に対しては→「あとはなるようになる。」現在の執着に対しては→「これでいいのだ。」

54 布団の中では、いいことだけを考える (p.134~135)

 寝る直前に、「何を考えるか」はとても重要であり、いいことであれ、悪いことであれ、“無意識“の中に刻み込まれていく。行動の97%は無意識から生まれているから、自分に暗示をかけるというのは、寝る直前にすることとして重要なことである。

 「本当のところは、どうしたいの?」といつも自分に問い続け、「今日も1日、ありがとうございました。」と寝る前にすべてのことに感謝しましょう。

57 不幸な目に遭ったら、「この程度でよかった」と考える (p.140~141)

 モスリムの同僚に昔、言われたことがある。「この程度で済んでよかったですよ。家族みんなが死んでいたかもしれないんですよ。アッラーが守ってくださっていたのですよ。」旅行慣れしていない時、よくトラブルに巻き込まれては、そう言われた。「なんでこんなにトラブルに巻き込まれるのだろう?」と言うと、いつも同僚は私にそう言ってくれた。「この程度で済んでよかったですよ。」そう思うようにしている。

 ものごとの意味づけは、自分でつくり出していることに気づけば、どんな不運がやってきても、くぐり抜けていけるのではないでしょうか。

58 やさしく、おだやかに話す (p.142~143)

 自分本位の話題しか振れないし、人の悪口ばかり言っているのかもしれない。心がいつもさわさわしているのは、そのせいかもしれない。心がけよう。

 やさしく、おだやかに話す習慣がある人は、それがおだやかな感情を生み出して、平和な人間関係を作ってくれると無意識にわかっているのです。「ぜったい」「いつも」「かならず」など断定しない。