コロナ禍でもいろんな工夫をしながら、森会の英語教員は頑張っています。

7月19日(日)に中川地域交流センターで森会が行われた。今回が第40回になると言う。ここまで盛り上げてくださった会員の皆様には敬服するとともに、会員に連絡、会場の予約、テーマの設定などいつも事務作業をしてリーダーシップをとって下さっているWさんには頭が下がる思いである。これからも50回、100回目指して継続していけると、みんなの力になっていいなと思う。

今回も「指導と評価の一体化に関する参考資料」の読み込みをする予定だったが、1学期の参加者の取り組みを発表し合って時間切れで終了となった。それもそのはずで、参加者みんながコロナ禍で苦労しながらもさまざまな工夫を凝らし、一生懸命準備をして、もがきながら授業を行っていることがわかったからである。

I先生はランダムな席の配置に取り組んでいる。どんなパートナーともペアワークができなければならないし、それが引いては「クラスづくり」にも結びついているとのこと。授業前には、テレビ画面にランダムに表示された座席が映し出され、その通りに子どもたちが着席する。ランダムに表示される機能はEXCELのマクロを使ってプログラムされたものを使用しているのだそうだ(同僚のSh先生の手作り)。コロナ禍での席の工夫も話題に上がった。ソーシャルディスタンスを保ちながら、ペアワークをするにはどのようなことに気をつけたら良いのだろうか。英語の授業とはいえ、例外ではないはずである。

T先生は同じ学年を担当する英語の先生との授業の持ち方について、話題に上がった。「話す」活動と「書く」活動のバランスについて。クォリティのかなり高いプリントを使用しての授業。あまりにもスタイルが違いすぎて、また、パートナーの先生の授業があまりにも素晴らしいので、自分の授業がちっぽけに見えてしまうという話だった。学期初めにテストを作成してそれを渡しておくこと。これにより、教える内容の差が小さくなる。さらに、プレテストを作成しテスト2週間前に生徒にさせて、テストの方向性をしっかりと定めておくこと。パフォーマンステストを何回か行い、定期テストだけで成績を決定するのでは無いことなどの意見が出た。

S先生は、本会の会員でもある、全英連授業者のSh先生の授業を参考にして、PPTで本文の導入をOral Introductionしている。デジタル教科書を使用しながら自分で明示的に文法説明をせず、デジタル教科書内の外国人講師Stuart先生の説明を委ねている。授業に参加している特別支援学級の生徒たちにどのように関わればよいか悩んでいると言う。なるべくペアワークやグループワークを増やして、先生が教え込んだり支援員が手伝ったりするのではなく、生徒同士で支援し合うことが大切な旨をアドバイスした。子ども同士で学び合うことが基本である。その方がわかりやすい。

最後に、W先生。iPadを使って授業を行なっている。PPTを駆使してのOral Introductionや絵を映し出し「自己表現」活動につなげ、Review Sheetに書かせている。また、発音が焦点化されて構成されているpartがあるため、焦点化された発音を取り上げ、何度も何度も言わせて定着させようと試みた。毎回本文を扱うときに、1つか2つの発音を取り上げ、焦点化して練習していくとよいと話した。また、集中してもすぐに発音への気づきが薄れていってしまうため、何度も何度もスパイラルしながら、同じものを繰り返し練習することが大切であることを付け加えた。

今回もかなりいい学習会になっていた。それぞれが1学期に行った実践を紹介するだけで、自分を振り返るいい機会になっている。もっと刺激をもらって自分の学びにつなげていこうと思う。

星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿(訳)を読んで

小説はネタバレするのであまり書きたくなかったが、自分の感想文と読んだ本の記録として載せることにした。

【星雲賞受賞作】
月面調査員が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体は何と死後五万年を経過していることがわかった。果たして現生人類とのつながりはいかなるものなのか。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの新星が一世を風靡した出世作(Amazon解説より)

人型宇宙人が地球人と似ているのは、パラレルワールドが存在したからかもしれない。私たち人間が今存在しているのは、46億年地球が誕生して経過した時間の中で、奇跡に近いことだと言われている。長い時間かかって進化が行われ、今のような人間が存在することになった。進化している段階で、枝分かれしている段階で、別の隔絶された世界に、生物が送り込まれていたらどうなるのだろう。

SFの名作だそうだ。さまざまなことを考えさせられた。前半は我慢して読む必要はあるが、後半はあっという間だった。おもしろかった。

退職後に気をつけなければならないことがわかりました。

 実践ビジネス英語6月号 Lesson 5 「増加する退職後も働く人たち」Unretirees on the Riseを2週間聞いて

 今回のタイトルから、私にも他人事ではなく、興味をもって内容を聞くことができた。内容は、勤続41年の先輩が退職し(一生同じ会社で勤め上げる人はアメリカでは珍しい)、再就職せず、妻と100日間世界一周クルーズに出るという話。

 「引退は、誰もがいつかは経験しなくてはならないことです。人生で最も難しい時期は、初めて就職するとき、結婚するとき、子供を持つ時、そしていよいよ引退する時だ、と言われます。」(テキストより)

 62歳まで段階的定年延長になり(私の1歳下は63歳、1歳上は61歳)、あと7年半、それまでに考え方をしっかりまとめておく必要がある。「何がしたいのか(引退後)」「(そしてそのために)今どうすればいいのか「(そうなるために)どう考えたらいいのか」を少しずつ考えていこうと思っている。

There are more “unretirees” these days. 今は、「退職後も働く人たち」が増えている。

Work helps them stay mentally fit by preventing boredom or depression. 働いていれば、退屈したりふさぎ込んだりないので、精神的に元気でいやすいですからね。

About 20 percent of people 65 and older are now working. 65歳以上の人たちのおよそ20%は、現在働いている。

Many of them switch from full time to part-time employment. そういう人たちの多くは、フルタイムの雇用からパートタイムの雇用に切り換えています。

These days the trend is toward a more active form of retirement, one that includes time for both work and personal pursuits or leisure. 退職後の生活の今の傾向は、もっと行動的なものに、つまり、仕事の時間と個人的な趣味やレジャーの時間の両方を含むものに向かっています。

Successful retirees usually have strong social networks that gave their lives structure, as well as let them lives friendships and take part in fulfilling social activities. 退職後も元気でいる人は、普通、強いソーシャル・ネットワークを持っていますね。そのつながりによって、生活にメリハリがつくだけでなく、交友を楽しんだり、充実した社会的な活動に参加したりすることができるのです。

前にも「ガッテン」で見たことがある。友達が多い人は長生きの人が多いという特集である。友達が多ければ、コミュニケーションを取ることも多くなり、ボケたりせず病気になるリスクも軽減するのだとか。私は多趣味だが1人でできる趣味が多く、人と交わるのを極力避ける傾向にあるので、これからは信頼できる人は数人でいいが、遊び友達をたくさん増やしていこうと思う。

そう言えば、Quote UnQuoteのコーナーに、素敵な言葉があった。私も常に心がけていることである。To prepared is half the victory. (準備をしていれば、半ば勝ったも同然。)柔軟性を保ちながらも、用意を周到に行うことが、小さな成功の秘訣である。その小さな成功の積み重ねが大成功を生み出すのである。

ストーリー・リテリングは話す力と書く力の表現力を向上させ、伝え合う力を養うと思います。

ここ数年、「ストーリー・リテリング」に取り組んでいる。難しく、集中力が必要で、相手意識を感じながら緊張して行うので、リテリングを行うことを告げると、「エーッ!」という歓声が上がるが、ネガティブなものではなく、緊張するからやりたくない反面、力がつくからやりたいというポジティブな歓声と感じられることもある。

「ストーリー・リテリング」は、教科書本文の内容を絵、記号、単語をたよりに、教科書を見ずに、自分の言葉で再現する活動である。

語彙力(単語の定着)、話す力(発音、アクセント)の強化、内容を把握する力、書く力などに向上が見られ、ひいては、伝え合う力や表現力(書く力話す力)がアップすると思われる。単語の意味や発音、本文の内容がわからないとリテリングできないことから、集中力を絶やさずに準備しないといけない。

ストーリー・リテリングをするには、そこへ至る過程が最も大切である。手順は、リスニング Oral Introduction 新出単語の導入 1人読み 音読練習 内容理解(メインセンテンスの確認)絵を使ったModel ストーリー・リテリング ライティングの順番である。

①リスニングは閉本の状態で本文を2回聞き、概要を把握する。ペアでキャッチした言葉やフレーズを確認する。

②デジタル教科書のピクチャーカードで、スキーマを高めるため、背景知識についての教師によるOral Introductionを聴く。

③デジタル教科書で新出単語の導入→1人で練習→ペアに意味と発音を披露し確認する(1回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露(2回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露

④1人読み(音声中心)→読めない単語、間違って覚えている単語をペアで確認→ペアで解決しなかった部分を全体で共有 *まずは自分1人で読めるかどうか確認する。コーラス・リーディングを最初にすると、自分1人で読めるかどうかの確認ができない。

⑤1人読み(意味中心)→理解できない文をペアで確認→ペアで解決できなかった部分を全体で共有 *教科書にあるQ&Aやpointsなども理解度の参考にさせる。

⑥Chorus Reading(チャンク、一文)→Buzz Reading→ペアに自分の読みを披露(1回目)→1人で読みの修正練習→ペア(別)に披露(2回目)→修正練習→ペア(別)に披露(3回目)

⑦内容理解は、各パラグラフの頭に数字を入れる→各パラグラフのメインセンテンスに線を引く→メインセンテンスの確認 *メインセンテンスとは、各パラグラフを言い表す代表的な一文である。どのパラグラフにもそのパラグラフを言い表す文がある。その文をつかむことができるようになれば内容理解がスムーズになる。

⑧メインセンテンスを中心に、ストーリーを再構築して、絵を黒板に描きながら、ストーリー・リテリングのモデルを示す→個人練習(教科書を見てもいい)*暗記するのではなく、内容を自分の言葉でパートナーに伝えることが大切であることを確認。さらに、教科書は見ずに、黒板の絵だけ見て相手に内容を伝える。絵はストーリーを想起するためのVisual Aidsであることを確認。

⑨ストーリー・リテリング→ペアに披露(1回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(2回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(3回目)

⑩ライティング ストーリー・リテリングで話した内容をノートに書く(教科書を閉本)。5分くらい時間をとった後で、教科書を見ながら書いた文章を確認。綴間違えなどを修正→ペアでノートを交換し書いた内容について確認。

東京書籍’New Horizon English Course 3’のUnit3 “Fair Trade Event” part4のストーリー・リテリングの絵である。私が書いたものであるが、絵はあまり上手ではない。この絵が子どもたちのリテリングをやる際のVisual Aidsになってくれさえすれば、絵の上手下手は関係ない。メインセンテンスを中心にストーリーを再構成した。ストーリーを語る際に必要と思われる語は英語で記しておく。 子どもたちにスケッチブックに絵を描かせてやらせることもある。

ライティングの際のノートであるが、中段から下が、リテリングした内容を書いたものであるが、ほとんどの子どもたちがスラスラと書いていたが、文法上の誤りと単語のミスが目立つ。教科書を見ながら修正し、ペアでの確認の際にも加筆修正をしてもらえればダブルチェックで間違えがよくわかるのではないかと思う。

相手意識を持ちながら、内容を把握し自分の言葉で伝えるので、表現力がつく活動だと思う。さらに、正確に書く力もつく。これからも続けていきたいので、授業の様子をアップできればと思っている。

アドバイスなどがあれば、是非お願いしたい。

「語根」をイメージしながら単語を眺めると、意味が分かりやすくなることがわかりました

「続『英単語の語源図鑑』清水健二・すずきひろし著 本間昭文(イラスト) (株)かんき出版 を読んで

 コツコツ読んで、数ヶ月かかったが、とても興味深い本だった。「五弦ん」をしっかり押さえれば単語の見方が変わり、丸暗記しなくてもイメージから意味を推測することができるようになる。

 語源学習とは、「英単語を細かいパーツに分けて、それぞれのパーツの意味を関連付けながら、その単語の意味を推理する」学習であると、筆者は語る。さらに、英単語は、「接頭辞」「語根」「接尾辞」に分かれる。この本は、「語根」に焦点を当てている。「語根」とは、単語の真ん中に来て、忌みのちゅう角をなす「キー」となるものである。

 例えば、語源”-term-“は「限界、境界」という意味で、de-という接頭辞の「離れて」をつけて、determine 「迷っている、限界から離れて」→「決心する」という意味になる。term+ate(動詞に)=terminate(終わらせる)。ex(外に)+temin+ate(動詞に)→限界の外へ→絶滅させる、などと語根を押さえれば、派生語も押さえることができる。

 印象に残った部分を書き留めておくと、

① 「賞品」「賞金」のprizeは元々「つかんだもの」という語根。sur(上から)+prize(つかむ)→驚かせる。com-(共に)+prise(つかむ)→構成する

② plant, plat, flat=平らな trans(超えて)+plant(植える)→移植する ex(外へ)+plain(明白な)→明白な気持ちを外へ出す→説明する

③ sui, sue=続く、従う pur(=pro(前に))+sue(従う)→前についていく→追求する、従う suit(スーツ)はズボン(スカート)と上衣のお揃いで、「続く」という意味。

④ react=まっすぐな、導く e(外へ) +rect(まっすぐな)→まっすぐに伸びる→立てる、建てる co(r)(完全に)+rect(まっすぐな)→正しい rectは、regularのregやaddressのdressと同じ語源

⑤ tech, text=織る、組み立てる technique, technology con(共に)+text(織る)→一緒に織られた→文脈 architect, pre

⑥ tempo=時間、季節 con(共に)+tempo(時間)+ary(形容詞に)→共に時間的に→同じ時代の tempo(時間)+ary(形容詞に)→一時的な 「天ぷら」はポルトガル語のtemporas(四季に行う斎日)から

⑦ tem(p), tom =切る temp(切る)+le(指小辞)→(世俗から)切り離された atom(原子)→a(〜でない)+tom(切る)→もうきれないもの→原子

⑧ crede=信頼、信用 in(〜出ない)+cred(信用)+ible(できる)→信じられない a(c)(〜を)+credid(信用)→〜を信じる

⑨ ant, anc=前、額 adv(〜から)+ance(前)→前から進む→進む adv(〜から)+ant(前)+age→有利な点、長所

⑩ wr, war, wor=ねじる、曲げる→包む、巻きつける wrinkle→くしゃくしゃにする→しわ

単語の見方がガラッと変わる。ただ、語根をイメージできないと、単語のイメージも湧かないので、少しずつ復習しながらやっていこうと思う。