ストーリー・リテリングは話す力と書く力の表現力を向上させ、伝え合う力を養うと思います。

ここ数年、「ストーリー・リテリング」に取り組んでいる。難しく、集中力が必要で、相手意識を感じながら緊張して行うので、リテリングを行うことを告げると、「エーッ!」という歓声が上がるが、ネガティブなものではなく、緊張するからやりたくない反面、力がつくからやりたいというポジティブな歓声と感じられることもある。

「ストーリー・リテリング」は、教科書本文の内容を絵、記号、単語をたよりに、教科書を見ずに、自分の言葉で再現する活動である。

語彙力(単語の定着)、話す力(発音、アクセント)の強化、内容を把握する力、書く力などに向上が見られ、ひいては、伝え合う力や表現力(書く力話す力)がアップすると思われる。単語の意味や発音、本文の内容がわからないとリテリングできないことから、集中力を絶やさずに準備しないといけない。

ストーリー・リテリングをするには、そこへ至る過程が最も大切である。手順は、リスニング Oral Introduction 新出単語の導入 1人読み 音読練習 内容理解(メインセンテンスの確認)絵を使ったModel ストーリー・リテリング ライティングの順番である。

①リスニングは閉本の状態で本文を2回聞き、概要を把握する。ペアでキャッチした言葉やフレーズを確認する。

②デジタル教科書のピクチャーカードで、スキーマを高めるため、背景知識についての教師によるOral Introductionを聴く。

③デジタル教科書で新出単語の導入→1人で練習→ペアに意味と発音を披露し確認する(1回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露(2回目)→1人で修正練習→ペア(別のパートナー)に披露

④1人読み(音声中心)→読めない単語、間違って覚えている単語をペアで確認→ペアで解決しなかった部分を全体で共有 *まずは自分1人で読めるかどうか確認する。コーラス・リーディングを最初にすると、自分1人で読めるかどうかの確認ができない。

⑤1人読み(意味中心)→理解できない文をペアで確認→ペアで解決できなかった部分を全体で共有 *教科書にあるQ&Aやpointsなども理解度の参考にさせる。

⑥Chorus Reading(チャンク、一文)→Buzz Reading→ペアに自分の読みを披露(1回目)→1人で読みの修正練習→ペア(別)に披露(2回目)→修正練習→ペア(別)に披露(3回目)

⑦内容理解は、各パラグラフの頭に数字を入れる→各パラグラフのメインセンテンスに線を引く→メインセンテンスの確認 *メインセンテンスとは、各パラグラフを言い表す代表的な一文である。どのパラグラフにもそのパラグラフを言い表す文がある。その文をつかむことができるようになれば内容理解がスムーズになる。

⑧メインセンテンスを中心に、ストーリーを再構築して、絵を黒板に描きながら、ストーリー・リテリングのモデルを示す→個人練習(教科書を見てもいい)*暗記するのではなく、内容を自分の言葉でパートナーに伝えることが大切であることを確認。さらに、教科書は見ずに、黒板の絵だけ見て相手に内容を伝える。絵はストーリーを想起するためのVisual Aidsであることを確認。

⑨ストーリー・リテリング→ペアに披露(1回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(2回目)→自分で修正・練習→別ペアに披露(3回目)

⑩ライティング ストーリー・リテリングで話した内容をノートに書く(教科書を閉本)。5分くらい時間をとった後で、教科書を見ながら書いた文章を確認。綴間違えなどを修正→ペアでノートを交換し書いた内容について確認。

東京書籍’New Horizon English Course 3’のUnit3 “Fair Trade Event” part4のストーリー・リテリングの絵である。私が書いたものであるが、絵はあまり上手ではない。この絵が子どもたちのリテリングをやる際のVisual Aidsになってくれさえすれば、絵の上手下手は関係ない。メインセンテンスを中心にストーリーを再構成した。ストーリーを語る際に必要と思われる語は英語で記しておく。 子どもたちにスケッチブックに絵を描かせてやらせることもある。

ライティングの際のノートであるが、中段から下が、リテリングした内容を書いたものであるが、ほとんどの子どもたちがスラスラと書いていたが、文法上の誤りと単語のミスが目立つ。教科書を見ながら修正し、ペアでの確認の際にも加筆修正をしてもらえればダブルチェックで間違えがよくわかるのではないかと思う。

相手意識を持ちながら、内容を把握し自分の言葉で伝えるので、表現力がつく活動だと思う。さらに、正確に書く力もつく。これからも続けていきたいので、授業の様子をアップできればと思っている。

アドバイスなどがあれば、是非お願いしたい。

「語根」をイメージしながら単語を眺めると、意味が分かりやすくなることがわかりました

「続『英単語の語源図鑑』清水健二・すずきひろし著 本間昭文(イラスト) (株)かんき出版 を読んで

 コツコツ読んで、数ヶ月かかったが、とても興味深い本だった。「五弦ん」をしっかり押さえれば単語の見方が変わり、丸暗記しなくてもイメージから意味を推測することができるようになる。

 語源学習とは、「英単語を細かいパーツに分けて、それぞれのパーツの意味を関連付けながら、その単語の意味を推理する」学習であると、筆者は語る。さらに、英単語は、「接頭辞」「語根」「接尾辞」に分かれる。この本は、「語根」に焦点を当てている。「語根」とは、単語の真ん中に来て、忌みのちゅう角をなす「キー」となるものである。

 例えば、語源”-term-“は「限界、境界」という意味で、de-という接頭辞の「離れて」をつけて、determine 「迷っている、限界から離れて」→「決心する」という意味になる。term+ate(動詞に)=terminate(終わらせる)。ex(外に)+temin+ate(動詞に)→限界の外へ→絶滅させる、などと語根を押さえれば、派生語も押さえることができる。

 印象に残った部分を書き留めておくと、

① 「賞品」「賞金」のprizeは元々「つかんだもの」という語根。sur(上から)+prize(つかむ)→驚かせる。com-(共に)+prise(つかむ)→構成する

② plant, plat, flat=平らな trans(超えて)+plant(植える)→移植する ex(外へ)+plain(明白な)→明白な気持ちを外へ出す→説明する

③ sui, sue=続く、従う pur(=pro(前に))+sue(従う)→前についていく→追求する、従う suit(スーツ)はズボン(スカート)と上衣のお揃いで、「続く」という意味。

④ react=まっすぐな、導く e(外へ) +rect(まっすぐな)→まっすぐに伸びる→立てる、建てる co(r)(完全に)+rect(まっすぐな)→正しい rectは、regularのregやaddressのdressと同じ語源

⑤ tech, text=織る、組み立てる technique, technology con(共に)+text(織る)→一緒に織られた→文脈 architect, pre

⑥ tempo=時間、季節 con(共に)+tempo(時間)+ary(形容詞に)→共に時間的に→同じ時代の tempo(時間)+ary(形容詞に)→一時的な 「天ぷら」はポルトガル語のtemporas(四季に行う斎日)から

⑦ tem(p), tom =切る temp(切る)+le(指小辞)→(世俗から)切り離された atom(原子)→a(〜でない)+tom(切る)→もうきれないもの→原子

⑧ crede=信頼、信用 in(〜出ない)+cred(信用)+ible(できる)→信じられない a(c)(〜を)+credid(信用)→〜を信じる

⑨ ant, anc=前、額 adv(〜から)+ance(前)→前から進む→進む adv(〜から)+ant(前)+age→有利な点、長所

⑩ wr, war, wor=ねじる、曲げる→包む、巻きつける wrinkle→くしゃくしゃにする→しわ

単語の見方がガラッと変わる。ただ、語根をイメージできないと、単語のイメージも湧かないので、少しずつ復習しながらやっていこうと思う。