「週末課題」について

週末課題に取り組み始めて、5年くらいが経過した。きっかけは、BENESSEが主催した英語教育セミナーに参加し、実践発表を聞いたことである。石川県七尾市の小中高連携についてであった。七尾市は近隣の中学校区とその校区内にある七尾高校で連携し英語教育を行い、成果を上げている。BENESSEのGTECを受験し、苦手ポイントを洗い出し、長期的にその部分を鍛え成果を上げていった。その子どもたちの苦手ポイントが英作文であった。私の勤務校も含めどこの学校もそうだと思うが、書くこと、殊更自己表現については苦手意識を抱えている子どもは多い。この地域も他の技能より低かったようだ。その苦手ポイントを克服するために、週末課題を行おうということになった。

週末課題というのは、英作文に特化して、毎週末に与える自由英作文である。生徒の発達段階や習熟度に応じて、内容を変えることができる。1年生の最初であれば、「3文、10語以上」というルールを設定して、内容は「好きなスポーツ」「好きな教科」など、書きやすく教科書などを参考にできるような題目を与えると良い。2年生や3年生になれば、発達段階に応じて、ルールや内容も難易度を上げてやると英作文の力がつく。現在では3年生を担当しているのだが、「55語以上、10分以上、接続詞を使うこと」など、ルールをいくつか設け、出題している。ただ一つ大切なことは、毎週提出させることである。

毎週提出させることで、書くことに抵抗が無くなるし、慣れてくる。ここが最も大切なことである。英作文を嫌がる生徒は多いが、大半が「あまり書いたことがないので、書きたがらない」ことである。しかも、本質的には自己表現したいのに、成長段階からか自己表現することが恥ずかしくて仕方がない年代でもある。指導の中でも、英文や英単語を視写することが英作文だと信じている英語教員もおり、自分の気持ちや考えを英文にするということは、新学習指導要領でも目標に掲げられているにもかかわらず、現場では行われていることが少ない。考えや思いをまとまった文にするということは、難しいことである。授業の中だけではその力をつけていくには時間が少なすぎるため、週末課題を行い、step by stepで、scaffoldingを与えながら、継続的に行うことが肝要である。このstep by stepとscaffoldingのさじ加減が教員の腕の見せ所だと思っている。

さらに、「writingは、exposeすること」という主張をしているのは、動機付けの学者である、Zoltan Donyeの言葉である。「成果物を人から見てもらえなければやる気が出ない。」逆に言うと、「せっかく作ったものだから、人に見てもらいたい。」という気持ちを醸成することである。人目に触れるとなれば自ずと頑張って仕上げるものである。ジャーナル化(子どもたちの成果物をコピーして配付、またはPCで打ち替えて配付)したり、掲示したり、授業の際に読んだりすることで、exposeすることができる。

詳しくデータを取ったわけではないが、これによって、自由英作文へのハードルは相当下がったと自負している。今年度はコロナの影響で臨時休校が続いたため、9月初旬になってもまだ7回目と、数少ない回数ではあるが、三重県公立高校の入試では必ず自由英作文は出題されるため、教科書のLet’s WRITEと連動させながらも、毎週続けていきたいと考えている。提出する習慣が付かない生徒が若干名いるが、Slower Learnerも私が提示した例文を写すだけでもよいと励ましながら、毎週提出するよう促している。

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