「三角柱」の話

「幸せになる勇気〜自己啓発の源流「アドラーの教え!!」」(岸見一郎、古賀史健著)ダイヤモンド社

「嫌われる勇気」に引き続き、「幸せになる勇気」を読んでいる。これらは、アドラー心理学について、根本の考えから、青年と哲人が対話形式で、語っていくれている。とても読みやすく理解がしやすい。何冊もアドラーについては読んでいるが、この2冊がおすすめである。

その中でも、自分が心にひっかかった部分があり、全編ではなく、この部分だけ紹介しようと考えた。

アドラーが唱える「三角柱」がある。紙を三等分して折、立てれば三角柱になる。三角面あるので、一面には「かわいそうな自分」、もう一面には「ひどいことをする相手」と書く。アドラーがカウンセリングをするときに使うものであるが、もう一面はカウンセラーであるアドラーに向けておく。

カウンセリングを展開する中で、さまざまな悩みやこれまでのことを相談者は語っていく。「ひどい人にひどいことをされて、かわいそうな自分」これは、相談者の目の前にある三角柱に書かれている。

話が一通り終わったところで、カウンセラーが相談者に見えていなかった、もう一面を裏向けて見せる。そこには、「これからどうする?」と書かれている。

過去のことは、確かに辛くて、死ぬほど苦しかったかもしれないけれど、結局変えられない事実として残っていて、その辛さを抱えている自分を前向きに変えていくには、「これからどうする」という変えられる未来を考える事が1番大切である、ということをアドラーは唱えている。

私がいい例である。「ひどい人」「かわいそうな自分」とこの2つしか考えていない。これをカウンセラーにひたすら語っていたことを覚えている。この2つに関して、同意して欲しいのだ。共感して欲しいのだ。しかし、実際、これでは解決にはならず、いっときの安穏を得ただけである。本当に考えなければならないのは、「これからどうする?」というこの1点だけだ。

なかなか、「これからどうする?」の部分を考えられるようになるまでには、心の傷が癒えず、パワーもないので、時間はかかると思うが、常にそう考えていくようにしようと心に留めておこうと思う。

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