英語教育1月号を読んで

第1特集「指導・学校・研究・・・もっとあれこれ 英語教育の当たり前を疑う」 第2特集「いまさら聞けない 高校新課程どこがどう変わる?」

教科書の音読って必要? 小菅敦子(元東京学芸大学附属世田谷中学校・武蔵野大学他)

新学習指導要領に変わってから指導内容が多くなり、ペースがつかめないこともあって、音読がやや疎かになっている。ここにきて、少しやり方を考えなければならないと考えていた。Chorus Readingについて、「教師は生徒が本当に教科書の文字を見ながら読んでいるか観察し、生徒の発する英語の音に耳を傾ける。」大きく、みんな揃っている方が美しく見えるし整って聞こえるが、果たしてみんなしっかり言えているかどうかは疑問だ。文字を見ながら口を開いて言えているかどうかが問題。Buzz Readingについて、「少なくとも2回読ませることを推奨したい。」slower learnerが1回読めるような配慮もある。 Individual Readingについて、「仕上げとして、生徒一人ひとりに読ませて、クラス全体に聞いてもらう機会を作りたい。」私の授業で言えば、exciting timeで、名前の書いているカードを引いて、その生徒たちに読ませると良いかもしれない。

ドリルや練習って必要?ーリスニング力向上の視点から 藤田義人(昭和学院秀英中学校高等学校教諭)

脳内にある音声と実際に話される音声がずれていることから、聞き取れないことがある。それに対処するために、「脳内にある自分の音声仮説と本物の音声とのずれを認識させる。その後、スクリプトと及び音声を確認した上で、生徒の音声仮説を修正させることになる。」また、「実際、授業の最後には完璧に聞けたと思っていた素材でも、少し時間が経つとすぐに聞き取れなくなるものである。それは生徒の脳内にある音声モデルがまだ不安定なためだ。その意味でも、家庭学習でもしっかり練習することで揺るぎのないリスニング力をつけるよう伝えている。」と、家庭学習でのリスニング学習を繰り返し行い、ルーティーン化すること促している。

困りのある生徒への必要な支援 UDの視点を持って教材を作成する 佐藤良子(麗澤大学講師)

テストの解答欄について、丸括弧(  )では、学習者に余計な負担をかけてしまうことが提案されている。言われてみれば納得。「罫線や枠で設けられた記入欄とは異なり、答えを水平に書くことが難しく感じる生徒もいるからです。」

マーケティングには「キャズム理論」というものがあり、集団全体の16%の人々が使用するようになると、その商品は一気に市場を席捲する。(佐藤明彦 教育ジャーナリスト)

めあての設定をしっかりすること。そのめあてにどれだけ迫れているか「中間指導」をすること、そして、その時間の「到達目標が達成されているか」振り返りカード等でチェックすること(太田洋 東京家政大学教授)

高等学校新学習指導要領の実施に向けてー指導と評価の一体化の実現 富高雅代(文部科学省教科調査官)

「指導と評価の一体化」の具体 ⑥主体的に学習に取り組む態度の評価について 目的や場面、状況などに応じた言語活動を行うためには、「外国語の背景にある文化に対する理解」、「聞き手、読み手、話し手、書き手に配慮」を伴う必要がることに鑑み、生徒が目的や場面に応じたコミュニケーションを図ろうとしている場面で、主体的に学習に取り組む態度を看取る必要がある。言語活動の場面で、思判表と主体的は一体的に行うことができる。両評価は一致することが多い。

高校の新しい学習評価に向けてーまずは評価基準を作成しよう (本田敏幸 千代田区立九段中等教育学校講師)

思判表の評価規準の例 コミュニケーションを行う目的や場面、状況などを記述し、特定の言語材料は考えない、また、文尾を「〜している」とする。主体的の評価規準の例、原則として、「思判表」の評価基準の文尾を「〜しようとしている」に替える。

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第10回 第3章「編集力を鍛える」②「レアリア(実物教材)が「やりたい!」を引き出す」(中嶋洋一 関西外国語大学教授ほか)

“Realia-レアリア(実物教材)“の力である。さらに「即興の活動」「自分なりの考え」「自己責任」「制限時間」などの要素が加わるので、時間を忘れて取り組むようになる。学習の目的は、知識の獲得でも、試験に合格するためでもない。「概念形成」のためである。学習をとおして、自分の「概念」をさらに深く豊かにするためだ。人は生涯をかけて「学習」し続ける存在なのである。

英語の文字の指導法 第10回 指導の実際⑥ 手島良(武蔵高等学校中学校教諭)

「2線指導」の意義 自分が書こうとしている文字が、1 この2線間に収まるか、2 上に少しはみ出るか、3 下に少しはみ出るか、4 それ以外か、

「総選挙」は、general election、「解散総選挙」は、snap election

ブリティッシュ・カウンシルpresents English Richな授業のための指導技術ブラッシュアップ講座 第3回 「音読指導のブラッシュアップ」(ロス・マルコム、河合千尋 ブリティッシュ・カウンシル)

音読により2つの力を育てることができます。1つはデコーディング(文字の音声化)で、単語の綴りと音を正確に一致させることができる力です。もう1つはプロソディ(韻律)。これは適切な間、強勢、抑揚で音読できる力で、この力があると読み手がどの程度内容を理解しているかが聞き手に伝わります。

英作文の知識としては、仮定法の帰結節に現れる法助動詞として全人称に対して使えるwould, could, mightのみを教えれば良い。ただし、受容の知識として、主語が1人称のI/weの場合、帰結節にshouldが現れることがあり、その場合、wouldと同様の意で義務の意味はないことを英語教員や学習の進んだ生徒は理解しておくべきである。(野村忠央 立教大学准教授)


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