二軍監督の仕事 育てるためなら負けてもいい 高津臣吾 光文社新書 2018年11月20日
何となくは知っていたが、なかなか、二軍でどのようなことがされているのか、その時の監督の気持ちはどうなのか、触れ合う機会がない。去年最下位から日本一になった高津臣吾監督が二軍監督時代に書かれた著書だ。野球が大好きなので、本当に楽しみに少しずつ読ませてもらった。二軍での話ばかりではなく、ご自身がヤクルト→ホワイトソックス(メジャー)→台湾→韓国→独立リーグ→1軍ピッチングコーチ→2軍監督→1軍監督と渡り歩いていくうちに、感じたことや培ったことを書いてくれている。メジャーと日本の違い、セ・リーグとパ・リーグの違い、ウエスタンリーグとイースタンリーグとの違い、本当におもしろかった。
あらすじ(Amazon HPより)
日本プロ野球、メジャーリーグで抑え投手として活躍し、韓国、台湾、独立リーグでもプレーした経験を持つ現役二軍監督の著者が、定評のある、その育成・指導方法と、野球の新たな可能性を語りつくします。「キーとなる打順は2番、6番、9番」「クローザーを先発起用するオープナー」「極端な守りのシフトは日本でも有効か?」といった、野球に関する最先端の話題も盛りだくさんで、スワローズファンのみならず、野球ファンなら誰でも楽しめる内容です。以下、本文の引用です。2年間、監督をやってみて、「二軍監督の仕事って、結局のところなんだろう?」と、時々考えること
がある。ファームの試合では、若手、あるいは調整に来ているベテランを起用しつつ、試合の指揮を執る。しかし、そこにいたるまでに、プロ野球の球団ではたくさんの意思決定、プランの作成が行われている。僕は今回、プロ野球の二軍という、人材育成の場でどんなことが考えられ、行われているのかを紹介しつつ、改めて二軍監督の仕事というものを見つめ直そうと思っている。(中略) それでも、最終的に二軍監督として僕が心がけるべきことは、いたってシンプルだと思う。 選手が気分良くプレーできるかどうか、その環境を整えることを忘れないということだ。(序章より)