英語教育7月号を読んで

英語教育7月号 大修館書店 July 2021 Vol.70 No.4

第1特集 自然な場面設定で 「使える」にシフトする文法指導  第2特集 何を・どう学べる?「教職大学院」  第3特集 気軽に参加してみよう 夏のオンライン学会「推し」プログラム

「自然な場面で英語の形式に触れる小学校英語の指導アイディア」 長沼久美子(横須賀市立鶴久保小学校教諭)

「どうしてこの時期なの?」と、むしろモチベーションを下げることにつながるでしょう。過去形を扱う場合は、過去のことを伝える必然性が重要で、タイビングを逃してはいけません。夏休みの思い出を語るのに、10月や11月では、いいたいという気持ちを削いでしまう。常に必然性を考えるべき。

大学入試共通テストから「目的・場面・状況」を考えるー定期テストで文法を扱うときに気をつけたいこと」 鈴木祐一(神奈川大学准教授)

英語教師として求められるのは評価の仕方だと思う。パフォーマンステストでは、生徒の「文法力」に関して評価しない部分をはっきりさせる方がわかりやすいだろう。例えば、「Key Sentenceに含まれるような文法事項は理解ができればOK。離したり書いたりする際の正確さは執拗に求めすぎない」という基準の方が、多くの学校で現実的だろう。そもそも、状況・場面に即して自然な文法表現を使えるか、という観点での評価がどのくらい現実的なものなのか? ①臨場感のある目的・場面・状況の設定をして、生徒のやる気を引き出す(演出)②読んだ情報を別の形式で整理・活用させる中で文法をテストする(本質)

雑感1 水曜日はALTのYolaineが授業に来てくれる日なので、新出事項の口頭導入、ペア活動の後、その活動した内容を書かせる。それの添削をALTにお願いする。そのペーパーは定期テストやパフォーマンステストまで保管するよう指導。

雑感2 単元末活動のプレゼンの3〜4日前には、中間発表と中間指導を行う。そのためには、その前の週の週末課題は、必ず、発表原稿を書かせ添削してやること。金曜日 週末課題提示→月曜日 週末課題提出・添削・返却→水曜日 ALT →木曜日 中間発表・中間指導→月曜日 単元末活動プレゼン発表

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第4回第1章「読解力を鍛える」④ 脱「教師のSOS」で授業は「3K型」になる 中嶋洋一(関西外国語大学教授)他

「教師には、長年のうちに染み付いたSOSという癖があります。(S)しゃべりたがる、(O)おしえたがる、(S)しきたがる です。癖はなかなか治りません。それに対して、児童生徒は、自分で(K)きづきたい、仲間と(K)かかわりたい、自分で(K)きめたい、という願いを持っている。

英語の文字の指導法 第4回 書体の変化に合わせて指導法の変革も! 手島良(武蔵高等学校中学校教諭)

アルファベット順に書かせない 英国におけるモイ指導法の根本にあるのは、アルファベット順に書く練習はさせない、ということです。なぜなのでしょうか。時計回りの書き順と反時計回りの書き順がある。形は、長円と縦棒がある。このように、a,d,g,qやh,m,n,rはそれぞれ同じ運筆で書ける文字のグループに属している。同じ文字のグループ別に練習させると良い。

英語教育6月号を読んで

英語教育2021年6月号(大修館書店)2021 Vol.70 No.3

拡大特集 つなげて見直す 聞くこと↔︎発音の指導 part1 音に親しみ、やりとりの中で聞く指導 part2 コロナ禍での発音指導 part3 量と内容を聴きこなす指導

オンラインコンテンツを利用したリスニング学習 横本勝也(上智大学特任准教授)

精聴のためのコンテンツと活用方法①  Randall’s ESL Cyber Listening Lab

Randall’s ESL Cyber listening Lab

精聴のためのコンテンツと活用方法② TEDTalk Lessons(ed.ted.com/lessons)

https://www.ed.ted.com/lessons

多聴のためのコンテンツと活用方法

「嫌われる勇気」を読んで、自己貢献感が大切であることがわかりました

「嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え」(ダイヤモンド社)岸見一郎、古賀史健 著

気づいたらアドラー心理学の本をたくさん読んでいる。引かれる部分が多いように思う。

「原因論」と「目的論」がある。アドラー心理学では、「目的論」の立場を取っている。原因論は、「私は貧乏だから不幸である」と考える。目的論は、「私は不幸になりたかったので、(その理由として)貧乏であることを持ち出してきた」。

「いまの自分」を受け入れて、たとえ結果がどうであったとしても前に踏み出す勇気を持つこと。それを、「勇気づけ」と呼んでいる。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」もしこの世から対人関係がなくなってしまえば、他者がいなくなって仕舞えば、あらゆる悩みも消え去ってしまう。

劣等感と劣等感コンプレックスを使い分ける必要がある。劣等感は悪いものではなく、そのことがあるからもっと努力しようと動機付けになるものである。「私は学歴が低いから人一倍努力しないと」。しかし、劣等感コンプレックスは、自らの劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態のことを指す。「私は器量が悪いから、結局できない」。

自慢は劣等感の裏返し。劣等感そのものを先鋭化させることによって、特異な優越感に至るパターン、「不幸自慢」。自らの不幸を武器に、相手を支配しようとする。

対人関係を競争で考え、他者の幸福を「わたしの負け」であるかのように捉えているから、祝福できない。「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば、世界の見え方は全く違ったものになる。

人生のタスク 行動面の目標 ①自立すること ②社会と調和して暮らせること 心理面の目標 ①わたしには能力がある、という意識 ②人々はわたしの仲間であると、という意識 これらの目標は「人生のタスク」と向き合うことで達成できる

「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを切り離していく必要がある。他者の課題に踏み込まない。あらゆる人間関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むことー或いは自分の課題に土足で踏み込まれることーによって引き起こされる。いくら言っても勉強しない子どもに無理やり勉強させようとする親の立場もその一つ。勉強するしないは他者(子ども)の課題。そこに無理やり入り込もうとするのは他者の課題に踏み込んでいる。

他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。つまり自由にはなれない。

他者からどう見られているかばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルである。

「人生のタスク」に立ち向かうこと。「わたしはこの人に何を与えられるか?」それが共同体へのコミットである。何かを与えてこそ、自らの居場所を得ることができる。所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくものである。

介入と援助の違いがある。「介入」とは自分の課題でないのに土足で踏み込んで「やりなさい」と命令すること(子どもの課題なのに勉強しろと命令すること)、に対して、「援助」は課題の分業がしっかりなされている上で、自分の課題と違うとわかりながらも他人の課題に対して何かできることはないか探すこと。「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」

課題に立ち向かうのは本人で、その決心をするのも本人。こうした横の関係に基づく援助のことを、「勇気づけ」と呼んでいる。

人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思た時にこそ、自らの価値を実感できる。つまり他者に働きかけ、「わたしは誰かの役に立っている」と思えること。他者から「良い」と評価されるのではなく、自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること。

自己肯定と自己受容の違い。「自己肯定」は、できないのに「自分はできる」と自分を思い込ませること。「自己受容」は、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えること。交換不能なものを受け入れること。ありのままの「このわたし」を受け入れること。そして、変えられるものについては、変えていく「勇気」を持つこと。

「信じる」という言葉を、信用と信頼とに区別して考える。「信用」とは条件付きの話。対人関係の基礎は「信用」ではなく「信頼」である。他者を信じるにあたって、一切の条件をつけないこと。自分が裏切った側の立場になって考えてみると、あなたから裏切られてもなお、無条件に信じ続けてくれる人がいる。どんな仕打ちを受けても、信頼してくれる人がいる。そんな人に対して、あなたは何度も背信行為を働くことができるか。

「幸福とは、貢献感である。」

英語教育5月号を読んで

英語教育2021年5月号(大修館書店)2021 Vol.70 No.2

第1特集「端末が教室にやってくる! GIGAスクール環境を生かした指導アイディア」 第2特集「大学入学共通テストのインパクト 授業・英語力はどう変わる?」

ICT時代に教師に必要なチカラ 正頭英和(立命館小学校ICT教育部長)

問題解決力から問題発見力へ 子どもたちが自ら「問い」を持つこと(問題発見力)がむしろ非常に重要になってきました。「自ら問いを持ち、自分なりの方法で、自分なりの答えを導き出す」、このような教育手法は「PBL(Problem-based Learning)」や「探究」と表現されることが多いのですが、私が最も難しいと感じるのは、「問いを持つ」という段階です。「問いを見つけましょう」という投げかけだけで見つけられることは、ほぼないでしょう。

生徒の主体的な学びをサポートするICT機器ー海外とのリモート対話実践 今田健蔵(東京大学教育学部附属中等教育学校教諭)

「『主体的な学び』とは指示されて行う学びではない。」と定義するとよいでしょう。自己選択をさせるだけで、教師と子どもとのやりとりが生まれ、教師が一方的に話す展開は減ってきます。

高精度教育ビッグデータを生かした効果的な英単語学習マイクロステップ・スタディ 寺澤孝文(岡山大学教授)

単語は時間をおいて復習する方が記憶に残りやすいことがわかった。詰め込んでも使える英語としては効果が薄い。ある意味わかっていたことであったが、改めて記事を読むと納得できる。

1日の中で行われる6回以上の反復学習の効果は、実力レベルの成績に反映されない。つまり、同じ英単語を1日に6回以上反復学習しても実力レベルの語彙力には効果を持たず、無駄になっていることがわかりました。漢字の難しい読みの学習については、3回以上反復しても効果が積み上がらない。英単語の学習は、1語に固執せず、1日の中で反復学習する回数は少なくし、長期に間隔を空けて行い、そう学習回数を増やすことが何より重要。

指導の当たり前を疑う 奥住 桂(帝京大学講師)「テスト問題に『場面』って必要!?

今回の共通テストでは、「あなたのルームメイトのジュリーが・・・・・」「あなたの通っている学校・・・」というようにYouやYourという語を多用して、テスト問題と受験生を結びつける工夫がされていました。受験生にとって身近な話題や場面を設定することで、読解の心理的なハードルを下げる効果が期待されているのだと思い余す。

高校3年間のスピーキング力の発達を探る 学習者コーパス研究から 第2回 「スピーキング力と関わる言語項目の発達」 小林雄一郎先生(日本大学専任講師)

制限時間内にたくさんの単語を話し、長い文を作れる生徒は、前置詞や接続詞の相対頻度が高い。冠詞の相対頻度も増えている。reallyやsoなどの協調表現が使用される傾向も見られる。スピーキング力の高い生徒は、これらの表現を使うことで、客観的に事実を述べるだけでなく、自分の主観や感情を交えて話していることがわかる。1人称は、スピーキング力が上がるにつれて、相対頻度が減少していく。

第2回「道徳 愉しみ会」に参加して

2021年5月23日(日)9:15〜12:00 Zoom研修 主宰 柴田八重子先生

Society 5.0について、柴田先生から、「どうしてSociety 5.0と道徳を関連させて考えなければならないか」についてお話をしていただいた。3.0は「工業」、4.0は「情報」。5.0は「サイバー空間、フィジカル空間の融合」。心に残ったお話としては、「『データ』『情報』は人と人が関わりを持てば価値は上がる。」「競争を自己否定しながら、協働で共創を実感し、共同を知る。」「自分たち無価値に見える→拝聴の意義感」「自分たちの価値観の成果、変化、いろんな意見をもらって今変わろうとしている学び合いの成長実感」「協働のエージェンシー」「集団・社会 多くの人々のwell-being→社会のwell-beingへの変革」

明星学苑附属明星小学校 丸山先生 自分たちの課題を設定(なかなか設定できないが繰り返し練習でできるようになる)→自分ごとにする(ICTを使って)見える化する

犬山中学校 増田先生 Society 5.0 SDGsの視点から 人間の弱みを自覚する→弱みを強みに変える 命あるもの全てと共生→感性を磨く 中心発問「心のベルとは何だろうか?」→「なぜ心のベルを鳴らすことができなかったのだろうか?」弱みを強みに変えられる発問の工夫。人間の弱みを自覚する 命あるものすべてと共生 弱い部分を自覚させる

名張中学校 越智先生 導入「自己課題の決定」 活用①「自分の意見を持つ」活用②「他者の意見を知る」活用③「他者と議論する」まとめ「もう一度自分の意見を考える」終末「他人の意見で変わったところ」これらをロイロノートで行うことにより、匿名で他者の意見を知ることができる。みんなの中で自分も変われたんだよね。買われたことが成長なんだよね。

文科省調査官 浅見哲也先生 道徳オリエンテーションで何をするか。「道徳とは何を学ぶ学習なのか」「道徳の本質とは何か」よりよく生きるための営みを教える 道徳とは自己を見つめ、多面的多角的、自己の生き方について知ること 自己関与→自分のもの自分に関係あるもの

弱みを強みに変えるよう仕組む中心発問を用意する。

必ず自己課題を設定する

タブレットを使えば、全員の(匿名だが本音の)意見が拾える。外国籍の子ども達の声が拾える。翻訳ソフトも使いながら、内容を理解することが容易になる。

「最後のパートナー」を指導した

2021年5月11日(火)6限目 2年A組、5月17日(月)6限目 2B「最後のパートナー」

この回も担任が出張代わりの研修で校内に入るのだが、Zoomでの研修のため、代理で担任ではない私が行なった。4月の第1回「道徳オリエンテーション」からずっと登場しているので、子どもたちもいささか嫌気がさしているのではないかと邪推してしまう。

しかし、今回も図らずも、「神回」になった。オリエンテーションをしたからか。子どもたちの力なのか。私の指導力のおかげか。3つ目はないとしても、いい意見がたくさん出た。

盲導犬の話である。繁殖ボランティアからパピーウォーカーへ託されて、1歳になると訓練センターで候補犬として盲導犬になるための訓練を受ける。全ての候補犬が盲導犬になれるわけではない。そして盲導犬として活躍した後、退役ボランティアに託されて最後を看取られる。

「生命への尊厳」を考える授業である。主発問は一つに絞ってあった。「どうして死ぬとわかっている犬を(退役ボランティアが)預かるのか?」子どもが考えやすい部分にした。

「余生を楽しく過ごしてもらいたいから」「人のために頑張ってきた盲導犬だから、感謝(恩返し)したい」「家庭犬としてかわいがってもらう経験もしてほしい」「生命の尊厳を考えた時、ほったらかしでいいわけはない」など、いろんな意見が出た。

この「生命への尊厳」では、生命の連続性について理解を深めることと学習指導要領ではなっているので、その部分についても突いてみると、「全ての命(動物や植物)をいただいて人間は生きている」や「いただきますと食事の時に言うことの大切さ」などの意見も出ていた。

深く議論し、それを聞き合える、言い合える、仲間が増えてきているように思う。

「自分の弱さと戦え」を指導した

紆余曲折あって、担任ではなく、私が指導することになった。

この学年(2年生)には飛び込みで入ったので、どんな道徳になるか期待していたが、正直、1年で数回しか巡り会えない「神回」だった。

子どもたちの発言が素晴らしかった。

「自分の弱さと戦え」というタイトルで、車椅子テニスプレーヤーの国枝慎吾さんのお話しである。

オリンピックや世界大会で金メダルをいくつも獲得した国枝さんは、もう超える壁がない所までたどり着いてしまい、自分を見失う中、実は自分は今、超える壁がないという壁に阻まれていることに気づく。そして、敵と戦っているのではない、自分と戦っているのだということに気づく。アンクインというメンタルトレーナーと出会い、自分を超えられないから自分に自信が持てない、自分の弱さを克服できないことを思い知らされる。そのことを認識してからは、再び世界の第一戦で活躍できるようになった。

授業冒頭で、「あなたの弱さはどこですか?」と質問。最初から下ネタで返してくる生徒がおり閉口。しかし冒頭だったので我慢して気を取り直して授業を続行。「人を見下すことがある」、「勉強が嫌い」、「思ったことが言えないので、後から悔やむことが多い」など、弱さを曝け出してくれる生徒が多かった。

中心発問は、「・・・『精神面の殻が破れた瞬間だった』とあるが、国枝さんにとって精神面の殻を破るとはどういうことか」であった。アイウエオの部屋に分けて、考えさせた。たくさんの意見が出た。「国枝さんは自分と向き合っていなかったので、向き合えるようになった瞬間」や「自分の弱さに気づけた瞬間」。すかさず、自分に返すように仕向けると、自分のことを語ってくれる人が多かった。

みんなも一人一人の発表を体を向けて聞いてくれており、発表が終わると拍手をしてくれ、こっちがたくさん勉強させてもらい、感動してしまった。

私も負けてはいられない。もっと道徳を頑張ろう。

生徒諸君、神回をありがとう。

英語教育4月号を読んで

「英語教育4月号」April 2021 Vol.70 No.1 大修館書店

第1特集「新学期に備えて マイチェックリストを作ろう」 第2特集「小学校からバトンをつなぐ 中学校新課程キックオフ」

「ちょっとした工夫で生徒の発話を活発に 身のあるスピーキング指導のためのチェックリスト」(ドルトン東京学園中等部・高等部主事)

活動に「言いたくなる」「聞きたくなる」場面を作り、その場面にあった言葉がすらすらと口から出てくるように導く十分な「練習」の機会を設けることが大切だ。

これは毎回このコラムにもメモとして残していることである。子どもたちが「やりたい」という気持ちを喚起するような教材を準備する必要がある。それがYouTubeにはたくさん転がっているようだ。

効果的なライティング活動の実践に向けた教師のためのTo Do型チェックリスト(玉川大学教授 工藤洋路)

ライティング活動が私にとっても現在の中学校英語教育においても、大きな課題となっている。

各プロセスは、planning, translating, reviewingの3段階に分けられる。

工藤先生は、事前チェックとして、次のようなリストをあげている。

ライティング活動の事前にチェックリスト

①まずは、教師が書く ②課題の指示文(プロンプト)を分析する ③テキストタイプへの意識を高める ④モデル文が必要かどうかを検討する ⑤指導する下位技能を明確にする ⑥既習事項との関連を調べる ⑦期待する作文の例を作成する ⑧必要な支援を具体的に考える ⑨パラレルタスクを思い描く ⑩生徒の意欲を高める方法を考案する 

②について、読み手(例:ALTの先生)、書く目的(例:助言をする)、状況(例:相手が悩んでいる)といったことを、必要に応じて設定することが求められる。

⑨について、指導で大切なことは、その活動で生徒が各英文の質を上げることだけではなく、他のトピックでも対応できる汎用性のある力を育成すること。

英語プレゼンテーションの準備指導におけるチェックリスト(早稲田大学高等学院教諭 佐伯卓哉)

準備指導のチェックリスト

①見本となるプレゼンテーションを示す ②プレゼンテーションの構成や、発表上のルールを確認する ③発表時間だけではなく、原稿に必要な語数も提示する ④効果的なプレゼンテーションの始め方(hook)を紹介する ⑤PowerPointを使う目的を説明する ⑥PowerPointは、原稿を書いた後に作成するよう指示する ⑦PowerPointでは、アニメーションやそのほか不要な要素を取り除くよう促す ⑧プレゼンテーションは才能やセンスではなく、練習量が重要であることを説明する ⑨伝わりやすい話し方(chunk, pace, pause, volumeなど)について確認する ⑩授業で発表する際は、発表者と聞き手の間にある教卓を移動する

②について、特に原稿の持ち込みに関しては、音読大会にならないように「持ち込み不可」とするのか、「持ち込みかだが、見るのは3回まで」とするのか、などのルールを決めておきたい。③について、高校生のプレゼンテーションでは1分間120words程度が適切であろう。④について、「何を伝えるのか」だけではなく、「どのように伝えるのか」も重要であることを理解する必要がある。そこで、生徒には効果的なつかみ(hook)の使用を促したい。⑨について、意味のまとまりを意識し(chunk)、内容や語句の意味に応じて話す速さを変え(pace)、重要なことを言う前に小さな間を取り(pause)、聞き手の注意を引きたい時にあえて小さな声を使う(volume)など、話し方の工夫について確認したい。

生徒とつながる・生徒がつながるクラスの関係づくりのチェックリスト(宇都宮大学助教 田村岳充)

SAFE ENVIRONMENT(居場所のある学び場)・All of us in the class try to use English. I am one of them. ・I feel safe in a warm, friendly environment. ・I can create an environment for communication with my classmates and teachers through English.

FEELLINGG OF BELONGING(「1人じゃない」という所属感) ・I am here in this class. I am happy to belong to this class. ・I can help my classmates. ・I am ready to work with my classmates. ・I will support my classmates. They will support me. My teachers will support us.

THIS SPIRIT OF LOVE(生徒とつながりを持つ教師) ・L…Listen carefully with good eye contact and a smile. ・O…Open my heart to the students and understand more one another. ・V…Volunteer to help the students have confidence. ・E…Enjoy the class together.

【生徒とつながるための10のチェックリスト】①朝、生徒たちを出迎え、声をかける②休み時間、廊下で生徒たちと雑談をする③生徒に求めることは、まずは自分から行う④生徒の声に耳を傾けて聴く⑤ゴールを共有する⑥ルールを生徒たち自身で作らせ、守らせる⑦対話を重視する[授業において]⑧生徒の様子を丁寧に観察する⑨意図的な指名を行う⑩フィードバックをしっかり行う

【生徒がつながるための3つのチェックリスト】①聞き合う関わりを作る ②互いの良さを認め合う機会を作る ③助け合い、学び合う機会を作る

授業力は「書く力」に比例する 教師のための綴り方教室から 第1回第1章「読解力を鍛える」① 教師に「読解力」がつくと授業力も向上する 中嶋洋一(関西外国語大学教授)

やはり、目場状(目的・場面・状況)が重要。何のために、この活動をやるのか、どんな目的で、この文章を書くのか。常に考えて、取り組むことが大切。

「中3の授業で「尊敬する人を紹介しよう」と呼びかけても、発表に深まりは生まれない。「何のため」と「誰に」が設定されていないからだ。」「教師の指示はこうだ。「週末に3人で遊ぶことになりました。話し合って行き先を1つ決めます。場所の候補は、友達の家、モール、公園などです。全員が納得する場所を1つ決めてください。」

英語の文字の指導法(手島良 武蔵高校中学校教諭) 

今年度の教科書から手書き文字の手本が劇的に変化。「現代体」と呼ぶ。

ここが変わった新課程中学校英語指導5つのポイント(山田誠志 文科省教科調査官)

「知識及び技能」とは「英語の特徴や決まりに関する事項」であり、文、文構造及び文法事項などが含まれている。「思考力、判断力、表現力等」は、「情報を整理しながら考えなどを形成し、英語で表現したり、伝えあったりすることに関する事項」である。これら2つの資質・能力について、新学習指導要領では、「知識・技能が実際のコミュニケーションにおいて活用され、思考・判断・表現することを繰り返すことを通じて獲得され、学習内容が深まる」ものであると述べている。一方、「学びに向かう力、人間性等」は、「知識及び技能」と「思考力、判断力、表現力等」を一体的に育成する過程を通して育成される必要があるとしている。

言語活動とは、「知識及び技能」を活用させ、「思考力、判断力、表現力等」を育成するために取り組ませるものである。したがって、たとえば「話すこと」や「書くこと」の言語活動であれば、伝える内容と、その内容を英語でどのように表現するかの両者を生徒に考えさせる必要がある。

「話すこと[やり取り][発表]」、「書くこと」 (知識・技能)英語使用の正確さ (思考・判断・表現)表現内容の適切さ(コミュニケーションを行う目的や場面、状況などに応じた適切さ) (主体的に学習に取り組む態度)言語活動で表出された態度

「聞くこと」、「読むこと」」 (知識・技能)話されたり描かれたりしている内容そのもの (思考・判断・表現)「必要な情報」「概要」「要点(コミュニケーションを行う目的や場面、状況などの応じた必要な情報や概要、要点)」 (主体的に学習に取り組む態度)言語活動で表出された態度

「小学校での学びを生かす」とは、「言語活動」、「言語材料」、「教材」の3点である。

Pray human を読んで

pray human(プレイ ヒューマン)崔実(チェシル)著 講談社

NHKラジオ第1放送で日曜日にやっている「毎朝」の「著者からの手紙」というコーナーで紹介されていたので、購入してみた。前回紹介した、ふかわりょうの「世の中と足並みがそろわない」もそのコーナーからの紹介である。

いつも通り、小説はネタバレになるので詳しくは書けないが、大変重い話である。ご自身の経験も入っていると、ラジオでご本人から聞いたが、精神的な病を抱える自分の体験を綴っている。病院での経験や親友とのふれあい。

「心の底から自分や自分の周りにいる人を応援する。」

「一生懸命生きる。」

「どんなに理不尽なことがあっても、それと向き合って、生き続ける。」

「自分を受け入れてくれる人を大切にする。」

普段心がけていてもなかなかできないことであるが、文才がありデビュー作が芥川賞にノミネートされた主人公はどんなに不遇な環境でもそれらを追い求めようとする。私よりずっとひたむきに生きている。その主人公の姿にとても感銘を受けた。

第49回森会を終えて

2021年4月11日(土) 中川地域交流センター 出席者6名

「黄金の3日間」と呼ばれる授業開きをどうやっていけばよいのか、教えて欲しいということだったので、私の独壇場になってしまったが、ホワイトボードも使いながら、説明していった。

1 黄金の3日間は担任の第一声と同じである

学級開きの時に、「担任の第一声」と呼ばれる「語り」を行うことがある。自己開示を行い、「何を大切にしているのか。」「これからどういう気持ちでクラスを作っていくのか」「どういう思いから担任の教育観が成り立っているのか」、語りを通じて生徒に伝えていく。1年間で最も緊張する瞬間であるが、ここがうまくいくと、1年間の学級経営はスムーズにいくことが多い。私は1996年からずっと続けてやっている。今現在は担任を持っていないので、学年集会で語りをしている。

これと同じなのが、「教科開き」である。これから1年間どうやって英語の授業をやっていくのか、3日間かけて(3時間かけて)説明していくのである。

2 なぜ「黄金の3日間」なのか

担任の第一声は、1番最初にやるから、心の中に残りやすいのである。これを5月になってやっても、効果は非常に薄い。第一声だから効果的なのだ。これと同じで最初の3日間ぶっ続けで説明するから、子どもの心にも頭にも残りやすい。この最初の3日で話したことで授業がスムーズに進むことが多い。だから、「黄金の」と呼ばれるようである。

3 「黄金の3日間」では何をするのか

私の場合であるが、①自己紹介 ②なぜ英語を学習するのか ③指導者の英語学習について(学習者としての後ろ姿を見せる) ④授業の進め方について ⑤ノートの使い方について ⑥家庭学習の仕方 ⑦宿題について ⑧補助教材(ワークブックなど) ⑨授業のルールについて ⑩授業の係について(私は全員に係を分担して授業に参画させるようにしている) 11 成績の付け方について 12(今年度だけ)新学習指導要領かでの変更点などを行なっている。

⑨と11を丁寧に解説していきたいし、これでも時間が余れば、授業をスローでやってみる。子どもたちはすぐにはできないので、ゆっくり慣れさせることも必要である。また、ファイルや補助教材を配付し、名前を書かせ、少し説明したり、実際に書いてみたりして、新しいものに自分の命を吹き込むことをさせている。

4成績の付け方については、しっかり説明した方がよいか

今年度に関しては、しっかり説明しておいた方がいい。子どもたちは、訳がわからないかもしれないが、「単元毎にまとめの言語活動があり、それも評価の中心になること」「パフォーマンステストが増えること」「ただ『できる』ではなく、『相手意識を持つことと目的、場面、状況を考えながら』、パフォーマンスすること」が大切になってくることを解説する。

ホワイトボードにあるように、内容のまとまり(5領域)と3観点のクロス評価表にどの部分をどのテストで評価するのか、しっかり考えて説明するべきであることを提案した。その後で、「ルーブリック」を作成し、評価に備える必要がある。

私もまだできていないし、どんなようになるかが予測もつかないので、今年1年はしっかり考え実践し、反省するPDCAサイクルを生かそうと思う。

次回の森会は第50回。よく頑張ったと思う。W氏の頭が下がるくらい懸命な取り組みとみんなの情熱でここまで続いたのだと思う。