ICT機器を駆使しながらも、英語でのコミュニケーションを重視した授業を心がけています。

「教育家庭新聞」12月3日号より

 2019年12月に「教育家庭新聞」より取材されたことがある。東京書籍New HORIZONのデジタル教科書(指導者用)を使って日頃授業を進めているため、その取り組み状況を取材したいとのことだった。勤務校は学校長の方針もありICTに非常に力を入れている。各教室に大型テレビがありほとんどの教員がデジタル教科書または自作のPPTなどを使用して授業を行なっている。

 私の英語の授業は、大型テレビ、デジタル教科書、CDデッキ、書画カメラ(携帯用の小さいもの)、iPadを使っている。

 下には取材された時の記事が同新聞社のHPに紹介されていたので、アップしておいた。 

記事にもあるように、外国籍の子どもたちがほぼ半数いるため、教材の提示には大型テレビが欠かせない。「教科書のどこをやっているのか確認させる」「問題演習の答えの提示を拡大して見せる」「日本語で視写する際に援助できる」「絵や写真などを拡大して見せる」「映像を提示し学習内容を深めさせる」など、非常に効果的である。しかしながら、それは外国籍生徒へ向けてのみではなく、日本人の生徒へもわかりやすい授業運営となっている。ICT機器を利用することは、授業のUD化ということに対しても非常に有効である。

 ただ、ICT機器を多用すればいい授業ができるというわけではない。ICT機器は道具であり授業を運営していく上で、一つの手段である。授業ではICT機器がメインのソースではない。

 私の授業においても、コミュニケーション活動を中心とする「表現活動」に一番力を入れている。「教員の話を聞く」「生徒同士がお互いの想いを伝え合う」「自分の言いたいことを相手がわかりやすいように伝える」など、これらの活動はICTを使っても難しい。人と人が伝え合うということが授業の源流になっているという基本原則は崩さないようにしている。ただ、ICTを補助として使いながら伝えることは、「相手がわかりやすいように話をする」という観点ではとても大切なことであるということは忘れてはいけない。

 新出単語の提示はずっとデジタル教科書を使用して行なっていたが、定着が悪いので従来の厚紙での提示に変えようと思っている。デジタルでするとさまざまな提示の仕方(ランダムに提示やスピードを変えて提示)があるにもかかわらず、冗長になってしまう。授業者のやり方がまずいのかもしれないが、子どもたちの表情からもあまりよくない感じがする。このように、一見便利には見える機能であるが、デジタルではなくマニュアルの方がいいものもあるので、学年末のアンケートなどで検証しながら、どちらにするか考えている。